自社で検証!9つのDM施策、成功と失敗の分かれ目とは?

From: ダイレクトマーケティングラボ

2022年06月30日 00:00

この記事に書いてあること

「マーケティングは大切と言うけど、何から手をつければいいんだろう?」そんな疑問にダイレクトマーケティングのプロがお応え。世の中の販促マーケティングの実例から重要なポイントを分析し、明日から使える実践的ノウハウとしてわかりやすくご紹介します!

2021年度リコージャパンが実施した9つのDM施策。なぜリコージャパンはDM施策に取り組むのか、具体的な失敗事例や成功事例、その失敗と成功の要因を分析してわかったこと、そしてDM施策を成功に導くポイントやノウハウを解説します。

「メルマガやWeb広告施策で成果が出なくなってきた。何か他に良い施策はないか」と販促施策を探しておられる方、「DM施策を実施しているが、なかなか思うような結果が得られない」といった方、必見の内容です。

リコーがDM施策をする理由と目的

リコージャパンが2021年度、DMを多く活用したのには2つの理由があります。

1つ目はコロナ禍で、お客様へ直接訪問する営業活動が難しかったこと。2つ目はWeb広告やメルマガなどデジタル施策を実施してみたものの、メルマガは配信本数が増えたことで、閲覧率やクリック率が低下、Web広告はスルーされるなど、なかなか成果に結びつかなかったこと。

そこで、直接お客様の手元に届き、閲覧率も高い紙DMを活用してみようということになったのです。

DMの目的は大きく2つ。ウェビナー集客とWebサイトへの誘導です。コロナ禍で直接対面での営業活動やリアルでのセミナー開催ができなくなった分、オンラインでのウェビナー開催も含め、デジタルマーケティングの推進が進みました。デジタルマーケティングでは、顧客のカスタマージャーニーに合わせて、商品やサービスの認知~興味関心を高め、課題認識~本格検討へとステップが進んでいきます。その際キーイベントとなるWebサイトへの誘導やウェビナー集客をあえてアナログの紙DMでやってみたのです。

施策結果を大公開!

さて、結果はどうだったのでしょうか?
その前に、DM施策は何をもって成功と言えるのか、成功の定義についてお伝えします。DMには反応率という指標があります。反応率とはDMを送付した人のうち、「資料を請求した」「問い合わせをした」といった何らかの反応(レスポンス)をした人の割合のことです。

DMの反応率(%)= レスポンスの件数 ÷ DMの発送数 × 100

郵便ダイレクトメール(DM)の反応率はおよそ1.0%で成功と言われています。また、DMを送る相手によっても反応率は大きく変わってきます。ターゲット別の反応率の目安は次の通りです。

  • 新規顧客の場合:0.5~1%程度
  • 見込み顧客の場合:1~10%程度
  • 既存顧客の場合:5~15%以上

出典:日本政策金融公庫「経営Q&A 売り上げアップにつながるチラシ・DM作成術」

上の定義で行くと、リコージャパンの2021年度のDM施策のうち、大成功が5件ありました。

リコージャパンの2021年度のDM施策の成功例

逆に大失敗は2件。

リコージャパンの2021年度のDM施策の失敗例

最も反応の良かったDMは13.9%、最も反応の悪かったDMは0.3%、実に46倍もの差が生まれています。この違いは一体何が起因しているのでしょう。次の章では、大成功と大失敗の事例を具体的に検証してみたいと思います。

成功と失敗の狭間に何がある?成功例と失敗例を詳しく解説!

リコージャパンでは、2021年度、新規ビジネスを提案するイベントを複数回開催。毎回DMでの周知活動を行ってきました。DMの目的自体は新規ビジネス提案イベントへの申込参加だったのにもかかわらず、大成功したDMと大失敗したDMに分かれました。

片や反応率11.1%、片や反応率0.3%。DMのサイズや仕様はA4両面と同じ。2つのDMは何が違ったのか!?

何が違う??

答えはターゲットです。

大失敗したDMは、営業から提出されたリスト宛てにそのまま送付したのに対し、大成功したDMは過去の商業印刷企業向けオンラインイベントのアンケートで「リコーのガーメントプリンターに興味あり」と回答した人に送りました。

2つのDM施策の違いは、ターゲットの絞り込みをしたかしないか、たったこれだけです。
いかにDM施策において、ターゲットが重要であるかを顕著に表している事例だと思います。
後はタイミングもポイントかもしれません。
しかも、この2つの施策。実は成功の方が先なんです。なぜそれが後の施策に生かされてなかったか?答えは簡単!結果を分析検証して次の施策に生かせてなかったからです。

この2つの事例から、私たちが学んだことは、まずターゲットを絞る、そしてPDCAを回すことです。

もう一つの成功事例として、「1to1動画が見られるバリアブル手帳DM」があります。

1to1動画が見られるバリアブル手帳DM

こちらは経営層のスケジュール帳をイメージし、「離席中にリコージャパンの担当営業からセミナー紹介の連絡があり、秘書から付箋で伝言があった。付箋を見た経営層がスケジュール帳を開いて予定を書き込む」というストーリーラインに沿ったビジュアルデザインにしました。

表紙と中面にリコージャパンの担当営業の名前と顔写真を入れて、親近感を創出。QRコードを配置して、セミナーで紹介予定のパーソナライズ動画を閲覧できるようにし、セミナーへの参加を誘導するとともに、参加前に製品をイメージしていただくという体験をお客様にお届けしました。

この事例の成功要因は、大きく2つ。

1つ目はターゲットの絞り込み。過去の関連セミナー参加者とリコーの印刷会社の経営層向け情報提供サイト「Print Compass」でバリアブル系コンテンツを閲覧したお客様を抽出してDMを送ったこと。つまり、データやMAツールを使って、顧客の興味関心でターゲットを絞れたことです。

2つ目は、DMを受け取ったお客様の関心・興味を引くクリエイティブや仕掛けにこだわったこと。やはりDMの成功と失敗には、それぞれちゃんとした理由がありました。

検証結果から見えた、成功するDMのコツとは

DMは「ターゲット」「オファー」「タイミング」「クリエイティブ」の4大要素で成り立っています。

4つの要素における重要度について、従来は【ターゲット:オファー:タイミング:クリエイティブ=40%:30%:10%:20%】と言われていましたが、その後、【ターゲット:オファー:タイミング:クリエイティブ=50%:20%:20%:10%】(5:2:2:1の法則)に重要度が変わってきました。

特にMAツールとの連携で、カートに入れたものの購入しなかったお客様宛に、24時間以内にその商品をお勧めするDMを送ったディノスセシールの事例は、4大要素の中でもタイミングを重視した画期的な事例でした。

しかし、ここ2年程はコロナ禍の影響で、この重要度の割合も見直されているかもしれません。というのも、特にBtoBビジネスにおいて、直接訪問できない営業に代わってDMが活用されるケースが増えてきたからです。

第36回DM全日本DM大賞でも、挨拶状から始まり、商品やサービスの説明リーフレット、営業メンバーの紹介、サービスの導入効果や実際のサンプルなどをセットにし、きめ細かに営業マンが説明するかのごとき「プレミアムDM」と呼ばれるDMが多く見受けられました。

クリエイティブに凝るとコストは確かにかかりますが、営業の方の工数やDMをフックにして得られる売り上げの大きさを考えると、BtoBビジネスにおけるプレミアムDMは、DMの役割や価値を大きく変えるトレンドと言えるかもしれません。

まとめ

一番大事なのはターゲティング。ターゲットを絞り込んで、効果的なDMを送るのが成功の秘訣という話をしてきました。リコーでは、お客様に日ごろの感謝を伝え、特別感を感じていただく、そんな特別なDMをお勧めしています。
凸凹や光モノで差をつけるギミックを使ったDMやゴールドやシルバーといった特色トナーを使ったDMなど、受取った方が思わず開封してしまう!そんなDMを送ってみてはいかがでしょうか?

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