マーケティングにおけるROIとは?

From: ダイレクトマーケティングラボ

2018年07月12日 00:00

この記事に書いてあること

マーケティングや販売促進に携わる方に向けて、これだけは知っておきたい!押さえておきたい!マーケティング用語を集めました。
基礎から応用まで、多岐にわたる用語を活用例なども含めてご紹介いたします。ぜひご活用ください。

用語説明【ROI】

ROIとはReturn On Investmentの略で、投資利益率や投資回収率と呼ばれる経済用語です。投資した資本に対して得られた利益率を表し、投資対効果を評価するために使います。

解説

企業経営と投資は、切っても切れない関係にあります。適切なタイミングで投資を行い、そこから生まれた利益を回収することによって、企業は永続的に活動することができます。ROIは、投資が期待する利益を生んでいるかを評価するための指標です。

マーケティング活動においても、広告宣伝はもちろん、人的活動なども全てが投資です。投資に対するリターンを数値的に把握し、次の施策に反映させていくことが重要です。ここではROIの基本的な考えを解説し、ROIと混同されやすいROASとの違いもご紹介します。

ROIの算出方法

ROIは、売上から売上原価や諸経費を引いた数値(利益)を、投資額で割って算出します。

下記の数式では、諸経費に投資額も含まれています

ROI(%)=利益(売上-売上原価-諸経費)÷ 投資額×100

ではマーケティング活動における例として、具体的な数値を使い、ROIを算出してみましょう。ここでは話を単純化し、商品の売り上げを「売上」、商品の原価を「売上原価」、広告費を含むマーケティングに関わる販売管理費を「投資額」、それ以外の経費を「諸経費」と定義します。

ある商品の売上が150万円、売上原価が60万円、諸経費が15万円、投資額が25万円だった場合、ROIは200%となります。

(150-60-15-25)÷25×100=200%

ROI 200%とは、1円の投資に対して2円の利益を獲得できた、という意味です。つまりROIの数値が高ければマーケティング活動の効果が高いということになり、100%を下回った場合は、投資した分の効果が低いことを表します。また、もしマイナスになるようなことがあれば、投資額がまったく回収できていないということになります。

ROIとROASとの違い

ROIと間違われやすい指標に、ROAS(Return On Advertising Spend)があります。ROIがもともと経済用語であることは説明しましたが、ROASはマーケティング用語で、広告費用対効果と訳されます。

ROIが投資額に対して「どれだけ利益を回収できたか」を測る利益ベースの指標であるのに対し、ROASは、投資額(※)に対して「どれだけ広告経由の売上が確保できたか」を表す、売上ベースの指標です。広告経由の売上とは、この商品のために作成されたDMやチラシ、WEBのバナー広告などの媒体や販売キャンペーンが影響した売上を示します。

ROAS(%)= 広告経由の売上÷投資額×100

ここでの投資額も、ROIと同様に広告費を含むマーケティングに関わる販売管理費と解釈してください

仮にROASが200%だった場合、1円の投資に対して2円の売上が広告経由で確保できたという意味になります。

この2つの指標は、どちらか片方の数値が高ければ良いというものではありません。これも例を使って見てみましょう。

例から見るROIとROAS

ここでは、ワインメーカーが新商品の販売促進に向けWEB広告を出稿したと想定します。

新商品のワインは販売価格が4000円、原価は1000円です。このワインをWEB広告経由で100本販売し、売上は40万円になりました。諸経費は15万円、投資額(WEB広告費)は20万円とします。

ROI = (40-10-15-20)÷20×100 = -25%
ROAS = 40÷20×100 = 200%

これはかなり極端な例ですが、広告費が売上には効果を上げているものの、利益にはまったく貢献していない、という結果を表しています。

ROIを上げていくには

マーケティングとは、市場に対する販売の働きかけ全般を指す言葉です。市場調査、販売活動、広告宣伝などにかける投資の全てが、マーケティングへの投資といえます。

例えば販売活動であれば、販売エリアを絞り込み、営業マンの再配置や販売店の集約を考えるなど、販売経費の低減を考えます。

広告宣伝であれば、販売ターゲットを絞り込み、効率的な広告を行うことが経費を押さえることにつながります。例えばWEB広告ならば、アドネットワークの各種ツールを活用し、さまざまな方法で絞り込んだ顧客にアプローチすることが可能です。また、ダイレクトメールであれば、顧客リストを活用し厳選した優良顧客に絞って広告を届けるのも効果的です。

前章の例でいえば15万円の諸経費も圧縮したいところですが、実際にはさまざまな経費(人件費や設備の減価償却費、入居ビルの賃料などの固定費)が含まれることが多いので、ここではマーケティングに関わる投資額の効率化を考えてみましょう。

投資額(WEB広告費)の20万円を圧縮することは、ROI改善の早道となります。原価1000円のワインに2000円の広告費がかかっているのですから当たり前ですね。

例えば、幅広く配信していたWEB広告を、ワインの購入に関わる検索をしたユーザーのみにターゲットを絞ることにより、低予算、かつ、より効率的に運用することも可能です。このような工夫によってワイン1本あたり2000円の広告費を仮に700円に圧縮できれば、ROIは大きく改善します。

ROI = (40-10-15-7)÷7×100 = 114%
ROAS = 40÷7×100 = 571%

まとめ

マーケティング施策を実施する際には、効果測定がしやすいマーケティング手法(例えばダイレクトマーケティングなど)を活用し、ROIやROASなどの指標を常に意識しながら、こまかく戦略を更新していくことをおすすめします。

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