CMSとは?導入のメリットと選定のポイント

マーケティングや販売促進に携わる方に向けて、これだけは知っておきたい!押さえておきたい!マーケティング用語を集めました。
基礎から応用まで、多岐にわたる用語を活用例なども含めてご紹介いたします。ぜひご活用ください。
ノウハウの実践方法をまとめた資料ダウンロードはこちら(無料)
用語解説【CMS】
CMSとは、コンテンツ・マネジメント・システム(コンテンツ管理システム)の略称。HTMLやCSSなどWEB制作の専門知識がない人でも、WEBサイトの作成や更新、運営が簡単にできるソフトウェアのことです。
解説
通常WEBサイトの構築には、WEBサーバーやディレクトリ構造、デザインやコーディングの知識が必要なため、専門スキルをもつ社員が担当するか、サイト制作会社へ外注しなければなりません。CMSが導入されていれば、「見たまま更新できる」WYSIWYG機能などにより、専門知識がなくても、簡単にWEBサイトの更新を行うことが可能です。
オーストリアのソフトウェア関連のコンサルティング会社・Q-Successが発表したCMSシェアの情報(https://w3techs.com/technologies/history_overview/content_management/all)によると、2019年2月現在、CMSを導入しているWEBサイトの割合は全体の55%。CMSを使用していないWEBサイトの割合は、毎月減少しています。
WEBマーケティングを行う上では、WEBサイトで発信する情報の質や、更新頻度は非常に重要です。SEO対策やコンテンツマーケティングの観点からも、CMSの導入は有効でしょう。
CMS導入のメリット
1.専門知識がなくてもサイトの更新が可能
CMSが導入されていないWEBサイトを更新する場合、一般的にはクライアントが更新内容を整理して制作会社に依頼しなければなりません。しかも更新まで数日〜1週間の日数がかかり、外注コストも発生します。CMSで作られたサイトであれば、企業の担当者がすぐに更新できるため、スピーディーに情報発信ができ、外注コストも削減できます。サイトの更新頻度が高く、プレスリリースなどタイムリーな情報発信を必要とし、また複数の管理者がコンテンツの更新を担当しているWEBサイトは、特にCMS導入に適しています。
2.効果的なコンテンツマーケティングが行える
消費者がインターネットによる情報収集を十分に行った上で購買決定を行う現代においては、WEBサイトのタイムリーな更新やコンテンツの充実が重要になってきています。コンテンツマーケティングを行う上で、WEBサイト上のコンテンツを自社で自由に更新したり、増やしたりすることができるCMSは非常に有効です。また、CMSを使うことで、WEBサイト更新に伴う外注先とのやり取りを省けるため、外注費の削減だけでなく、その時間をコンテンツのブラッシュアップに充てられるというメリットもあります。
3.コンテンツの一元管理が可能
HTMLで作成した新しいページをアップロードする際には、ディレクトリ構造を考慮したナビゲーションやパンくずリストなどのリンク設定が必要です。しかし、CMSであれば、更新のタイミングでこれらのリンクはサイト構造を元に自動生成されます。コンテンツの一元管理が可能なため、リンク切れを防ぎ、ユーザーの離脱防止やサイト評価の向上にもつながります。
4.テンプレート活用で、デザイン統一・更新作業を大幅短縮
CMSのテンプレートを活用すれば、統一感を持たせたWEBサイトを簡単に構築することが可能です。同時に、WEBサイトのデザインを変えたいときの作業もスムーズです。例えば、100ページのコンテンツを有するコーポレートサイトのデザインを変えるとすると、HTMLで構築されたサイトでは、個々のコンテンツに変更がなくても100ページすべてのHTMLファイルを修正する必要があり、非常に工数がかかります。一方、CMSが導入されているサイトであれば、テンプレートファイルに修正を加えるだけで、全てのページにデザイン変更が反映されます。これは、特にページ数の多いサイトを有する企業にとっては、大きなメリットといえるでしょう。
5.サイト全体に統一感を持たせることができる
統一感のあるサイト作りは、ユーザビリティを向上します。CMSでサイトを作ることで、全てのページに統一感を持たせることができます。統一感のあるサイトは欲しい情報へのアクセスがスムーズなため、ユーザーから使いやすいサイトと認識してもらえるというメリットがあります。
6.SEO対策につながる
CMSは、タイトルやメタディスクリプションの編集がしやすく、検索エンジンに良質なサイトと判断されるための内部対策(ナビゲーションやリンク構造の最適化など)の面でも有効です。内部構造がわかりやすいサイトは検索エンジンからの評価が高いため、SEO(検索エンジン最適化)対策につながり、上位表示によるサイト流入の増加を見込むことができます。
7.SNSとの連携が可能
CMSは、FacebookやTwitterといったSNSとの連携がしやすく、SNSマーケティングを行う上でのメリットもあります。ページ上にFacebookの「いいね!」ボタンやTwitterの「ツイート」ボタンを設置する機能や、WEBサイトの更新タイミングで同じ内容をFacebookやTwitterにも投稿する連携機能を備えたCMSもあります。今やユーザーは企業のWEBサイトのみならず、SNSを活用して情報収集、情報の発信を行っています。SNSとの連携は、重要なポイントといえるでしょう。
8.スマートフォン対策によって集客機会を獲得
マルチデバイス対応のCMSを利用すれば、PCサイトと同時に、スムーズなスマホサイトの制作や更新ができます。2018年にLINE社が行った調査によると、スマートフォンでインターネットを閲覧する人の割合は全体の87%。スマートフォンのみで利用する人の割合も、「PCのみ」の5%に対して48%と高い水準で、幅広い世代にとってスマートフォンがインターネットを利用するメジャーなツールだと言えます。
これは翻って考えると、スマホサイト未対応のWEBサイトは、スマホユーザーの会員登録や商品購入といったコンバージョンを得にくく、モバイル検索の順位が落ちるなど、集客機会を失うことを意味します。マルチデバイス対応のCMSを使えば、スマホサイトを個別に制作する必要はなく、PCサイトの制作や更新と同時にスマホサイトにも反映されるため、手間をかけずにスマホユーザー対策ができます。
CMSの種類
WEBサイトの更新を効率化してコンテンツを充実させることができるCMSには、大きく分けて3つの種類があります。自社のサーバの準備が必要なオープンソース型とパッケージ型、そしてインターネット経由で利用するクラウド型、それぞれの特徴とメリット・デメリットをご紹介します。
1.オープンソース型
オープンソース型とは、無償で誰でも利用できるCMS。費用がかからないため導入コストが抑えられます。また、プログラムが無償で公開されているため、技術があれば自由にカスタマイズをすることも可能。ただ、ベンダーからのサポートが受けられず、アップデートや不具合対応も自社や外部で行う必要があるのがデメリットです。
2.パッケージ型
パッケージ型は、ベンダーの商品を購入して使用するCMS。権限設定や承認など企業での導入を想定した機能がパッケージ化されている製品が多く、ベンダーのサポート体制やマニュアルが整っているため、知識が豊富でなくても運用しやすいというメリットがあります。一方で、導入規模や機能の拡張によって、追加費用がかかることもあるため注意が必要です。
3.クラウド型
ベンダーのサーバにデータを保管し、インターネット経由で利用するのがクラウド型CMS。システムのインストールやサーバの準備が不要で、インターネット環境とブラウザがあれば利用できるためスムーズな導入が可能です。導入費用がかからずランニングコストが比較的安いのもメリット。一方で、機能が固定されているためカスタマイズがしにくく、デザインの自由度が低いというデメリットもあります。
CMS選定のポイント
数多くのCMSから自社に適した製品を選ぶには、何をチェックすればよいのでしょうか。CMSを選ぶ時のポイントをまとめました。
1.サイトの目的を明確にする
CMS導入にあたり、どんなサイトを作りたいのか、そのサイトで何を目指すのか、目的を整理しましょう。
製品は、ブログのように日々コンテンツを更新する機能に特化したCMS、ショッピングサイト構築に特化した機能を持つイーコマース系CMSなどさまざま。スマホサイト対応機能や、承認・権限機能の有無なども含めて目的に応じた製品を選びましょう。
2.マーケティング機能が充実しているか
CMSにはWEBマーケティングに活用できる機能が充実している製品もあります。主なマーケティング機能は以下のとおりです。
・サイトアクセス解析機能
・アンケート・メルマガ配信機能
・PIM(製品情報管理)機能
・CXM(カスタマー・エクスペリエンス・マネジメント)機能
・SNS連携機能
・ランディングページ最適化機能
情報解析機能や、ユーザーとの適切なコミュニケーションを図る機能によってWEBマーケティングの幅を広げることができます。自社で実施したいマーケティング施策に応じて、製品の機能をチェックしましょう。
3.WEBサイトの性質や規模
更新頻度が低いサイトや情報量やページ数が少ないサイトなど、CMS導入で得られるメリットが少ないケースもあります。情報発信の頻度やコンテンツ量に応じて導入を検討しましょう。
また、大規模なサイトで導入を行う場合も注意が必要です。大量のコンテンツの編集や、大規模サイトのデータ通信量、トラフィックに対応できるCMS製品を選ぶことで適切な運用が可能になります。
4.サイトの管理人数
WEBサイトを更新する人数もCMSツール選定のポイントです。更新できる範囲の権限付与機能や、承認フローを設定する機能が必要かどうか、まだそれぞれの担当者すべてが使いやすいツールかどうかもチェックしましょう。
まとめ
スムーズでスピーディーなWEBサイト更新が可能になるCMS。機動性高く使うことで、ユーザーに質の高いコンテンツをタイムリーに提供できます。また、アクセスログ解析やSNSとの連携など、マーケティング機能が充実したCMSを導入すれば、ユーザーへの効果的なアプローチも可能になります。自社のWEBサイトの目的に適したCMSツールの導入で、WEBマーケティングをさらに加速させましょう。
ノウハウの実践方法をまとめた資料ダウンロードはこちら(無料)
あわせて読みたい
同じ連載の記事
関連するソリューション・事例
あわせて読みたい
同じ連載の記事
関連するソリューション・事例
最新のコラム記事
-
脳科学で実証!「画面」に勝る「紙」の優位性とは?
2022/09/20
-
自社で検証!9つのDM施策、成功と失敗の分かれ目とは?
2022/06/30
-
デジタルコンテンツを届けるためにアナログのDMが有効な理由
2022/06/14
最新のセミナー・イベントレポート
-
リコージャパンが提供する紙メディアの価値を向上させる方法
2019/09/06
-
BtoBビジネスで成果を出すホームページの作り方
2019/02/18
-
THETAミクモデルの販売数を10倍にしたSNS活用法
2019/01/30
リコーのマーケティング事例
-
顧客のWEB行動データを活用した、パーソナライズDMで効果的なアプローチ
-
イベントツールと紙DMを組み合わせることで、再来店に効果を発揮
-
複数メディア活用を意識したコンテンツ制作により、制作工数・コストを削減