CRMの最新事情〜IT化とソーシャルメディア連携〜【前編】

CRMの最新事情〜IT化とソーシャルメディア連携〜【前編】

トレンドの移り変わりが激しいデジタルマーケティングについて、マーケターが押さえるべきトレンドをまとめました。デジタル変革期に欠かすことの出来ない最新情報をぜひご覧ください。

CRMに関するイメージ

顧客との良好な関係構築を目指すマネジメント手法、CRM。スマートフォンなどのモバイルデバイスの世界的な普及、Facebook、YouTube、Twitterなど各種ソーシャルメディアの台頭など、新たな時代のトレンドがCRMを大きく変え始めています。

前編ではIT化・デジタル化によって発展してきているCRMの現状について、後編ではソーシャルメディア連携の実例、そしてCRMの今後について解説します。

顧客主義への転換とIT化により普及が進むCRM

CRM(Customer Relationship Management)とは

顧客との長期的かつ良好な関係を構築し、製品・サービスの継続的な利用を促すマネジメント手法です。顧客一人ひとりの年齢、性別、趣味、嗜好などの情報や、苦情や意見などの履歴、購入履歴や利用実績など、あらゆる接点での情報を蓄積・管理します。その情報を用いて、個々の顧客に最適なサービスや商品を提供し、満足度を高め、購買額を最大化し長期的なLTV向上を目指します。

CRMについて用語の意味や使い方はコチラ

古いところで言えば、日本でも“富山の薬売り”が同じようなマーケティングを行っていました。江戸時代に始まったこの薬の行商は、定期的になじみの顧客を訪問し、顧客本人や家族の健康状態を聞き、状況にあわせた最適な置き薬を販売するというもの。顧客と薬売りの良好な関係は何代にも渡って続きます。これはまさにCRMの理想そのものと言えるでしょう。

マーケットは企業主導から消費者主導へ

1990年代に入ると、この個人を対象としたマーケティング手法への注目が高まっていきます。マーケットは企業主導から消費者主導へと変化し、コストのかかる新規顧客開拓よりも既存顧客を大切にすることの重要性が認識され始めました。企業の考え方も「顧客主義」へと変化し、それにともないCRMは普及していきました。

従来は年齢や性別だけで顧客をセグメントし、企業から一方的に情報を送っていましたが、この手法では顧客の反応(レスポンス)を計測することができず、マーケティング施策が効果的だったのかどうかの判断ができませんでした。また細分化・複雑化する顧客のニーズをつかむことも難しかったのです。CRMの考えを取り入れることにより、企業は「マス」ではなく「個」を意識するようになり、「一方的」ではなく「双方向」のコミュニケーション施策を考えるように変化しました。CRMは企業の立ち位置を、企業側から顧客側に変えたのです。

クラウドの登場による費用低減で中小企業にもCRMが浸透

さらに近年では「顧客主義」の思考にくわえて、ITの発展も、CRMの急速な普及に影響を与えています。CRMを実現するためには顧客の情報が必要ですが、それを管理するために今までは自社内の専用サーバーにシステムを構築、社内ネットワークなどで情報共有するのが一般的でした。そのためコスト面の負担が大きく、大企業などでしか利用されていませんでした。しかし、最近ではクラウド上の既に構築されたシステムを、一定の料金を支払って利用するといった方法が登場してきています。専用のサーバーを用意する必要がなく、初期費用の負担が少なく済むので、すぐに利用を開始することができます。

このような理由から中小企業でもCRMの考えを取り入れるところが増えており、今後もこの傾向は加速していくことでしょう。

情報収集の基盤もアナログからデジタルへ

時間も工数もかかっていた従来の情報整理

CRMの根本を成す情報の収集方法においても、時代の流れにともない変化が起き始めています。これまで多くの企業では、顧客・見込客の情報を電話、メール、面談などの方法で入手しており、営業マンが外出先で行った顧客との商談の状況は、帰社後事務所のパソコンから手入力するのが一般的でした。そのため入手した顧客情報は整理されるまで時間がかかり、また各部署ごとに違うシステムで管理されていることも多く、情報共有しにくい環境だったのです。

情報は容易に共有・管理され、活用のフェーズへ

ITの発展は、今まではアナログともいえる方法で収集していたこれらの情報をデジタル化し、活用しやすいよう変化させました。例えば顧客からサービスセンターにかかった電話は自動的に録音され、内容に応じてすぐ担当部署に共有されます。顧客からの要望や問題点はすぐに分析、分類され、日ごとはもちろん時間ごとのデータとして整理することが可能です。外出先で商談中の営業マンは、モバイルPCで顧客の属性や購入履歴などを確認しながら、商談を効率的に進めることができるようになりました。商談の結果も外出先から入力し、即座に社内で情報共有されます。

社内に散らばっていた情報を統合して共有化したり、人間の手を介して情報化していた手順を自動化するなど、顧客情報の収集におけるデジタル化が加速しています。

ソーシャルメディアで顧客と密接な関係性構築を

また、最近ではソーシャルメディアから得られる情報を活用し、CRMはさらなる進化を遂げ始めています。

ソーシャルメディアの普及は、個人と個人だけでなく企業と個人が直接会話することを可能にしました。多くの企業がFacebookやTwitter、Instagramなどに公式アカウントを開設し、個人と双方向に対話しながら自社の製品やサービスへのコンタクトを促すケースが増えてきているのです。また、ソーシャルメディアでは、趣味・嗜好・意見などの情報だけでなく、個人が属するコミュニティーや友人関係までも顧客情報として活用できます。ソーシャルメディアを活用することにより、より密接なカスタマーリレーションシップが可能になってきているのです。

まとめ

顧客との長期的かつ良好な関係を構築するために欠かせないマネジメント手法、CRM。クラウドの普及がその裾野を広げつつあり、データ収集・活用もアナログからデジタルへ、そしてさらにはソーシャルメディア活用へと進化しています。

今までの顧客との接点を、大きく変化させる可能性を持つソーシャルメディア。2018年の全世界における予測ユーザー数は31億9千万人で、特に先進国ではインターネットに接続している人の大半が、なんらかのソーシャルメディアを利用すると予測されています。後編では、CRMにおけるソーシャルメディア活用の事例を紹介していきます。

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