DMは本当に効果があるのか?今こそ顧客に響くDMが必要な理由

From: ダイレクトマーケティングラボ

2022年05月18日 00:00

この記事に書いてあること

「マーケティングは大切と言うけど、何から手をつければいいんだろう?」そんな疑問にダイレクトマーケティングのプロがお応え。世の中の販促マーケティングの実例から重要なポイントを分析し、明日から使える実践的ノウハウとしてわかりやすくご紹介します!

現状DM施策を行っているが、あまり効果が得られていないと感じている企業の方、何か効果的な販促施策やお客様とのコミュニケーション施策はないかと探している方も多いのではないでしょうか?

このコラムではDMは本当に効果があるのか、今DMに求められているものは何なのか、あらためて考えてみたいと思います。

現代人が一日に受け取る情報量は?

その前に、質問です。

皆さんは現代人が一日に受け取る情報量がどのくらいかご存じですか?現代人が受け取る一日の情報量は、なんと!江戸時代の人の1年分、平安時代の人と比べると一生分と言われています。

平安時代になくて江戸時代にあったもの、それは「地図」です。地図によって、人は目的地までより正確により早く行けるようになりました。人々の行き来により、様々な土地の情報も行きかい、会う人の数も増え、人の情報量は自然に増えました。

現代にいたっては新幹線や飛行機など交通網の発達はもちろん、インターネットやモバイル機器などIT技術の発達により、情報は溢れかえるようになりました。

しかし、昔に比べ、受け取る情報量が爆発的に増えたといっても、人間の脳の容量や機能は20万年前とほとんど変わっていません。ということは、処理できる情報量には限りがあるということです。

そこで起こっているのが、現代人の脳疲労と情報の取捨選択です。皆さんにも覚えはありませんか?WEB広告は見ずにすぐ閉じる、メールの件名だけ見て削除する、もしくはほとんど見ないフォルダに見られることのないメールが自動的に振り分けられる…

では、そんな現代人に情報をできるだけ確実に届け、伝える方法ってあるのでしょうか?

デジタル主流の今だからこそお勧め!DMのメリットとは?

企業から送られてくるメルマガや広告メール、実際のところ、平均開封率は10%程度だそうです。もちろん送付元の企業に興味があるかないかで、5〜20%の幅でばらつきはあるのですが、決して高い開封率とは言えません。

Eメールの平均開封率10%に対し、紙のDMはどの程度開封されているのでしょうか?

下記の表は、一般社団法人日本ダイレクトメール協会が行った「DMメディア実態調査2022」の調査結果から抜粋したものです。

「DMメディア実態調査2022」の調査結果から抜粋した表

出典: 一般社団法人日本ダイレクトメール協会「DMメディア実態調査2022」より

この調査によれば、約75%の人が受け取ったDMを開封し、その内の20%の人がその後、インターネットで調べたり、店に出かけたりなど何らかの行動を起こしたことがわかります。

また、ある脳科学の研究によれば、紙メディアの広告を見た場合、デジタルメディアの広告を見た場合よりも、記憶に関係する神経回路が活性化することがわかったそうです。つまり、紙メディアのほうが「記憶に残りやすい」というわけです。

これらのことから、お客様に直接届くDMは、手元にも記憶にも残り、人を動かす「コンバージョンパワー」も高い有効なメディアだと言えるでしょう。

顧客とのタッチポイントとして有効なDMですが・・・

しかし、一方で実はDMの閲覧率が下がっているというデータもあります。

こちらは同じく「DMメディア実態調査」の2016年から2021年の個人あてのDMの閲覧率データの推移です。

「DMメディア実態調査」の2016年から2021年の個人あてのDMの閲覧率データの推移

こちらのグラフを見ると、2016年の81.5%をピークに個人あてのDMの閲覧率は緩やかに下降していることがわかります。2021年には盛り返してはいるものの、2020年は63.1%とピーク時から20%近くもダウンしています。

これは、先ほど述べたDMのメリットと矛盾しているようですが、直接受け取るDMの世界でも情報の取捨選択が行われていることを意味していると考えられます。

捨てられないDMとは?代表的なギミック例6選!

では、捨てられずに顧客に響くDMとはどんなDMなのでしょう?まずは、たくさんのDMの中でも埋もれずに手に取ってもらえるよう、他社のDMと差別化する必要があります。良い意味で目立つこと、DMも第一印象が大切なのです。ポストの中で存在感を発揮するDMとして、代表的なギミックの例をいくつかご紹介します。

①大きさで目立つ!

正統派の目立たせ方、いわゆる「定形外郵便物」です(120×235mmまでが定形)。ただ、いわゆるA4などの規格サイズだと、ありふれている感じがして意外に目立たないことも。

その場合、デザインを縦使いにするより、横使いにする方が目立つかもしれません。

②形で目立つ!

同じ定形外郵便物でも、形に何か特徴があると目立ち方が強くなる傾向があります。正方形とか、長辺がやたら長いとか…。ちなみに菱形や五角形のダイレクトメールも存在しました。

�@大きさで目立つ!DMと�A形で目立つ!DM

③厚みで目立つ!

俗にいう「ボックスメール」、箱型の立体的なダイレクトメール。人は厚みをつけると「立派」に感じがち。恰幅の良い紳士が立派に見えるのと同じですね。箱型にすると中身への期待が高まり、不思議なもので豪華なもの・大事なものが入っているように思えてしまいます。サイコロ型や筒型もこの仲間です。

④穴で目立つ!

封筒に穴(窓)を開けて、内容物の一部を覗かせるタイプ(宛名用の窓は除く)。中身がチラ見えすることで「気になる」感がアップして、目立つ効果が!窓の形を工夫(ロゴの形や動物の形)したり、トレーシングペーパーなどの用紙で中身を「透かす」手もあります。

�B厚みで目立つ!DMと�C穴で目立つ!DM

第36回全日本DM大賞グランプリに輝いた作品も、この手法をうまく活用しています。

⑤素材でじんわり目立つ!

封筒の用紙に風合いの良い「高級紙」を使用し、質感で他のダイレクトメールとグレード感の差をつけることもできます。手触りにもこだわって用紙を選定すると「触感」にも訴えるひと味「大人な」存在を醸しだせます。

さらに、木材・プラスティック・金属・布など異素材を使用したものや、エアキャップ(ぷちぷち)を使った封筒で目立たせたケースもあります。

⑥凸凹や光モノで差をつける!

素材で目立つのと同様に、グレード感で差をつけ目立つ代表的手法が「エンボス(型押し):凸凹をつける」と「箔押し:キラキラさせる」及びその合わせ技です。

箔にも色々種類があり重厚なゴールドから不思議感のあるホログラムなどもあります。バーコ印刷(インク部が盛り上がる)やフロッキー印刷(布みたいな?ケバケバになる)などの特殊印刷で目立たせるのも、⑥の仲間と捉えて良いかもしれません。

�D素材でじんわり目立つ!DMと�E凸凹や光モノで差をつける!DM

ここで注意したいのが、ギミックを使うとそれなりにコストがかかるということです。したがって、誰それ構わず目立つDMを送ればいいというものではありません。DM施策を成功させる重要なポイントは、バラマキではなく、ターゲットを絞って特別感を演出し、顧客に響く(反応してもらう)ことです。

ターゲティングの重要性については、こちらのコラムをご参照ください

ロイヤルティの高いお客様にこそ、特別感のあるDMを!

皆さんの会社でも、優良顧客のロイヤルティや売り上げを伸ばすため、特別な展示会やイベントを企画するなど、様々な施策を行っているのではないでしょうか?その招待状が普通のハガキだったり、社用で使う封筒でのご案内だったらどうでしょう。せっかくの特別感がお客様に伝わらないかもしれません。そして、それは来場者数やイベント自体の成功にも影響を与えるかもしれません。

今回ご紹介した凹凸感や金銀ホログラムを使ったDMや封筒の素材に凝ったDMなど、特に自分だけに特別なDMが来たと感じたなら、きっと皆さんも捨てずに開けてみようとしますよね?そうしたDMは見た目だけでなく、手触りなど五感に響き、特別感を演出してくれます。

ゴールドやシルバーといった特色トナーを使ったDMもその一つです。
特色トナーを使ったDMと使わないDM、リコージャパンが実証実験を行った結果、なんと!特色トナーを使ったDMの方がサイトへのアクセス数などの販促効果が1.5倍という結果が出ました。
▶リコージャパンがやってみた!特色トナー効果実証実験結果の詳細はこちらから

確かにこれらの凝ったDMはある程度コストがかかります。しかし、コロナ禍以降増え続け、その中で埋もれてしまうメルマガやWeb広告といったデジタル施策の効果が見込めなくなっている昨今、ロイヤル顧客やリピーターといったどうしてもコミュニケーションをとりたい方にターゲットを絞り、特別なDMを送ってみてはいかがでしょうか?

お客様に日ごろの感謝を伝え、特別感を感じていただく「センサリーDM」

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