テンション・リダクション効果とは?
2017年01月20日 00:00
この記事に書いてあること
無意識に財布のひもが緩んでしまう テンション・リダクション効果
こんにちは。消費者心理を突く広告を自分でつくって自分で買ってしまうコピーライター、Kです。さて、連載第1回目は「テンション・リダクション効果」です。私たちは日頃、重要な決断や行動をするとき、集中力が高い緊張(テンション)状態にあります。しかしそれが過ぎると一気に緊張の糸が切れ(リダクション)、注意力が散漫になります。
テンション・リダクション効果は、その無意識の反応をマーケティングに応用したもので、平たく言うと「あれこれ悩んで購入を決断した直後は、財布のひもが緩んじゃう」こと。これ、かなり手強い効果です。私も頭では分かってはいるんですよ、商売してる人はそこを突いてくることを。コピーライターのはしくれですから。それでもココロが反応しちゃうんです。理性がどっかに行っちゃって。
たとえば
先日、ジャケットを買おうとショップ巡りをしていて、これだ!という1着に遭遇しました。でも、予算の倍もするので頭をいったん冷やそうとコーヒーショップへ。他に安くていいのがあるんじゃないの? カッコよくなるとか勘違いしてないか?と自分を問い詰めて小一時間。迷いを振り払って購入を決断しましたよ。で、お店に戻って袖を通し、鏡を見て最終チェック。
買いました。ワイシャツ2枚。買う予定なかったんですが。 「テンション・リダクション効果」、おそるべし。
まとめ
一般に「テンション・リダクション効果」は、2つの商品に強い関連性があり、価格差があるほど財布のひもは緩みます。
たとえば、
- ・新車購入を決断した直後に、数万円のオプションをすすめられた。
- ・無垢材の食卓を買ったとき、テーブルランナーもすすめられた。
では、次のような場合はどうでしょうか。
- ・ハンバーガーを買って、ポテトをすすめられた。
- ・おしゃれなTシャツを買ったとき、アクセサリーもすすめられた。
価格によりますが、さして緊張も弛緩も起きない場合は単純な「ついで買い」ですね。人にすすめられたとは言え。
なんだか「テンション・リダクション効果」が悪者のようになってきましたけど、そうじゃありません。あとですすめられて買った商品のほうが今ではすっかりお気に入り、ということもよくあることで。人は理屈に合わない行動をします。だからこそ、思いがけない商品と出会えたり、生活の愉しさがふくらむわけです。
あなたは最近、どんな「テンション・リダクション効果」を体験しましたか?
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