ビジネスの成果や売上に直結する!ユーザビリティとは?

From: ダイレクトマーケティングラボ

2018年12月13日 00:00

この記事に書いてあること

マーケティングや販売促進に携わる方に向けて、これだけは知っておきたい!押さえておきたい!マーケティング用語を集めました。
基礎から応用まで、多岐にわたる用語を活用例なども含めてご紹介いたします。ぜひご活用ください。

用語解説【ユーザビリティ】

ユーザビリティとは、一般的には機器やソフトウェア、WEBサイトなどの使いやすさ、使い勝手のことです。
特にWEBにおけるユーザビリティは、WEBサイトのデザインが見やすい、サービスが使いやすいといったことだけではなく、はじめて来たユーザーが迷わず目的の情報までたどり着けるか、また目的の情報を得るまでにかかる時間(効率)なども含まれます。

解説

ユーザビリティに関しては、ISO(国際標準化機構)により、1998年に定められた国際規格があります。

定義

特定の利用状況において、特定のユーザーによって、ある製品が、指定された目標を達成するために用いられる際の、「有効さ」「効率」「ユーザーの満足度」の度合い(※)」

※参考文献:ISO9241-11

“特定の”という言葉が繰り返されていることからわかるように、必ずしもすべてのユーザーが対象なわけではありません。ユーザビリティを考えるには「ターゲットユーザー」の定義が不可欠なのです。

万人にとっての”使いやすさ”、ではなく、ターゲットユーザーに特定の行動をとってもらうための”使いやすさ”という点では、WEBユーザビリティも同様です。WEBユーザビリティの向上は、必ずしも全ユーザーの満足度を向上させるためのものではなく、あくまでもターゲットであるユーザーが目的到達しやすくなることです。

今回は、WEBサイトにユーザビリティが重要な理由や実際にユーザビリティを改善させたことで成功を収めた事例、WEBユーザビリティを向上させるためのポイントをご紹介します。

WEBサイトにおいてユーザビリティが重要な理由

WEBサイトにおいてユーザビリティが重要である最大の理由は、ビジネスの成果や売上に直結するからです。

ユーザビリティが上がることでユーザーは、自分の目的到達までの行動をストレスなくできます。
例えば通販サイトであれば、以下のものが挙げられます。

  • 自分が探している商品にすぐにたどり着ける
  • 類似商品のスペック比較表があり比べやすい
  • 商品の色やサイズ表記が分かりやすく選びやすい
  • カートに入れやすい
  • 会員登録・注文時のフォーム入力が簡便 など

企業サイトであれば、

  • 疑問、不満に思っていることへの答えがすぐ理解できるように書いてある
  • 迷うことなく、資料やホワイトペーパーをダウンロードできるようになっている
  • 問合せしやすい など

ユーザビリティを上げることで、ユーザーのWEBサイト体験が改善され、「解りにくい」「迷い」などが排除され、“やめる理由“が減少し、目的到達しやすくなることでコンバージョン率のアップが見込めるでしょう。

またWEBサイトにおけるユーザビリティは、見やすさや使い勝手の良さだけではなく、表示速度も重要視されます。

実際、これはモバイルサイトでのデータですが、2018年2月にGoogleは、「WEBサイトが完全に表示されるまでに3秒以上かかると53%のユーザーは離脱する」「表示速度が1秒から7秒に落ちてしまうとユーザーの直帰率は113%も上昇する」といった結果を公開しました。また2007年に大手通販サイトAmazonが実施したテストから計測したデータで、「表示速度が0.1秒遅れると売上が1%減少する」というものもあります。
この結果から見ても、ユーザーは使い勝手やわかりやすさだけでなく、スピード(効率)も重要視していることがわかります。逆に企業側から見ると、画像のサイズを軽くする、WEBサイトの構造を見直すといったことで表示速度を改善すれば、ユーザーの離脱率の減少、滞在時間の増加によってコンバージョン獲得を増大することにつながります。

参照元:Google社
https://www.thinkwithgoogle.com/marketing-resources/data-measurement/mobile-page-speed-new-industry-benchmarks/

参照元:スタンフォード人工知能研究所
http://robotics.stanford.edu/~ronnyk/2007IEEEComputerOnlineExperiments.pdf

ユーザビリティ改善事例

WEBサイトのユーザビリティの向上に常に力をいれている東京工科大学は、特にスマートフォン環境での向上に積極的に取り組んでおり、具体的な改善として行っているのが、テキストカラーと背景カラーの比率を考え、コントラストに気をつけるなど、受験生に好感を持たれる色使いのサイトにすること。
さらに読みやすさの改善も徹底研究しており、見やすい文字サイズ、タップのしやすい文字間のスペースなど、細部までこだわることでユーザーが求める情報が「探しやすい」「わかりやすい」造りにしました。
志願者数の減少により日本中の大学で定員割れが問題視されている中で、2016年度と比べ2017年度は10.5%、2018年度は17.2%志願者数を増やすことに成功しています。
この事例からも、「ターゲットユーザー」を定めること、設定したターゲットユーザーが目的の情報にストレスなくたどり着くために、徹底してユーザビリティの向上に取り組むことが、成果に結びつく重要なポイントだということがわかるでしょう。

ユーザビリティを向上させるポイント

WEBユーザビリティ研究の第一人者であるヤコブ・ニールセン博士は、ユーザーの体験向上のポイントとして、「学習しやすさ」「効率性」「記憶しやすさ」「間違えにくさ」「主観的満足度」の5つを上げています。

この5つのポイントにおいての共通項は「簡便性」です。使い方を簡単に覚えられ、簡単に使え、間違ったとしても簡単に戻せるようにすることで、結果的にユーザーの満足度向上につながります。
これらを実現させるために必要なことは、Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールで直帰率や離脱率が高いページを特定したり、ヒートマップツールを活用することでユーザーがどこで迷っているかを可視化する、ユーザーテストやアンケート調査をするなどして、改善が必要な箇所を特定することです。

その上でいくつかのパターンを検証するABテストを実施したり、使い勝手の良い競合サイトを参考にしながら改善改修を行い、このPDCAを繰り返し行っていくことが大切です。
WEBサイトのリニューアルや改修を行う際は、しっかりユーザビリティ調査・分析を行うことをおすすめします。

まとめ

インターネットが日常の生活に浸透したいま、多くのユーザーはWEBサイトを通じて情報を得たり、商品を購入することが当たり前となっています。そうしたなかで多くのWEBサイトから自社のWEBサイトを選択してもらうには、サイトを訪れるユーザーを、スムーズにストレスなく、その求める情報や目標到達地点にナビゲートするための配慮、工夫が重要です。
ユーザビリティを向上させることは、WEBサイトを運営していくうえでもっとも重要な施策の一つであるといえるでしょう。

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https://www.ricoh.co.jp/magazines/direct-marketing/column/g00040/

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