顧客を成功体験に導くホームページとは?

2019/05/23
更新日:2019/05/23
顧客を成功体験に導くホームページとは?

BtoB企業のマーケティングには、BtoC企業とは異なる戦略が求められます。本コラムでは抑えるべきポイントやツール、手法など、BtoBマーケティングの基本をわかりやすく解説します。マーケティングを始めたばかりの方も、これを読めばバッチリ!

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「カスタマーサクセス」という言葉を近年よく耳にするようになりました。何か顧客が困った時に適切な対応を行う、という従来のカスタマー・ケアの考え方から一歩踏み込んで、「成果を上げるための提案」を顧客に先回りして行っていく、という考え方です。

継続的な顧客との取引が大きな利益をもたらすBtoBマーケティングにおいては、大いに参考にしたい考え方です。

そこで、今回は、このカスタマーサクセス実現のためのホームページ活用について、事例を見ながら具体的に考えていきたいと思います。

Q:「既存顧客との関係を深めるのは営業や顧客対応部門の仕事じゃないの?」

A:「顧客のビジネスをアシストするためにホームページで出来ることは沢山あります!」


■顧客の成功体験とホームページの役割

以前からマーケティングの世界では「顧客満足(カスタマーサティスファクション)」が重要視され、BtoBにおいても営業担当やカスタマーサービスの評価項目の一つとして、定期的に顧客アンケートを実施して満足度を計測している企業も数多くあります。

こういったアンケートには、「対応の親切さ、気持ちよさ」、「トラブル処理の迅速さ」、「難しい注文でも聞いてくれる柔軟性」などの評価視点がよく登場しますが、これらは基本的に「顧客からの働きかけに対する対応力」を評価しており、受動的と言えます。しかし、カスタマーサクセスは顧客が抱える問題を「先回り=能動的」に解決し、顧客に成功体験を提供することを目的としています。

これは、「顧客と共に課題解決を行うパートナー」として自社をより強く認識してもらう、というBtoBマーケティングの基本的考え方からすると、ごく自然な発想の進化と言えるのではないでしょうか。

この、「顧客に対する成功体験の提供」のための効果的なツールとなるのが「ホームページ」です。

具体的には、

・成功のために必要な取り組みを提示する
・顧客が成功に必要な専門知識を提供する
・顧客を成功に導く自社ソリューションの活用方法を詳しく説明する
・先行して成功体験を積んでいる顧客の事例を紹介する
・顧客同士の学び合いの場を提供する

といった機能を待たせる必要があります。

以下のサイトを例に解説します。

https://www.ricoh.co.jp/pp/pro-premium/

このサイトは、RICOH Proシリーズ(オンデマンドプリンター)をご利用のお客様に向け、各種有益情報を発信していく会員制サイトです。

TOPページのタイル状のメニューの筆頭に

「売上拡大:リコーが提供するさまざまなコンテンツの中から、お客様の売上拡大や課題解決に貢献するものを集めました」

とあるのが、カスタマーサクセス的アプローチとして象徴的です。BtoBにおける顧客の成功体験とは、端的に言えば「売上の拡大や費用の削減」に繋がっている必要があります。

その他の「業務支援」、「コラム」、「イベント・セミナー」、「商品から調べる」はいずれも上記のカスタマーサクセスを促す機能を持つコンテンツです。

RICOH Proユーザーズ プレミアムサイト

Q:「今までも顧客からの問い合わせには迅速に対応してきたけど?」

A:「顧客の先回りをして有益な情報提供をする、という発想をしよう!」


■顧客を先回りする情報提供

アップル創業者のスティーブ・ジョブズの名言の一つに

「多くの場合、顧客は目の前にそれを置かれるまで、自分が本当に欲しいものがわからない(A lot of times, people don't know what they want until you show it to them.)」

と言ったそうです。

「そういう使い方があったのか!」とか「この製品の機能はそういうことを実現するためにあったのか!」などといった自社ソリューションに対する顧客側の新たな発見を促すことが重要です。

上記サイトの「業務支援」も正にそのためのコンテンツと言えます。顧客が納品した自社ソリューションの持つ機能の一部しか使っていないことは良くあります。筆者の情報システム部時代の経験でも、業務改善のために、あるカラー複合機を数台まとめて導入した際、社員達はそれを「カラーコピー機」と呼んでいました。もう15年前の話ですが、当時でもすでにカラー複合機はネットワーク機能を持っており、オフィスの文書管理ソリューションとしてOCRやワークフローなど各種の周辺システムと連携した状態で提供されていました。

しかし、実際に使われたのは複写機能とプリンター機能のみだったのです。その他の機能は何度か説明をしに行った末にようやく「スキャン→共有フォルダに格納」までは理解してもらえるようになりました。

現代のプロユーザー向けのソリューションともなれば、更に機能は多様です。カスタマーサクセスの観点からは、顧客がその性能を最大限に引き出す使い方をしているかどうかは、顧客の責任ではなくソリューションを提供している自社の責任です。定期的に操作ログや各システムへのアクセス状況を確認したり、そのようなデータを直接取れない場合は、営業部門がユーザーに直接ヒアリングをして、「使いこなせていない」状態が継続していないか、常にチェックをするようにしましょう。

この点、テレビCMでも有名なSansanの取組も参考になります。Sansanは法人向けクラウド名刺管理ソリューションを提供している会社ですが、名刺をクラウド管理することでどんな成功体験を得られるかを、ホームページで紹介しています。そもそもCMの作りも「全社的に名刺管理をすることでビジネスチャンスをモノにしよう」というコンセプトですよね。

https://jp.sansan.com/solution/

このページでは、Sansan導入による成功体験事例を「営業」、「人事」、「マーケティング」などの部門に分けて掲載しています。以下「マーケティング」のページからの引用です。

活用事例01:展示会で獲得した名刺をすぐにデータ化
活用事例02:営業の獲得名刺をマーケティングに活かす
活用事例03:顧客データの鮮度を維持する
活用事例04:会社・人物データの属性情報がマーケティングをもっと自動化する
活用事例05:見込み顧客を引き寄せる共催相手を見つける

まさにカスタマーサクセスのツボ「顧客の先回りをして有益な情報を伝える」意識が現れていますが、それもそのはず、Sansanには「カスタマーサクセス部」という部門があって、Sansan公式メディア「mimi」で以下のようなマネジャー同士のやりとりを掲載していますので、一部引用します。

「営業部とカスタマーサクセス部の連携で爆発的成長を」
https://jp.corp-sansan.com/mimi/2018/12/salesteam-interview-7.html

「サービス」から「カスタマーサクセス」。変わったのは名称だけですか?

渡邊:フォーカスする事が変わりました。それはお客さまの目的、成功(サクセス)に向き合うということ。

(中略)

中村:「メール配信をしたい」「名刺をデータ化して共有したい」という、具体的にやりたい事は、お客さまの本当の目的ではなく、単なる手段です。そうではなく、それを通じて何を成し遂げたいのかが本来の目的です。名刺管理の先には、ロイヤルカスタマーの醸成という目的があったり、営業強化という経営のテーマがあったり。

(中略)

渡邊:営業部のメンバーがどこまでお客さまの目的をつかむかは、導入後のサービス定着にかなり影響します。中村さんの営業には目的をつかんだ先のストーリー性があるんです。お客さまの目的をきちんと整理して、それを達成するためにSansanが導入されて、どう変化するのか、そんなストーリーです。

以上、いかがでしょうか。なぜSansanのホームページに部門ごとの成功体験(上記でいうストーリー)事例コンテンツがあるのかがよくわかるやり取りですね。

Q:「顧客の成功体験に貢献できているかをどう検証するのかな?」

A:「ここでもカスタマージャーニーマップを活用しよう!」


■ホームページを軸にした「カスタマーサクセス」のPDCA

ここまで読まれた方の中には、本コラムでも過去に取り上げた、「カスタマーエクスペリエンス(顧客体験)」と「カスタマージャーニー」との共通点を感じた方も多いと思います。確かに、この2つの考え方をベースに顧客の「サクセス=成功」を実現する、という側面がカスタマーサクセスにはあります。

そこで、カスタマーサクセスのPDCAを考える際にも、カスタマージャーニーマップは有効と言えます。顧客にとっての成功を実現するための体験の積重ねをカスタマージャーニーマップに示すのです。

PLAN:
・自社ソリューションで「大成功」が見込める顧客を想定し、その顧客の事業課題や目標を把握する
・その上で、顧客企業が自社ソリューションを使いこなし、大成功に向かって成功体験を積み上げていく過程(ジャーニー=上記のSansanの話ではストーリー)をカスタマージャーニーマップで表現する
・それをマーケ、営業、顧客対応、その他関連部署間で共有する

DO:
・ホームページのコンテンツを上記のカスタマージャーニー上のどの成功体験で必要になるのか、という視点で整理する
・特に、導入による具体的で多様な成功体験の提示、導入初期のトラブルを未然に防ぐ、最初の成功体験までをスムーズにするための支援情報、その後の最大活用のための情報提供を重視する

CHECK:
・定期的にマーケ、営業、顧客対応、その他関連部門が情報共有を行う
・「成功体験を加速した」あるいは逆に「成功体験の妨げとなった」出来事を洗い出す
・ホームページコンテンツにおける情報発信の関係を、具体的な顧客の声やアクセスログなども使って検証する

ACTION:
・新たなホームページコンテンツによる情報発信に反映させる

PDCAのイメージ

まとめ

BtoBマーケティングで最終的に重要なのは、顧客のビジネスを継続的な成功に導くことです。

そのためにホームページが出来ることは、今回見てきたように沢山あります。

新規顧客獲得でマーケティング部門や営業部門その他が連携して、顧客の意思決定に働きかけるのと同様に、既存顧客に対する受注後の働きかけも、マーケティング部門が自分事として取り組みましょう。

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