プライミング効果

プライミング効果

物やサービスを買う時には合理的な判断だけではなく行動心理が働いており、行動心理学を知る事で、効果的なマーケティング施策を打ち出しやすくなります。マーケティングに限らず日頃からお役立て頂ける心理学をご紹介いたします。

人は無意識の連想に操られている? 「プライミング効果」

私、中高時代はラーメン中毒。ハシゴもへっちゃらの底なし胃袋。特に近所の「こぐま」には世話になりました。よく女将さんがチャーシューをおまけしてくれたっけ。で、地元を離れて気づいたんですけど、唇の厚いまあるい笑顔のおばさん(失礼!)を見かけるとラーメンが思い浮かんじゃう。今なら渡辺直美さん。テレビに映ると、頭ン中に味噌の匂いがしてくるんですよねぇ。

こんにちは。ふくよかなラーメンが大好きなコピーライター、Kです。マクラが長いですね、すいません。

連載第15回目のお題は「プライミング効果」です。プライミング効果とは、事前に見聞きしたことがその後の判断や行動に影響を与えること。…って、なんだかムズいですが、身の回りのプライミング効果あるあるで考えてみましょう。

したり顔の小学生

小学生はプライミング効果の達人?!

まずは小学生ならみんな知ってる、あなたもきっとやっていた〈10回クイズ〉です。

その①

A「シャンデリア、って10回言ってみて!」

B「シャンデリアシャンデリアシャンデリア……」

A「じゃ、毒リンゴを食べたお姫様の名前は?」

B「シンデレラ」

A「ぶ~、白雪姫!」

その②

A「温泉、って10回言って」

B「温泉温泉温泉……」

A「3000の次は?」

B「4000」

A「3001だよ!」

Aくんの得意顔、目に浮かびませんか? 直前に聞いたこと(シャンデリア、温泉、といった言葉と音)が、その後の判断に影響を与えました(クイズの答えを間違った)。言い換えると、「シャンデリア+童話」というインプットが瞬間的に「シンデレラ」という無意識の連想を促し、アウトプットされたのです。

プライミングされた感覚ゼロ。まるで催眠術!

〈10回クイズ〉で答えを間違った理由はBくんにもわかりますが、プライミング効果の本当の“らしさ”は、次のような実験結果にあります。

実験①

被験者にクッキーを食べてもらうとき、

  • グループA:部屋には洗剤のかすかな香り
  • グループB:部屋は無臭

【結果】食べたあとで机の上の食べかすを掃除する人が、グループAはBの3倍だった。

実験②

被験者に力仕事をしてもらう前に、

  • グループA:スポーツドリンクをチラ見せしておく
  • グループB:見せない

【結果】グループAの方が忍耐強かった。

実験③

若い被験者に「物忘れ」「孤独」など高齢者を連想するキーワードを盛り込んだ人物描写を読んでもらう。

【結果】読んだ直後の歩行スピードが、同年代の人より明らかに遅くなった。

3つの実験に共通しているのは、影響を受けた人たちになぜそうしたか、そうなったかを尋ねても「なんとなく…」としか答えようがないということ。ふだんとは違う(一般的ではない)行動をしているのに、その自覚がまったくないわけです。まるで操られているみたいですよね。

人間は「なぜ買ったのかわからない」動物でもある

実際、私たちは自分の中の「無意識」に操られています。無意識だからコントロールのしようがないんです。されっぱなし。

いつ、何が「呼び水」になるかも予想がつきませんよ。風景や音、匂い、手ざわり、家族との会話、テレビやお店で見かけたもの、WEBサイトの記事、などなど。それらのどこかにツボってしまって、脳の中で記憶の断片が突如ネットワークされ、考えや行動につながる、と。

またゴハンの話で恐縮ですけど。昨日のお昼は餃子を食べました。何の前触れもなく餃子。渡辺直美さんが目の前に現れたとしても、たぶんラーメンじゃなく餃子。あんなに食べたかったんだから、なにか理由があったはず…なのに見当がつかないんです。直前に餃子の匂いがかすかに漂っていたもしれないし、朝ドラを見たときにその主人公が別の番組で餃子を食べていたのを無意識に思い出したのかもしれない。

私たちの毎日の行動のかなりの部分が、何かの刺激をきっかけとした無意識の連想でできあがっているんでしょうね。そのせいなんですよ、家の中に「なぜ買ったのかすらわからない」ガラクタが転がっているのは。むだな買い物をしないっていうのは難しいことなんです。なんせ相手はプライミング効果ですからね。

そのへんの脳のメカニズムをですね、私の妻に於かれましてはご理解いただきたく。切に願うものであります。

広告づくりのキホンのキ

プライミング効果は、ほとんどすべての広告にデフォルトで盛り込まれていますよ(無意識に買ってくれるなら、広告制作者はなんだってしまっせ!)

中でも、1931年にはじまった米コカ・コーラのクリスマス広告は象徴的です。実はそれ以前、サンタクロースに決まったイメージはなかったんだそうです。小さな妖精だったり太っちょだったり、コスチュームも青あり緑あり白あり、てんでばらばら。そこに、大きなカラダに真っ赤な衣装をまとい、白いあごひげをたくわえた陽気で楽しいサンタクロースが登場し、アメリカ中が飛びついたわけです。

この広告シリーズの価値は、サンタイメージのファイナルアンサーとなったことにとどまりません。「サンタクロース、コーク、赤色、家族、隣人、恋人、愛情、幸せ」を連想の力で結びつけ、無意識にコークを飲みたくなるようにしちゃったことにあるんです。こんな広告、つくってみたい!

私Kは、ふだんコカ・コーラよりサイダー派なんですが、アメリカでこの広告シリーズを見ながら育っていたなら、間違いなくコーク派だったでしょうねぇ。

あれ、なんだか飲みたくなってきた、コカ・コーラ。。。

さて、当コラム“「欲しい!」の心理学”は次回が最終回となります。「皆さまのお忙しい日々の箸休め」というコンセプトを貫き、最後までゆるゆるしてまいりたいと思います。では次回、期待せずにお待ちください!



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