One to Oneマーケティングとは?3つの要素と活用法

From: ダイレクトマーケティングラボ

2018年11月15日 00:00

この記事に書いてあること

マーケティングや販売促進に携わる方に向けて、これだけは知っておきたい!押さえておきたい!マーケティング用語を集めました。
基礎から応用まで、多岐にわたる用語を活用例なども含めてご紹介いたします。ぜひご活用ください。

用語解説【One to Oneマーケティング】

すべての生活者を対象とした画一的なマーケティング活動ではなく、顧客一人ひとりの購買行動や行動履歴といった情報を基にニーズを探って個別に展開されるマーケティング活動のことを指します。

解説

インターネットの普及により、情報量が急激に増加した現在の社会において、消費者のニーズは多様化。マスマーケティングのような均一なアプローチだけでは販促(マーケティング)効果を得ることが難しくなっています。そこで重要になってくるのが、顧客一人ひとりに合わせてカスタマイズしたアプローチを展開するOne to Oneマーケティングです。

One to Oneマーケティングでは、企業が各種データから「個客」(=一人ひとりの顧客)情報を読み取り、それぞれに最適なチャネルを使って、最適な情報を提供するコミュニケーションを行います。こうした活動により、顧客と良好な関係性を構築していくことでロイヤルティを高め、顧客生涯価値(LTV)を向上させることを最大の目的としています。

One to Oneマーケティングとは

One to Oneマーケティングの実現に必要な要素

One to Oneマーケティングを実現させるには「データ」、「シナリオ」、「技術」の3つの要素が必要不可欠です。まずはこの3つの要素について簡単にご説明します。

「データ」とは、WEBサイトの閲覧履歴や位置情報、デジタルコミュニケーションに対しての反応といった主にインターネットを通じたデータだけでなく、顧客リストや購買履歴、店頭でのコミュニケーション時の反応など、様々なチャネルから集められる多種多様な情報を含みます。

これらのデータは単体で活用するのではなく、それぞれを組み合わせることで大きな効果を発揮します。例えばWEBサイト訪問者のデータと、顧客リストや購買履歴といったデータを組み合わせることで、2回目以降にサイトに訪問してきた顧客に対し、興味を持つ可能性が高いおすすめ商品を表示するといったことが可能となります。

さらに効果を上げるためには、入手した様々なデータを分析し、個々の顧客データから想定されるカスタマージャーニーに沿って以下のシナリオを予め設計することが重要です。

誰に(ターゲット)
何を(オファー)
いつ(タイミング)
どのように(チャネル)

例えば通販サイトで2回以上購入している既存顧客に対しての「プラスワンシナリオ」を一例に示します。

誰に(ターゲット)→既存顧客
何を(オファー)→データ分析から導いたユーザー個々のオススメ商品の割引クーポン
いつ(タイミング)→ユーザー個々の購入しやすい時間帯
どのように(チャネル)→メール

上記はあくまで参考例ですが、このようなシナリオを予めいくつか設計しておくことで、顧客ごとに最適なチャネル、最適なタイミングで、最適なコミュニケーションをとることが可能となります。

最後に必要な要素が「技術」です。
One to Oneマーケティングの考え方自体は、決して新しいものではありません。20年以上前から存在し、テクノロジーの発展とともに、進化を遂げてきました。
昨今では、膨大な顧客情報を統合管理、活用できるプライベートDMPやマーケティング活動を自動化するマーケティングオートメーションツールが出揃ってきたことで、何万人、何百万人に対しても、顧客一人ひとりに応じたタイムリーなコミュニケーションが可能になってきました。

One to Oneマーケティングを実現させる3つの要素

実践できる具体的な手法

次に、オンライン、オフライン別にOne to Oneマーケティングを実践する具体的な手法についてご紹介します。

オンラインのOne to Oneマーケティング

レコメンデーション
Cookie情報をもとに顧客ごとに最適な商品やサービスを推奨するもので、主にECサイトで用いられる方法です。
例えば、ECサイトで植木鉢を探しているときに、類似の植木鉢だけでなく、観葉植物や培養土などガーデニングに関連する商品がお勧めされるといった方法です。

リターゲティング広告
レコメンデーション同様、Cookieを使い、自社のWEBサイトに訪問した顧客の行動を追跡し、自社以外のWEBサイト上で自社の広告を表示させるもの。
皆さんもECサイトでチェックした商品が、別のサイトを見ているときに何度も出てくるといった経験をしたことがあると思います。リターゲティング広告は買い忘れ防止やリマインド効果を発揮するため、あらゆる業種で活用されています。

LPO(ランディングページ最適化)
WEBサイト訪問者のコンバージョンレートを高めるために、検索で訪問する際の最初のページ(ランディングページ)の内容や構成を最適化する方法です。個人のニーズ(検索ワードや閲覧履歴)に合わせてページを一人ひとりカスタマイズして表示を変え、目標地点に向けて顧客を誘導します。
同じエステサロンであっても、痩身目的の人と美顔目的の人によって、ランディングページを出し分けるといった例があげられます。

オフラインのOne to Oneマーケティング

オフラインのOne to Oneマーケティングで真っ先に思い浮かぶのはDMではないでしょうか。
ネット主流の時代では、DMはすでに効力をなくしてしまっているのではないかと思われるかもしれません。しかしネットでの情報量が膨大になり、次から次へと情報が流されてしまうようになったことで、改めてDMを始めとしたオフラインマーケティングが注目されるようになっています。

パーソナライズDM
近年、DMが見直されるようになった背景には、オフラインでもOne to Oneマーケティングが実現できるようになったことが影響しています。

従来主流であったオフセット印刷は、鮮明で大量印刷に向いている反面、多品種少ロットには向いていません(時間と費用がかかるため)。1990年代初頭から“版”を用いずに直接データを印刷するオンデマンド印刷機が登場。さらにバリアブル印刷ソフトウェアや自動組版と連携させることで、顧客によって内容が異なる DMをつくることが可能になりました。

またDMはEメールと比べて開封率、コンバージョンレートが圧倒的に高いという点も再び注目されるようになった大きな理由です。一般社団法人日本ダイレクトメール協会の調査によると、自分宛のDMの開封率は74%、Eメールは15~20%と大きな差が出ています。
行動喚起率(ネットで調べた、話題にした、購入・利用したなどの行動)も22.4%で、DMを受け取った方の実に約5人に1人が何かしらの行動に出ているという結果が出ています。

この結果からみても、DMのパーソナライズ化が進めばさらに高い効果を得られることが期待されます。

<詳しく知りたい方は「データ活用がもたらすDMメディアの新たな進化」へ>
https://www.ricoh.co.jp/magazines/direct-marketing/column/r00021/

<DM以外のオフラインでのOne to Oneマーケティング事例はこちら>
https://www.ricoh.co.jp/solutions/industry/retail

まとめ

多様化する顧客のニーズに応えるために、顧客一人ひとりに最適なアプローチができるOne to Oneマーケティングが今後ますます重要性を増していくと予測できます。オンライン、オフラインとも更なる技術の進化によって、これまで以上に顧客に寄り添ったマーケティング活動が可能になっていくことでしょう。
その中で企業は、顧客の情報をいかに収集・蓄積し、いかにそのデータを活用していくかのかが重要になっていきます。自社のスタンスや目的に合わせて、新しい技術やツールも取り入れながら、最適な顧客コミュニケーションをとることで、顧客との良好な関係性を構築していきましょう。

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