アンカリング効果とは?

From: ダイレクトマーケティングラボ

2017年02月09日 00:00

この記事に書いてあること

あなたの「お買い得感」は操られている? アンカリング効果

こんにちは。自分はコピーライターとしてどのくらい価値があるのか、こわくて人に聞けないコピーライター、Kです。連載第2回目は、世の中にあふれ返っている「アンカリング効果」です。突然ですが、あなたは今、電器屋さんにいて炊飯器を探しているとしましょう。予算は上限3万円。見ていると、とても気になる商品がありました。そのプライスタグにはこうあります。

第2回 あなたの「お買い得感」は操られている? 「アンカリング効果」通常価格70,000円のところ、商品入れ替えのため 50%OFF 35,000円

あなたの頭の中では(半分無意識に)こんな考えが巡ります。「これはいい…。旧モデルとは言え7万円の炊飯器ならかなり美味しいご飯が炊けるはず…。最新のを渋い値引きで買うよりずっとお買い得! このくらいの予算オーバーはいいんじゃない?」他にもっとベネフィットがあって、もっと安価な炊飯器があったかもしれないのに、です。これが販促におけるアンカリング効果の典型例です。

アンカリング効果とは、最初に提示された数字や条件が基準となって、その後の判断が無意識に左右されてしまう、という心理。船がいったん錨(アンカー)を下ろすと、そこからほとんど動けなくなることになぞらえています。先ほどの例では、「7万円」というアンカーを提示されたことで、予算を超える3万5千円という価格にもかかわらず、抗えない「お買い得」を感じたわけですね。え、当たり前じゃないか、ですって?

あなたはいくらだと思いますか?

では、こんなアンカリング効果はどうでしょう。骨董の茶碗について2つ質問します。直感でいいので答えてみてください。

第2回 あなたの「お買い得感」は操られている? 「アンカリング効果」骨董の茶碗について2つ質問します。直感でいいので答えてみてください。

※画像はイメージです。

質問①

この茶碗は江戸・寛政年間の作品です。現在の評価額は、20万円よりも高いと思いますか? それとも安いと思いますか?

質問②

では、この茶碗、あなたはいくらだと思いますか?

答えが出ましたか? 質問①で高いと思った方は、質問②で20万円に近いかそれ以上の値付けをしたのではないでしょうか。逆に、安いと思った方は20万円よりもずっと安く値付けしたはずです。

まとめ

私たちは、判断をせまられたとき、なんらかの基準を求めます。骨董の例では、質問で示された、200年以上前に作られた事実と20万円という数字が基準になるでしょう。そして、自分のこれまでの経験や聞きかじった知識を加えて値踏みします。

つまり、です。歴史や信用、高度な技術、背景にあるストーリーも価格同様にアンカーとなり得、他社より高い値段でも納得して買う理由になります。アンカリング効果は値引き販売専用でないのです。

最後に蛇足をひとつ。アンカリング効果は人間関係にも見られますよ。妻にはため息をつかれますが、私Kは昔からめったに台所に立ちません。食べるのが専門。なので、「台所仕事をまったくしないダメ夫」とアンカリングされています。そんな私が、たとえば妻の留守中に包丁を研ぎ、換気扇からシンクまでピカピカにしようものなら…? 想像してみてください、妻のヨロコビようを! 私Kって、けっこうお買い得なんです。あれ、私の勘違い?

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