ビジネス急成長の立役者!グロースハックとは?

2019/09/03
更新日:2019/09/03
ビジネス急成長の立役者!グロースハックとは?

マーケティングや販売促進に携わる方に向けて、これだけは知っておきたい!押さえておきたい!マーケティング用語を集めました。
基礎から応用まで、多岐にわたる用語を活用例なども含めてご紹介いたします。ぜひご活用ください。

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用語解説【グロースハック】

グロースハック(Growth Hack)とは、ユーザーから得たデータを分析し、改善を繰り返しながら製品やサービスを成長させていくマーケティング手法。
具体的には、サービスや製品を利用するユーザーの動向データを元に、成長の阻害要因を分析し、テストや改善施策のPDCAサイクルを迅速に回していくことで、継続的な顧客獲得や売上拡大を図り、最終的には企業の成長(Growth)を目指す手法です。
大量の広告費やマーケティング費用をかけずに効果を出せる方法としても注目されています。

解説・ポイント

グロースハックは、成長を意味するGrowthと、「コンピューター技術に精通した人」という意味のHackerを合わせた造語。Dropbox社の設立直後のマーケティングを支えた起業家・ショーン・エリス氏によって、2010年に提唱された言葉です。

グロースハックは、主にインターネットサービスの分野で用いられますが、本来はどんな商品でもグロースハックで成長させることが可能です。また、グロースハックの対象となるのはサービスやプロダクトだけでなく、ブランド価値の向上や採用活動の成功、ファン獲得のための施策にも用いられます。

グロースハックが一般的なマーケティングの手法と大きく異なる点は、他のマーケティングは完成した製品やサービスの販促活動を行うのに対して、グロースハックはサービスそのものの開発や改善も手掛けること。
WEBサービスやアプリの市場が飽和する中、サービスリリース後のマーケティングだけでなく、開発や設計からマーケティングまでを包括的に行うグロースハックが注目されました。
グロースハックはサービスの開発から携わるため、マーケターとしてだけでなく、プロデューサーやエンジニアなどの複数の資質を備えた人物やチームが担当するケースが多くあります。

そして、グロースハックの考え方として特徴的なのが、市場やユーザーのニーズに合わせて、サービスそのものを変えていくという思想です。ニーズが変わればサービス自体を変える可能性もあるため、サービスの方向性の転換も視野に入れた、ユーザー動向の詳細な調査・分析が必要となります。そのため、グロースハックではデータが重要視される傾向があります。

グロースハックの流れ

では、実際のグロースハックの施策はどのような流れで行われるのでしょうか。グロースハックは、市場やユーザーの動向を絶えず分析しながら、サービスの改善やマーケティング戦略・施策の立案を行います。

主な流れとしては以下のようになります。

1. サービスを設計・開発する
2. ユーザーや市場を分析し、成長・改善するための仮説とKPIを立てる
3. 改善施策を実行する(場合によってはサービスの設計そのものを見直す)
4. 再度分析を行い、改善を繰り返していく

グロースハッカーは、この一連の業務を包括的に行いながら、PDCAを繰り返すことでサービスを成長させます。そのためグロースハッカーには、ユーザーの真のニーズを定性的・定量的に分析し、マーケティング戦略とプロダクト開発の両面において課題を突き止める能力が求められます。改善できるあらゆる課題の解決施策を立案し、重要なものからスピーディーに実施することで、事業を急成長させていくスペシャリストこそが、グロースハッカーです。

グロースハックの流れ

AARRRを使って成長度合いを確かめよう

グロースハックを行うために有効なフレームワークがAARRRです。AARRRは、プロダクトやサービスを利用するユーザーの状況を段階的にとらえて、事業の成長をモニタリングしていく方法です。ユーザーの次の5つのステップの頭文字をとってAARRRと呼ばれ、「アー」と読みます。

1. Acquisition(=ユーザー獲得)
2. Activation(=ユーザー活性化)
3. Retention(=ユーザーの継続利用)
4. Referral(=外部への紹介)
5. Revenue(=収益)

AARRRは、ユーザー獲得や収益化だけに注目するのではなく、顧客のさまざまなフェーズを意識して、その段階ごとに解決すべき課題がないか検証しながら施策を展開し、プロダクトを成長させるという目的に基づいています。

それぞれの段階で獲得数などの目標値を定め、プロダクトの成長の度合いを測ります。たとえば、

1. Acquisition(=ユーザー獲得)の状況を判断する指標となるのは、サイト訪問数やユーザー登録数。

2. Activation(=ユーザー活性化)や3. Retention(=ユーザーの継続利用)の指標は、継続利用したユーザーの数や有料会員数。

また2と3では、ユーザーがサービスのどんな機能を使っているか、再訪問はどれくらいかなどを見ることで、ユーザーの質や満足度を測ります。

4. Referral(=外部への紹介)のステップでは、紹介ユーザー数やメディア掲載数によって、紹介元であるユーザーの満足度をモニタリングできます。

4つのステップごとの指標から見えた課題を改善していくことで、最終的に5. Revenue(=収益)の売上や収益につなげ、事業として成長させていくことを目指します。

グロースハックで成長したサービスの具体例

Twitter

サービス開始当初はユーザーが定着しないという課題があったTwitter。データ分析の結果、定着率の高いユーザーは、登録当日に複数人をフォローしているという事実を見出しました。そこで、ユーザーが新規登録したユーザーにフォローを勧める「おすすめユーザー」機能を追加。初日にフォローを行うユーザーが増え、定着率が上がりました。

Dropbox

Dropboxの会員数を大幅に増やしたのがグロースハックの手法です。そのひとつが、インセンティブ付きの紹介の仕組みです。友達にDropboxを紹介すると無料で追加容量を獲得できるという特典を設けて、新規ユーザーを増やしました。DropboxのCEOによればこの施策でユーザー獲得数を60%増やすことにつながったという、有名なグロースハックの一例です。

クックパッド

クックパッドも、グロースハックで成長したサービスのひとつ。無料お試し客の有料化と、継続利用の促進においてグロースハックを行いました。誕生月の無料クーポンや、9月9日を「クックの日」として全員に2カ月間無料クーポンを配布するなどの施策により、一日の登録数を倍に。また、ユーザーにとって使いやすいUIやコピーの効果を絶えず検証し、細かい改修を繰り返しながら、継続利用を促しています。

アメリカ大統領選

2012年のアメリカ大統領選の共和党ミット・ロムニー陣営に、グロースハッカーが招かれました。当時24歳ながらグロースハッカーとしての実績を持っていたアーロン・ジーンは、「好感度の高いWEBサイトを作ってほしい」という依頼を受けて、数時間サイクルでのABテストなどを用いた仮説と検証を繰り返し、サイトを改善。その結果、1億8000万ドルの政治献金を集めることができたとされています。

まとめ

さまざまなプロダクトがリリースされ、ユーザーが求めるレベルも向上しているインターネットサービスの領域では、商品開発とマーケティングを分けて戦略を立てるだけでは他との差別化はできません。開発から改修、そして売り方まで、プロダクトの全段階を包括的に見通して、データ検証と絶え間ない改善を行っていくことが、市場で勝つためのポイントと言えます。

ユーザーのニーズを見逃さないようにデータに常に目を光らせ、PDCAを繰り返し回していくというグロースハックの手法が、これからさらに重視されていくでしょう。

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