コンテンツマーケティングとは?成功に導く6つのポイント

From: ダイレクトマーケティングラボ

2019年07月29日 00:00

この記事に書いてあること

マーケティングや販売促進に携わる方に向けて、これだけは知っておきたい!押さえておきたい!マーケティング用語を集めました。
基礎から応用まで、多岐にわたる用語を活用例なども含めてご紹介いたします。ぜひご活用ください。

用語解説【コンテンツマーケティング】

コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを制作・継続的に発信することでユーザーを見込客化・育成し、商品の購買やサービスの利用を通してロイヤルティを高め、最終的にはブランドのファンとして定着させることを目指すマーケティングの手法です。

解説

コンテンツマーケティングが注目されている背景には、マーケティング環境の変化があります。インターネットやSNSの利用が拡大してチャネルが多様化、ユーザーが受け取る情報量は膨大になっています。また、WEB広告を中心としたマーケティング手法が広く浸透して一般化する一方で、検索エンジンの充実によりユーザーが能動的に入手できる情報の質と量が上がったため、一方的に広告を見せられることを嫌がるユーザーは増える傾向にあります。
今や膨大な情報の中からいかに自社の情報を選んでもらえるかが、企業にとって重要な課題です。だからこそ、ユーザーに寄り添い、価値ある情報を提供し続け、潜在顧客の発掘や消費行動への動機づけを可能にするコンテンツマーケティングが注目されているのです。

コンテンツとは具体的に何のこと?

コンテンツマーケティングで活用されるコンテンツの種類はさまざま。具体的には何を指すのでしょうか。事例も交え、主なコンテンツをご紹介します。

① オウンドメディア

オウンドメディアとは、自社で保有するメディアの総称。WEBマーケティングの分野では、自社の情報を発信するWEBサイトや、ビジネスブログのことを指すケースが多いです。主に、自社製品やその製品に興味を持つ人にとってのお役立ち情報などを発信して、製品の認知拡大や、企業・ブランドを好きになってもらうことが主な目的です。以下は、成功しているオウンドメディアの事例です。

サイボウズ式https://cybozushiki.cybozu.co.jp/

ソフトウェア開発会社・サイボウズが2012年にスタートしたオウンドメディアですが、自社製品のPRや宣伝はほとんど行っていません。にもかからず、ブランドの認知度や売上げアップに貢献しているオウンドメディアとして、しばしば「オウンドメディアの成功例」として取り上げられるメディアです。

なぜまったく宣伝をしないコンテンツでも成果をあげられるのでしょうか。成功の一因は、読者視点で良質なコンテンツを届けていることです。自社の事業に直接的な関係がなくとも、生活者やビジネスパーソンが関心を持っている話題にフォーカスし、面白く良質なコンテンツを発信することで多くのファンを獲得しています。さらに、話題性のある記事は、読者によってSNS等でどんどん拡散されていきます。面白くためになる記事を作ることが、サイボウズというブランドの認知度向上に大きく貢献しているのです。

実際に、サイボウズのサービスの契約ユーザーに対して「どこでこのサービスを知ったか?」というアンケートをとったところ、オウンドメディアと答えた人が5.7%を占めたというデータもあります。メディアの認知度向上が売上にも貢献しているのです。

また、良質なコンテンツを作り続けるために、サイボウズ社員の成長に繋がるような取材や対談を設けたり、社員に自由な「おもしろ記事」を書かせてみたりと、モチベーションを維持するための運営方法も注目されています。

SUUMOジャーナルhttp://suumo.jp/journal/

株式会社リクルート住まいカンパニーが運営、不動産・住宅情報を提供するWEBサイト「SUUMO」関連のオウンドメディア。「買う」「借りる」「リフォーム」などの住宅情報やマネー情報のほか、街ネタや住まいに関する雑学などの記事を掲載しています。

「まだ見ぬ暮らしをみつけよう」をテーマに、ユーザーが自分に合う住まいを探すことをサポートする情報を発信。実用的な情報から力を抜いて楽しめる記事まで、バラエティ豊かで数多くのコンテンツが頻度高く更新されています。良質な記事を多く発信することでユーザーを集め、本サイトでのコンバージョンにつなげている好例です。

LIGhttps://liginc.co.jp/blog

他社のオウンドメディア運用も手がけるWEB制作会社・LIGのブログ。サービスの認知やファン獲得を目的に、WEB制作やコンテンツ制作など自社サービスに関するコンテンツを社員が発信しています。豊富な連載記事や、ビジネス以外の「エンタメ」ジャンルのコンテンツもあり、ユーザーにとっては楽しめるブログになっています。

ネット上でユーザーの興味を惹き話題を呼ぶようなコンテンツや、社員の体を張った体験談などの熱量がこもった記事を更新。ブログ自体のファンを増やし、会社の認知を拡大することに成功しています。

② ホワイトペーパー

ホワイトペーパーとは、自社の商品やサービスに関連する専門性の高い研究資料や調査レポートのこと。BtoB企業が情報を求める潜在顧客に対して、ダウンロード資料として無償配布するケースが多いです。

③ セミナー

専門性の高い情報を発信するセミナーも、コンテンツのひとつ。自社商品やサービスに関連する情報に興味を持つ見込客に対して、効果的にアプローチができます。実際の会場で行うセミナーと、WEB上で動画コンテンツとして配信するオンラインセミナーがあります。

④ メールマガジン

メールマガジンは、低コストで多くのユーザーに情報を配信できる手法です。読者が開封して読みたくなるような有益な情報を盛り込むことで、オウンドメディアや、ホワイトペーパーのダウンロードへ誘導することが可能です。

⑤ プレスリリース

プレスリリースは、マスコミに発信する公式情報。面白いコンテンツを配信すれば、ニュースサイトや他社のWEBメディアに取り上げられることも期待できます。ユーザーへ直接配信しなくても、コストをかけずに多くの人に情報を届けることが可能です。

⑥ デモコンテンツ

期間や機能の制限を設けたデモ体験もコンテンツのひとつ。実際に使用してもらうことは、購買への意欲を高める効果的な手段です。WEB上で試用ができない製品については、デモ動画で使い勝手を紹介することも有効です。

コンテンツマーケティングのメリット・デメリット

コンテンツマーケティングのメリット

このように、良いコンテンツを提供し続けることでファンを獲得するコンテンツマーケティング。具体的にはどんなメリットがあるのか、解説します。

① コンテンツが蓄積され資産になる

コンテンツマーケティングのために制作されたコンテンツは資産として蓄積されます。タイムリーな広告は一時的に成果を上げることはできますが、一方で、蓄積されたコンテンツは継続的な集客を実現します。

② 広告費の削減が可能

コンテンツマーケティングは広告の代わりに行うことで、広告掲載の費用を削減できるというメリットがあります。また、コンテンツが増えるほど顧客との接点が増えるためファン獲得につながり、単発の広告を打ち続けるよりも、中長期的にマーケティングの費用を削減することも期待できます。

③ ユーザーからの信頼を得ることができる

ユーザーが求める良質な情報、専門性や独自性の高いコンテンツを提供し続けることは、誠実なイメージを与えるため、企業への信頼度UPやブランディングにも効果があります。

④ シェア・拡散される

コンテンツマーケティングは、商品やサービスそのものではなく、関連するコンテンツを面白く発信することでユーザーを惹き付ける手法です。良質なコンテンツを発信すれば、SNSなどで拡散されていくという点も大きなメリットです。SNSで広がったコンテンツがインターネット上で爆発的な「バズ」を起こし、想像以上の反響を呼ぶケースもあります。インターネット上で一度拡散されたコンテンツは、長期にわたって自社のWEBサイトへユーザーを誘導します。

コンテンツマーケティングのデメリット

一方でコンテンツマーケティングは、広告など他のマーケティング手法に比べて、運用がしにくいポイントもあります。どのようなデメリットがあるのでしょうか。

① コンテンツ制作の手間がかかる

コンテンツマーケティングのデメリットは、コンテンツ制作の手間がかかること。広告費が不要とはいえ、コンテンツを担当するスタッフの労力と時間がかかります。また、ファンを作り定着させるためには定期的なコンテンツ発信が不可欠なため、運用体制の整備も必要です。

② 即効性が期待できない

コンテンツマーケティングは、広告に比べて即効性は高くありません。長い目でブランドや企業のイメージを向上してファンを獲得する手法のため、すぐには商品の購買にはつながらないのが、コンテンツマーケティングの特徴です。

③ はっきりとした成果が見えづらい

コンテンツマーケティングは、単体の効果が見えづらいという点もデメリットのひとつです。中長期的な視点で行う施策のため、コンテンツマーケティング自体の成果がどの程度上がったのか、効果測定がしにくいという点も押さえておきましょう。

コンテンツマーケティング成功の6つのポイント

では、実際コンテンツの制作をするにあたり、どんな点を注意すればよいのでしょうか。コンテンツマーケティングを成功させるポイントをお伝えします。

① ペルソナ設計を明確に

コンテンツマーケティングを成功させるためには、明確なペルソナ設計が必要です。ペルソナとは、ターゲットユーザーをより具体化した人物像。ターゲットの行動パターンやニーズを細かく設定することで、コンテンツ制作の方向性が明確になります。

② ニーズの洗い出し

ペルソナを決めたら、ターゲットのニーズを洗い出します。ターゲットが「読みたい」「ほしい」と思う情報の種類を把握して、コンテンツの内容を決めていきます。ニーズの洗い出しには、カスタマージャーニーマップを活用することもお勧めです。

③ キーワードの選定

コンテンツの中に盛り込むキーワードの選定もポイントです。ターゲットのニーズに沿ったキーワードを選定することで、検索エンジンからの流入を増やせます。また、ターゲットが考えるキーワードに沿った良質なコンテンツを作ることで、検索エンジンからの評価が上がり、SEO対策の面でも効果があります。

④ 継続的な情報発信ができる体制の整備

ロイヤルティ向上のためには、良質なコンテンツの定期的な発信が必要です。そのためにも、継続的にコンテンツを制作して発信できる社内体制を整えましょう。

⑤ SNSで拡散される工夫

SNS(Twitter/Facebook/LINE/Instagramなど)での拡散を見込んだ施策も有効です。自社のビジネスに合ったSNSを選んでアカウントを作成し、コンテンツの掲載や運用を行いましょう。その際、拡散を意識したコンテンツ作りを心がけると良いでしょう。知っていると役に立つ独自の情報は、「いいね」の獲得や「シェア」につながります。専門性の高い情報の中にも、人に教えたくなるような面白さのあるネタを盛り込むことも拡散してもらえるポイントのひとつです。

⑥ 自社製品の過度なアピールは避ける

オウンドメディアの記事やホワイトペーパーなど、ユーザーの興味を引くコンテンツを制作する場合は、自社製品を大きく取り上げることは避けましょう。読者が「面白い」「役に立つ」と思って読んでいるコンテンツの中に製品情報を盛り込むと広告を見せられた気分になるため、自然な訴求ができなくなります。純粋に自分にとって役に立つコンテンツであると認識してもらうためにも、過度なアピールは禁物です。

まとめ

ユーザーにとって価値ある情報を提供し続けることで、潜在顧客と継続的な接点を確保し、問合せや申込み・商品の購入といった顧客行動につなげるコンテンツマーケティング。じっくり時間をかけて顧客をファン化するマーケティング施策のため、BtoCでも高単価の商材やBtoBビジネスに向いているかもしれません。ストレートな商品の訴求よりもターゲットのニーズを優先してコンテンツを誠実に作ることが、ファン獲得への近道といえるでしょう。

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