顧客の心に寄り添う提案を!生涯顧客獲得に向けた企業のPOD活用事例

From: ダイレクトマーケティングラボ

2020年11月17日 00:00

この記事に書いてあること

販促・マーケティング担当者の仕事に求められるものは、市場の状況やトレンドによって変化。顧客ニーズが多様化する中、売上アップと仕事の効率化を実現する施策に悩んでいませんか?そんな方のために、販促・マーケのよくあるお悩みと解決策をお伝えします。

成功事例で知ろう!POD導入のメリットホテルメトロポリタン仙台

多様化が進む顧客ニーズに応じた多種多様な販促ツールを、小ロットでスピーディに印刷できるPOD(Print On Demand)。その高い印刷品質と対応力は、販促の現場でどのように活かされているのでしょうか。顧客満足度アップや生涯顧客の獲得を目指す取り組みにPODを活用しているホテルの事例をご紹介します。

多様化する顧客ニーズに応えるPOD活用事例は?

マネージャー:

西村くん、この間、社長にPOD導入の稟議書を通してもらうために、私が伝えた事例を紹介するって言ってたわよね。反応はどうだったかしら?

西村:

それが……広島建設さんの事例で、業務の効率化や営業力強化の効果はわかってもらえました。でも、顧客のさまざまなニーズに応えている事例をもっと見たいと言われてしまって、また稟議がストップしているんですよ。もう、どうしたらいいかわからなくて……。

マネージャー:

それなら早く私に相談してくれればよかったのに!私が広告代理店で仕事をしていた頃に担当した、ホテルメトロポリタン仙台の事例が参考になるはずよ。生涯顧客獲得に向けて、PODを有効に活用しているお客様だったの。詳しく紹介するわね。

変化するウェディング業界では細やかな個別対応が課題

ホテルメトロポリタン仙台は、駅前という立地やホテルならではの宿泊プラン、ホスピタリティを強みに、地域の顧客にウェディングサービスを提供しているホテルです。

ただ、少子高齢化や晩婚化に伴い、結婚式をしない”ナシ婚”の増加、結婚式や披露宴の少人数化といったウェディング市場の変化に直面。カジュアルな結婚式を希望する人が増える中で、ゲストハウスやレストランと競合し、価格競争になるケースも増えました。ウェディング市場ニーズの多様化・細分化に応えるため、顧客一組一組に対する丁寧な要望のヒアリングと、個別対応が求められることになったのです。

イメージを即、カタチに!写真やドキュメントの印刷品質改善を目的にPODを導入

西村:

確かに、最近はカジュアルな結婚パーティーも多いですよね。会場の装飾やお料理も、自分たちらしさにこだわる人が増えている気がします!

マネージャー:

その変化に対応するために、ホテルメトロポリタン仙台では、まず宴会場の改装やチャペルの新設といったハード面に加え、生産者と素材にこだわった地産地消のお料理プランの提供といったソフト面でも、お客様の要望に適切に対応できるようにリニューアルをしたのよ。その上で、よりきめ細かいヒアリングと、顧客に応じたプランの提供を始めたわ。

西村:

なるほど。となると、ヒアリングやプランの提案で使う販促物の種類も増えそうですよね。特にヒアリングした内容を受けて、お客様の要望やイメージをより具体的に提示するプランは重要なドキュメントになるんじゃないのかな?

マネージャー:

いいところに目をつけたわね、西村くん。結婚式って新郎新婦にとっては、人生の中でも重要なイベントよね。一組一組思い描く理想やイメージも違う。それらを即カタチにして、お客様にプランとして提示する。個別対応だから外注では難しいし、内製化するにしても、スピードだけでなく品質も重要になるわ。そのために、PODが導入されたのよ。

カップルの挙式までを伴走するウェディングプランナーの仕事は、フェアの企画や販促、成約後の打ち合わせや結婚式当日の進行、アフターフォローまで多岐にわたります。

ウェディングプランナーの仕事の流れ

そのサービスを提供する上で欠かせないのが、検討段階のカップルにホテルメトロポリタン仙台で行うウェディングの魅力を伝えるフライヤーや、プランの打ち合わせに必要な提案資料などの印刷物。そうした資料も、ニーズを適切に反映させるために、顧客との窓口であるウェディングプランナー自身がAdobe IllustratorやPhotoshopを使って作成しています。

従来は複合機で資料を印刷していましたが、写真がキレイに出力できず、イメージを的確に伝えられない、せっかく作った提案資料なのにお渡しできないという課題がありました。

PODは、提案ツールの写真やドキュメントの品質改善を目的に導入されました。PODで出力した写真やドキュメントは式場や装飾の写真などの色の再現性が高く、ウェディングプランナーが自信をもって新郎新婦に見せられるように。食事メニューの提案をする際にも、料理の写真に「おいしそう」という好反応が得られるようになりました。

スピーディに高品質な提案資料の印刷ができるPODによって、新郎新婦が抱く理想のイメージをすぐに形にして提示することが可能となり、その結果、ウェディングサービスの顧客満足度アップにつながっています。

プランナーの優れたアイディアをタイムリーに販促物に反映できる

西村:

結婚式の要望を伝えたら、その実現イメージをキレイな写真入りの資料にして見せてくれるんですね。打ち合わせがスムーズになるし、何よりお客様がすごくワクワクしそうです!自分がお客様の立場だったら、これはうれしいなぁ。集客用のフライヤーの制作にもPODを使ったんですか?

マネージャー:

もちろん。日々、トレンドが移り変わるウェディング業界の販促ツールには、素早く小ロット印刷ができるPODがぴったりなのよ。

ホテルメトロポリタン仙台では、ウェディングフェアのチラシなどのフライヤーは、ウェディングプランナーのアイディアを反映して頻繁に内容を更新。すぐに内容を編集できるWEBサイトとは異なり、紙のチラシは外注印刷だったため、作り変える際に発注から納品までのタイムスパンがあるのが課題でした。

ウェディングフェアのフライヤー

POD導入後は、良いアイディアや急に発生した変更を反映したチラシを、スピーディに作成することが可能に。速攻性が高まったことで、集客効果もアップしました。

ウェディングで獲得した信頼によって生涯顧客化が実現

ホテルメトロポリタン仙台では、ウェディング利用客の満足度向上によるホテルのファン獲得も目指しています。

そのために欠かせないのが、ウェディングプランナーへの信頼獲得です。プランニング段階では、一組ごとにニーズを具体的に落とし込んだプランをPODで出力。新郎新婦が実際の結婚式を想像できるように、手紙とともに送付しています。

外注では難しい、一組一組異なるドキュメントのスピーディな制作がPODによって実現。要望を形にした自分たちだけのプラン資料は、「この人に任せれば大丈夫」というウェディングプランナーへの信頼感につながっています。

顧客ニーズに応じた多種多様な販促ツール

プライベートでは七五三や入学など子どものお祝い事での記念撮影や会食、仕事上ではイベントやパーティーなど、人が生涯でホテルを利用するシーンはさまざま。ホテルメトロポリタン仙台では、ウェディングという顧客との接点をきっかけに、人生の節目でホテルを利用していただける「生涯顧客」の獲得を目指しています。

新郎新婦にとって大きなイベントであるウェディングの満足度を上げるためだけでなく、今後もPODを活用して継続的に顧客と質の高いコミュニケーションをとっていくという展望を持っています。

高品質・小ロット対応で広がる提案のアイディア

マネージャー:

ホテルのレストランでは、2ヵ月に一度メニューを更新しているんですって。ウェディング以外にも、レストランで開催する小規模の宴席やイベントで使うツールや当日利用のメニューも、外注からの切り替えを検討しているそうよ。

西村:

なるほど!PODの高い印刷品質なら、内製化してもホテルの高級感を損なわない品質で販促ツールが作れるんですね。

マネージャー:

PODで写真もドキュメントもキレイに印刷できるから、資料の内製化で提案できる内容の幅も広がったと言っていたわ。ホテルメトロポリタン仙台ではこれからも、PODで顧客に合わせた販促ツールを作って、ホテルの魅力を多角的に伝えていくそうよ。

今回ご紹介したホテルメトロポリタン仙台の事例は、2015年取材時のものです。

まとめ

マネージャー:

顧客への個別対応が必要な業種では特に、小ロット対応や印刷スピードが、販促効果を高めるカギね。それと、イメージギャップをなくすためには印刷物の品質も大事になってくるわ。アイディアを素早く形にしてお客様とイメージをしっかり共有することが、顧客満足度を大きく左右するのよ。

西村:

結婚式や家族が集まる記念日は、人生にとって大切なイベントですからね。お客様との信頼関係構築がとても重要な業種の中で、PODが信頼獲得に貢献しているというのはすごいことですね。お客様の想いを、キレイに、しかも早くイメージにして見せることで、信頼を得られることがわかりました!

マネージャー:

ホテルメトロポリタン仙台はウェディングをきっかけに生涯顧客の獲得を目指しているけど、どんな業種にとっても「LTV(顧客生涯価値)の最大化」は大きなテーマね。「2:8の法則」(顧客全体の2割の優良顧客が売上の8割を占めるという法則)という有名なパレートの法則があるけれど、生涯にわたって利用してくれる優良顧客を増やすことができれば、企業の利益は大きく膨らむわ。

マネージャー:

それと、「1:5の法則」(新規顧客獲得には既存顧客の5倍のコストがかかるという法則)から言えることは、せっかく獲得したお客様を大切にして育成していくことが重要ってことね。そのためには、ホテルメトロポリタン仙台のように、お客様ひとりひとりに合ったタイムリーなコミュニケーションが必要なんだと思う。様々なニーズに対応できるPODが社内にあれば、きっとお客様との信頼関係の構築に役に立ってくれるはずよ。

西村:

「2:8」「1:5」・・・。いきなり難しいマーケティング用語が・・・。でも、PODって、ただ業務の効率化やドキュメントの品質を上げるだけじゃないんですね。ホテルメトロポリタン仙台の事例を聞いて、あらためてPODは企業とお客様をつないだり、お客様と長くお付き合いをしていくための企業の取り組みに貢献できるんだってことが良くわかりました。「顧客生涯価値の最大化」という言葉、社長に響きそうです!頑張ってもう一度プレゼンしてきます!

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