コンコルド効果とは?
2017年11月01日 00:00
この記事に書いてあること
損と知りつつやめられない… 「コンコルド効果」
こんにちは。「そのうち使うかも」と取っておいたガラクタ(別名、ゴミ)にわが家を占拠され、なお捨てられずにいるコピーライター、Kです。
よく考えるとですね、ガラクタを溜め込むってことは役立たずの空間にお金を払い続けている、ってことなんですよね。よく考えなくてもわかりますけど。
これまでにいったい何人の諭吉様を犠牲にしたことか…。
今回のテーマは、そんな“もったいない精神”が引き起こす「コンコルド効果」です。
「もったいない、取り返したい」のあげく損失拡大
コンコルド効果とは、ある対象にお金や気持ち、時間を投資し続けることが大きな損失になるとわかっていても、それまでの投資を惜しんでやめられない心理のこと。
名前の由来は、皆さんご存知、あの超音速旅客機です。
コンコルドは開発当初から採算ベースに乗らないことがわかっていました。しかし、開発中断の判断は下されることなく、運行開始から27年あまりで赤字は数兆円規模に。ついにプロジェクトは破綻してしまうのです。
私のガラクタ問題に比べると、本家本元のコンコルド効果はスケールが違いますね。
このコンコルド効果、あなたもこれまでにたくさん経験してきたはず。例を挙げればキリがありませんが、典型的な心理をご紹介しましょう。
課金型ゲーム
「少し飽きてきたけど、今までに集めたアイテムや費用を考えると、やめるのはもったいない」
映画鑑賞
「期待したほどじゃない! でも途中で出たら1,800円がムダになるし、最後まで見るか…」
人気店の行列
「並んでいるのがイヤになってきた。でも今離れたら、待ってた10分を損しちゃうしなぁ」
エステ/ダイエット食品
「はじめてひと月、効果はいまいち…。でもここまで数万円かかってるし、もう少し続けてみよう」
恋愛
「最近マンネリ。でも、付き合った時間の長さや思い出を考えると別れられない…」
投資/ギャンブル
「損が続いているが、これまでの投資をムダにはできない。なんとか回収して利益も出さねば!」
このままじゃダメとわかっているのに、過去にとらわれて退けない。これがコンコルド効果のコワイところ。ただでさえ薄い財布から、だらだらとお金が消えていくんですよ、オーマイガッ!
合理的に判断し、苦痛から逃れるには?
「今の状態から抜け出したい」と強く思うなら、素直にそうした方がいいです。スッパリと過去を損切りする、ということです。
映画鑑賞の例で考えてみましょう。つまらない映画に当たった場合の選択肢は次の2つです。
- ・①映画を最後まで見る
- ・②途中で映画館を出る
1,800円をムダにしたくない人は①を選びがちです。しかし、映画代を取り戻すことは①②ともに不可能です。ここがポイント。つまり、
- ・①の場合、「1,800円」と「2時間」、すべてを失います。
- ・②の場合、「1,800円」と「見ていた時間」は失いますが、「残りの時間」は他のことに使えます。
もとを取りたいからと言って、つまらない映画を見続けたり、気の抜けた恋愛を続けたり、負けを認めない態度を続けることは、ほとんどの場合、「損失をさらに大きくする選択」なんですね。
それをわかってなお続けたいなら、覚悟を持って進めばいいんです!
人は「非合理的な選択」に惹かれる
一方で、私Kは「合理的な選択だけが正義じゃない」と思ったりもします。
たとえば、コンコルド絶滅の少し前に放送され、時代の象徴となったドラマ『101回目のプロポーズ』。
100回目のお見合い相手(浅野温子)に、フラれてもフラれてもアタックするサエない中年男(武田鉄矢)。彼の一途で暑苦しい愛が、最後の最後に成就するさまを見ていると、非合理的選択上等!と思えてくるわけです。だって、にんげんだもの。
男のロマン。おとぎ話。でも決して絵空事ではないんですよ、私の身内にもいましたから。17歳差婚。耳を疑いました。コンニャロめ。
ということで、今年も買います、年末ジャンボ宝くじ!
今年あたりそろそろ当たる予感が…。もうずいぶんと投資してきましたから。で、夢がかなったら読者の皆さんに幸せをおすそ分けするつもりですよ。乞うご期待!
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