顧客の行動データを施策でどう活かす!?重要性から具体例まで詳しく解説

「マーケティングは大切と言うけど、何から手をつければいいんだろう?」そんな疑問にダイレクトマーケティングのプロがお応え。世の中の販促マーケティングの実例から重要なポイントを分析し、明日から使える実践的ノウハウとしてわかりやすくご紹介します!
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行動データとは、商品の購買やWEBの閲覧履歴、検索履歴など、顧客の行動をデータ化したものです。行動データの活用は、マーケティングの戦略立案の際や、顧客とコミュニケーションをとる際に、非常に重要です。しかし、どう活用すればいいのか具体的な方法を知らない方もいるのではないでしょうか。
この記事では、行動データの概要や重要性、活用例などを詳しく解説します。ぜひ、お役立てください。
目次
顧客行動の変化と行動データの重要性
行動データは、基本オンライン(ネット)とオフライン(リアル)に分けられますが、近年インターネットやスマートフォンの普及により、顧客の行動は複雑化しています。購買プロセスにおいても、ネットとリアルを縦横無尽に行き来する時代になりました。
一方で、IoT・センシング技術の発達やビッグデータ分析により、顧客の行動や購買プロセスが可視化され、より深い顧客理解ができるようにもなりました。複雑化した顧客行動をデータとしてとらえることで、より精緻なマーケティング戦略の設計や顧客のニーズにあわせた最適なタイミングでのコミュニケーションが可能になるのです。
「行動データ」の活用がマーケティングを変えた!?
企業が顧客の行動データを活用できるようになって、マーケティングがどう変わってきたのか見てみましょう。
そもそも、顧客データとは?
顧客データには、顧客の属性に関するデータと顧客の行動に関するデータがあります。
- 属性データ……年齢、性別、居住地、家族構成、職業、収入など
- 行動データ……WEBの閲覧履歴、SNS上の行動、購買履歴(訪問回数や滞在時間、購入した商品、購入金額)、GPS(位置情報)など
行動データが入手できなかった頃のマーケティングは、「女性、30代、東京都在住、既婚、子供あり」といった属性データを頼りに、施策を検討するしかありませんでした。そのため、顧客がどのようなプロセスを踏んで購入に至るのかも推測の域を出ず、アプローチ方法や顧客接点の課題を見つけることは非常に難しいことでした。
しかし、行動データを入手できるようになり、マーケティングはがらりと変わりました。顧客がいつ、どういった行動を取ったのか、同じような行動パターンの顧客はどのくらいいるのか、アプローチ施策に対してどんな反応をしたのかなど、全て事実に基づいて分析や改善施策を回すことができるようになったのです。
マーケティングにおいて行動データが有効である理由
マーケティングにおいて、行動データが有効である理由を具体的に説明していきます。
複雑化した購買プロセスが可視化できる
以前は、新聞やテレビといったマスメディアでプロモーションすれば多くの人に認知され、購入までつなげることができました。しかし、スマートフォンが普及した現代においては、顧客は口コミや友人の評価を参考にして、商品やサービスを比較検討してから、購入します。その結果、購買にいたるまでの顧客のプロセスが複雑化しました。
行動データの活用は、このような複雑なプロセスを可視化できます。例えば、優良顧客の抽出が難しいという課題があった場合、行動データを活用して購買プロセスを把握することで、「誰が、どの商品をどれだけ購入したのか」などを把握でき、優良顧客がわかります。また、このように顧客を分類することで、新たな施策を考えられるようにもなります。
事実に基づき適切な判断と施策の立案が可能になる
顧客の行動を数値データとして扱うことで、利用状況や問題について推測ではなく、事実に基づいた適切な判断ができます。
例えば、「商品Aを購入した人がリピーターになるか?」を行動データで確認します。すると、2回目以降はワンランク上の商品Bを購入していることがわかりました。「質」を重視する顧客が多い事実を把握でき、この情報から質の高い商品を増やし、商品Aを購入した顧客には商品Bをお勧めするという戦略を立てられます。
また、商品のターゲット設定を、実際にニーズのある層とは異なる層に設定してしまっていることもあり、ターゲット設定を間違っていることにも気づかないというケースが多くあります。そういったケースでも、行動データを活用することで、事実に基づいた正確なターゲット設定ができるようになります。
さらに行動データが集まることで、正しい分析と施策が実行できる
行動データを集めることで、正しい分析と施策が実行できるようになります。例えば、ECサイトの売り上げが減っているという課題がある場合、正しい状況の確認が必要です。そこに、行動データから「ページを行ったり来たりしている」「すぐに離脱している」ということが確認できた場合、サイト全体の導線設計の改善が課題であると考えることができます。
また、行動データでUX(ユーザーが製品を通じて得られる体験)を改善することで、さらに行動データが集まります。「すぐに離脱している」などの原因を考えるなかで、「顧客は具体的にどういった状況にあるのか」を把握でき、正しい施策を考えられるからです。
行動データ活用の現状
行動データの活用にはさまざまなメリットがありますが、実際にデータを活用できている企業は、データサイエンティストが在籍している一部になります。行動データは、全ての顧客・行動が対象となり、扱うデータ量が膨大で解釈も難しいからです。
行動データを扱うには、数字に強く、数字から背景情報を読み解き、そこから顧客の行動を具体的にイメージできる能力が必要です。しかし、そういった条件を兼ね備えたデータサイエンティストを確保することは簡単ではありません。その場合は、サービスの利用やツールの導入を検討するとよいでしょう。
行動データ活用術|3選
行動データの具体的な活用方法を紹介します。マーケティングにおける行動データ活用のヒントにしてください。
SNSデータから潜在顧客を発見する
「SNSデータ」からは、どんな人が、何をつぶやいたかが把握できます。SNSデータを活用した例としては、潜在顧客を発見する方法があります。
例えば、基礎化粧品を販売している企業の場合で、顧客ターゲットを30代に設定しているとします。SNSで「シミ・乾燥」に関する書き込みを集めると、「20代の頃にサーフィンで日焼けをしていて、現在シミに悩んでいる」という40代の人のコメントが複数見つかりました。これにより、本当のターゲットは40代だということを発見できます。
顧客のWEB行動データを活用した、パーソナライズDMで効果的なアプローチ
「WEB行動データ」とは、WEB上での閲覧行動履歴を集めたデータのことです。具体的には、顧客がアクセスしたページタイトルやアクセスURLを確認できます。このWEB行動データを活用することで、顧客一人ひとりにあったマーケティング施策や商品改善につなげられます。
例えば、車検あるいは車の買い換えの顧客を獲得したいカーディーラーの場合で、顧客一人ひとりのニーズがわからず、どのような施策を行うべきかわからないとします。
WEB行動データがわかるようにQRコードを個別に発行した車検DMを送ることで、WEBサイト上で「車検」のページに遷移した人と「新車」のページに遷移した人がわかります。これにより、次に送るDMを顧客それぞれのニーズにあわせて「車検案内」と「買い換え案内」に分けて送ることができ、効果的な施策が可能になります。
購買データから購買層を理解し、施策につなげる
行動データでわかる購買データは、いつ・どこで・どんな人が・何を購入したかがわかります。この購入データから購買層を具体的に理解し、次の施策につなげられます。
例えば、「直近3カ月で食品Aを最も購入した人」について、具体的なデータを把握できます。そのデータを元に「より食品Aが売れるためにはどうすればいいか」「食品Aを購入した人に勧められる商品はないか?」「他商品を売るためにはどうすれば良いのか?」など、次に適切な施策を考えられるようになります。
まとめ
行動データの活用は、より深い顧客理解のために必要なことです。また、行動データを活用することにより、顧客のニーズにあわせた最適なタイミングでのコミュニケーションが可能になることがご理解いただけたと思います。
リコーでは、企業と顧客との最適なコミュニケーションに向けて、顧客のWEB行動データを活用した施策を企画いたします。デジタル施策のみでは顧客を態度変容させられないとお悩みの方、顧客データを活用した紙の施策もやってみたいとお考えの方、ぜひリコーにご相談ください。
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