デジタルマーケティングとは?WEBマーケティングとの違い

From: ダイレクトマーケティングラボ

2018年09月06日 00:00

この記事に書いてあること

マーケティングや販売促進に携わる方に向けて、これだけは知っておきたい!押さえておきたい!マーケティング用語を集めました。
基礎から応用まで、多岐にわたる用語を活用例なども含めてご紹介いたします。ぜひご活用ください。

用語説明【デジタルマーケティング/WEBマーケティング】

デジタルマーケティングとは、デジタルデバイス(PCやスマートフォン、タブレットなど)を介して顧客のレスポンスデータを蓄積・活用することで顧客とのつながり(=コミュニケーション)を強化していくマーケティング手法です。

WEBマーケティングと混同されることがありますが、WEBマーケティングはデジタルマーケティングの手法の一部であり、マーケティングのために活用できるデータの種類とチャネルが異なります。

解説

デジタルマーケティングとWEBマーケティングの関係性は、図のように表されます。

デジタルマーケティングとWEBマーケティングの関係性の図

WEBマーケティング
主に企業のWEBサイトを中心として、顧客の訪問履歴などをもとにマーケティングを展開する。

デジタルマーケティング
WEBサイトも含め、あらゆるデジタルデバイスを活用してマーケティングを行う。

デジタルマーケティングの領域にはPCやスマートフォンだけでなく、デジタルサイネージやビッグデータ、AI、IoTのエッジデバイスであるセンサーなども含まれます。デジタルマーケティングは、WEBサイトを訪問した顧客や見込客を対象とするWEBマーケティングとは異なり、潜在的にニーズのある顧客も対象にできるマーケティング手法といえます。

デジタルマーケティング最新動向

デジタルマーケティングは、さまざまなセンサーのIoT化が進んでビッグデータと融合することにより、今まででは考えられなかったような進化を始めています。

医療の分野でも、ウェアラブルセンサーからの情報をクラウドに蓄積しビッグデータとして分析することで、今まではわからなかった新たな知見を得たり、病気の早期発見など、予防医学に活かすことができます。

このように、あらゆるチャネルからの顧客情報をデジタルとネットワークの力で融合させ、さまざまな分野でデジタルマーケティングは活用されています。

一番身近な例としては、自動車や小売業が挙げられます。ITの普及により、顧客のチャネルがWEBサイトやスマートフォン、タブレットなどのデジタルデバイスとなってきていることから、特にデジタルマーケティングの活用が盛んです。実際の現場での活用例を紹介しましょう。

自動車業界での活用例

自動車は搭載されたセンサーとインターネットが高度に結びつき、コネクテッドカーと呼ばれるようになってきています。スピードやブレーキの頻度、エンジンの回転数などセンサーからの車両情報がリアルタイムでディーラーに送られるため、最適なタイミングでユーザーに点検・消耗品交換などのアプローチを行うことができます。

また、車両のデータはユーザーのためだけではなく、位置情報や速度の情報をビッグデータとして蓄積し渋滞情報に利用することも検討されています。

紳士服業界での活用例

多くの紳士服量販店では、色やサイズの違う紳士服(特にビジネススーツ)を大量にディスプレイして販売しています。ビジネススーツは形がほぼ決まっているので、顧客は色や材質の違いに個性を求めるためです。そのため紳士服量販店は大規模な店舗を構えねばならず、店舗の建設費や人件費が経営を圧迫していました。

現在ではWEBサイトから顧客にあらかじめ洋服の種類や色を選んでもらい、実店舗では試着と採寸のみを行うといったサービスが始まっています。顧客にとっては実店舗に行っても好みの洋服がないというデメリットがなくなり、紳士服量販店にとっては、オーダーのあった商品のみを顧客の来店時に準備しておけば良いので、ディスプレイや在庫の削減、店舗を小型化できるというメリットが生まれます。

WEBサイトを中心として、あらゆるデジタルデバイスを活用したデジタルマーケティングは、今後ますます普及していくものと思われます。

これからのデジタルマーケターに必要なノウハウ

小売業の例はデジタルマーケティングの要素がほとんど揃っていると言っても過言ではないでしょう。実店舗やWEBページ、デジタルデバイスなど、複数のチャネルからの情報やデータを統合して、顧客ニーズに合わせた良質で使いやすいサービスを提供するノウハウは、ほぼそのままデジタルマーケターに必要なノウハウだと言えます。

顧客とのエンゲージメント強化

顧客の商品検討から購入、使用、消費までのプロセスは「カスタマージャーニー」と呼ばれます。デジタルデバイスを入り口(チャネル)として、実店舗での経験を顧客満足度の向上につなげ、エンゲージメントを強化していくためには「カスタマージャーニー」の質を上げていかなければなりません。「便利だった」「時間が節約できた」「また利用したい」といった顧客の生の声をデータとして収集し、次の施策に活かしていくことが重要です。デジタルマーケターには、さまざまなデバイスやデータを理解し、「カスタマージャーニー」を包括的な顧客体験として考える資質が必要となります。

チャネル間のデータ統合

顧客との接点となる各チャネルには、膨大なデータが発生します。量だけでなく、顧客の好みや購買履歴をはじめ、来店時間や購買の時間、天気の情報や人口統計まで、その種類はとても広範囲に及びます。データを効率的に整理・統合することで、顧客の次の行動把握やライフサイクルにあわせたタイムリーな販促活動に活かすことができます。顧客満足度を向上させていくためには、統一感のある、よりパーソナライズされたマーケティング手法が必要です。各チャネルを通じたデータの収集・統合は、デジタルマーケターにとって重要な戦略決定材料となります。

デジタルマーケティングの普及にともない、専門性が高まることを予測して専門部署を作るなど、対応を急いでいる企業が増えています。部署だけでなく、デジタルマーケティングを牽引していくデジタルマーケターの育成も、重要な課題の一つです。

ただし、このような広範囲にわたる専門知識の習得やテクノロジーの利用は、もはや数人の担当者や自社だけではカバーしきれないことも考えられます。現実的には、デジタルマーケティングにノウハウを持つパートナーとコラボレーションしていくことがその対策になるでしょう。

まとめ

デジタルデバイスの普及や新しいテクノロジーの登場にともなって進化を続けるデジタルマーケティング。今後もさまざまなサービスに積極的に利用され、ビッグデータやAIを活用したレコメンデーション(購買の推奨)システムや在庫管理の効率化など絶えず進歩しています。また、ビットコインで脚光を浴びたブロックチェーン技術を流通システムとデータベースに応用し、配送の効率化に活かそうとする試みも始まっています。

マーケティングのあらゆる場面に活用できるデジタルマーケティングは、デジタルマーケターだけではなく、あらゆるマーケターにとって必要な知識と言えるでしょう。

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