ターゲットが必要としている「パンフレット」とは!
2018年03月06日 00:00
この記事に書いてあること
効果的なダイレクトメールってどんなものだろう。その課題にとことん取り組んできた中堅からベテランまでの個性的で経験豊かな5人のディレクター。5人それぞれが感じた「はてなへの答え」をそっとお伝えしていきます。お役立ち情報も展開していくのでお楽しみに!
カタログとパンフレットの違いとは?
こんにちは。お久しぶりのアートディレクター「N」です。 山登りと犬と甘いもの好きな私ですが、先日、激ウマのベルギー産チョコレートに出会い、そのとろける味だけでなく添えられていたパンフレットにもえらく刺激されてしまったので、今回はそれに関連したお話をさせてください。
そのパンフレットは「ベルギーのチョコレートがなぜ特別か」という話から始まっていました。特にこだわるカカオの量やカカオバターの話は、私だけでなく、チョコフリークの多くはすでに知っていること。でも、一般的には知られていないのかも……。知らない人がいるからこそ、こうした商品のこだわりや価値のアピールにつながる情報が重要視されているんだなと、あらためて感じました。
ところで「カタログ」と呼ばれるものと「パンフレット」と呼ばれるものがありますが、この違いって説明できますか? 企業によって呼び方は異なりますが、それぞれの役割について私なりに考えたことをお伝えします。まずは、化粧品の販促ツールとして制作された以下の2つの紙面をご覧ください。
A/商品ボトルを含め、商品情報がメインのもの
B/商品特徴のコピーとビジュアルがメインで入ったもの
同じ商品を紹介したものですが、受ける印象は全く違いますよね。Aは商品を買うための情報がわかりやすく整理されている、Bは商品が魅力的に見えるようにつくられている……そう思いませんか?
同じ商品紹介でも、Aのように買うためのスペック(機能・成分・容量・価格といった情報)がわかりやすい「カタログ」の役割をするものと、Bのように商品のベネフィットを強調し、より魅力的に見せて“欲しい!”と思わせる「パンフレット」の役割をするものがあるのです。
待ちのスタンスと、攻めのスタンス
個人的なイメージとしては、店頭販売において、商品陳列棚に並んでいる様子が「カタログ」で、商品について語ってくれる販売員が「パンフレット」。ある意味、「カタログ」は、陳列され“見て、選んで!”という待ちのスタンスで、「パンフレット」は“注目はここ、○○が違うんです!”という攻めのスタンスということになります。
もちろん、どちらが良い、悪いということではなく、受け取る相手が商品をどれくらい知っているのかなど、状況や距離感を想定し、うまく使い分けることが重要です。
欲しい(はずの)情報を見極めて届ける
たとえば、商品をあまり知らない人に商品一覧表ともいえる「カタログ」を送っても、魅力を理解してもらっていないので興味を引かないかもしれません。初めて知る商品のラインナップを見て、いきなり購入、とはならないでしょう。
一方で、商品をよく知っている人(リピーターなど)は、その魅力を十分理解しているのでカタログのほうが喜ばれる場合もあります。同じシリーズの別の商品とも見比べたいと思っている人だっているかも!
これを再び店頭販売で考えると、買いたいものがある程度はっきりしている場合、見やすい陳列棚だと目当ての商品を見つけやすいですし、当然そこに販売員の説明は不要です。逆に、商品について、わからないときや迷っているときに販売員に尋ねても、商品のベネフィットをちゃんと説明できない人や決まり文句のスペックばかり語る、というのでは解決になりませんよね。
どっちも伝えたい、ならばストーリー設定はしっかりと!
ちなみに、「ダイレクトメール」においての私のおすすめはどちらも送ることです。とはいっても、必ずしも2ツール必要というわけではありません。ページものであれば前半をパンフレット、後半をカタログに、ペラものであれば表面をパンフレット、裏面をカタログにすれば良いのです。その際、パンフレットエリアとカタログエリアの役割をゴチャ混ぜにしないよう、それぞれの役割をしっかり理解した上で、構成することが大切です。
販売員の丁寧かつ情熱的な説明を受け、売り場で目当てのものを購入する、そのストーリーを思い描きながら、パンフレットとカタログを上手に組み合わせ制作すると良いかもしれませんね。それでこそ、並んだ商品も「待ち」に終わらず、一つひとつ魅力的に見えてくるんじゃないかと思うんです。
DMの良さは、伝えたいことをコンパクトにまとめて送れること。優秀な販売員と、買い物しやすい陳列棚がひとつのDMに詰まっているってすごいことだと思いませんか?!
最後に、例のチョコレートのパンフレットですが、とろけるシズル感の中、ベルギーチョコの歴史に一石を投じた新進気鋭のショコラティエの味へのこだわりが語られ、“なるほど”と感心&感動。裏面の商品カタログを見て、“次はやはりマカロンだわ”と見事ストーリーにはまった私です。自分のパンフレット制作にも活かさないと!
まとめ
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