ダイレクトマーケティングとは?

From: ダイレクトマーケティングラボ

2018年06月28日 00:00

この記事に書いてあること

マーケティングや販売促進に携わる方に向けて、これだけは知っておきたい!押さえておきたい!マーケティング用語を集めました。
基礎から応用まで、多岐にわたる用語を活用例なども含めてご紹介いたします。ぜひご活用ください。

用語説明【ダイレクトマーケティング】

ダイレクトマーケティングとは、企業と顧客が双方向で直接的にコミュニケーションを取り、顧客のレスポンス(反応)を獲得することに主眼を置く手法のことです。

解説

ダイレクトマーケティングは、世界60カ国に展開する広告代理店ワンダーマンの創設者、レスター・ワンダーマンが1961年に提唱したマーケティング手法です。

企業が代理店や店舗、セールスマンを介さずに、顧客と直接的(ダイレクト)にコミュニケーションすることからダイレクトマーケティングと名付けられました。一番の特徴は、双方向にコミュニケーションすることで得られる、レスポンスを重視していること。レスポンスから得られたデータを活用することにより費用対効果が確認しやすく、PDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルを回すことで、常に最適なマーケティングを行うことができます。顧客と長期にわたる関係を築くことも可能なため、金融業界、保険業界、自動車業界などが古くから活用しています。

インターネット時代にダイレクトマーケティングが重視される理由

このように長い歴史のあるダイレクトマーケティングですが、インターネット全盛の現代、その手法に変化が生まれています。

ダイレクトマーケティングの代表的な手法に、ダイレクトメールがあります。はがきや封書といったコミュニケーションツールはコストや手間がかかりますが、ターゲットにダイレクトに、そして適切なタイミングで届けられることから、とても有効なマーケティング手法といえます。

現在はインターネットの発達やSNS(Facebookの企業ページ、LINEの公式アカウント等)の登場で、企業と顧客はよりダイレクトにつながりやすくなりました。ダイレクトメールもeメールで送られることが多くなり、リンクから商品情報に直接アプローチできるなど、インターネット、デジタル手法を活用することでダイレクトマーケティングも日々進化しています。

一方、eメールやSNSに比べればアナログな手法と言えるダイレクトメールですが、サンプルを入れることができたり、高級感のある冊子を入れて特別感を演出できるなど、紙ならではの優位点もあります。

そこでアナログとデジタル、2つのコミュニケーションチャネルを絡めてアプローチするという、合わせ技(クロスチャネル)が現在のダイレクトマーケティングの主流になりつつあります。

クロスチャネルで行うダイレクトマーケティングの効果的な実践例

ダイレクトマーケティングの考え方はとてもシンプルで

1.見込客を発見し、収集する(データベース化する)
2.コミュニケーションを重ねて信頼関係を築き、期待するレスポンス(申込み、商品購入など)を得る
3.レスポンス後も良好なコミュニケーションを取り、顧客の生涯価値(LTV)を最大化する

といった流れが一般的です。

この3つのステップに沿って、ダイレクトマーケティング活動の概要を「コラーゲン入りのサプリメント販売」を例に詳しく解説していきます。

1. 見込客を発見し、収集する

このサプリメントは肌に良い成分を豊富に含むだけでなく、一日一回一粒の摂取だけという続けやすさ、そして、定期的に商品を届けてくれる定期購入のシステムが特徴です。

まずは、ターゲットとなる顧客の属性、特徴、行動などを詳細に具体化したモデル(ペルソナ)を作り、狙うべき見込客を絞り込んでいきます。

  • 性別:女性
  • 年齢:32歳
  • 独身
  • 職業:都心のIT企業で内勤
  • 年収:380万円ほど
  • 趣味:海が好きで、20代のころは水上スキーを楽しんでいた。時間があればまたマリンスポーツを楽しみたい。
  • 美容:仕事が忙しく、興味はあるものの、なかなか美容面に気が回らない。帰宅後化粧を落とさずに寝てしまうことも。実年齢より若く見られるが、自分では30歳を過ぎてから肌にハリがなくなってきたと感じている。
  • サプリメントを購入したことはあるが、飲み忘れが続き、結局途中でやめてしまった。効果があるのはもちろん、気軽に続けられるものを欲している。
  • 仕事柄メールやSNSのチェックは欠かさず、出勤時の電車内でもスマホアプリでニュースを流し読みしている。

参考:ペルソナとマーケティング施策

ペルソナの作り込みができたら、次にこのペルソナへの接触方法を検討します。商品がサプリメントであるなら、サンプルで良さを実感してもらうのが効果的です。

  • オフィス街の駅で、帰宅時のペルソナ(女性、30代〜40代)に向けてサンプル配布を行う。
  • 30代から40代の独身女性が読者層の雑誌に、無料サンプルの広告を掲載する。
  • 紫外線対策といった肌ケアが意識される夏前などのタイミングに、美容に関心のある女性が興味を持ちそうなWEBサイトに、バナー広告を出す。

などの方法が考えられます。サンプルや広告には信頼できる効果のデータを載せ、さらにオファー(今なら○○%割引! や、もう1セットおまけ等)で、サンプルの申込みや購入を促進させる工夫を盛り込むことも大切です。店舗での販促や新聞広告などもありますが、予算や費用対効果を考えて使い分けていきます。

このフェーズ(見込客を発見し、収集する)での大事な目的は、顧客に気づきを与えて潜在的な問題を顕在化させ、見込客になってもらうこと。次に見込客をリスト化、データベース化することです。

例えば、オフィス街の駅で配布したサンプルに商品の説明書を入れておき、最後にオファーを載せておきます。QRコードも掲載し、そこからホームページに飛んで簡単なアンケートに答えると、さらなる特典が得られるようにするのです。アンケートでメールアドレスや住所、お肌の悩みなどを収集できれば、見込客をリスト化、データベース化できます。このデータを活用すれば、見込客と継続してコミュニケーションをとることが可能となるのです。

2. コミュニケーションを重ねて信頼関係を築き、期待するレスポンス(申込み、商品購入など)を得る

見込客がその商品に興味を示すのには、何かしらの問題を抱えている可能性があります。例えば、過去にサプリメントを買ったことがあるが継続できなかった、効果が実感できなかった…といった問題がある場合、続けやすいサプリはないか、効果を実感できるものはないかといった潜在的ニーズが予想できます。サプリメントのメーカーは、データベース化された見込客とコミュニケーションを続け、その結果を分析することで、抱えているであろう問題や潜在的なニーズを把握することができます。

見込客にとって、適切なタイミングに適切な商品を提案してくれることは、企業に対する信頼度の向上につながります。そして提案したオファーが顧客の購買欲を刺激すれば、レスポンス(購入や申込み)の獲得となるでしょう。たとえ一回でレスポンスにつながらなくても、このようなコミュニケーションが顧客との信頼関係を築いていくことになります。

3. レスポンス後も良好なコミュニケーションを取り、顧客の生涯価値(LTV)を最大化する

一回のレスポンスを得ることではなく、長期にわたって顧客とコミュニケーションを続け、顧客が生涯のなかで企業にもたらす利益であるLTV(Life Time Value)を最大化することこそが、ダイレクトマーケティングのゴールです。

保険業界や自動車業界で、古くからダイレクトマーケティングが活用されている理由はここにあります。保険であれば、新社会人のとき、結婚をしたとき、家族が増えたとき、定年を迎えたとき、それぞれの状況に合わせた保険が必要になります。自動車でも、免許を取ったばかりならコンパクトカー、家族ができればファミリーカー、社会的地位が上がればラグジュアリーカーというように、ライフステージに応じた提案が考えられます。このような商品は、まさに顧客の生涯を通じて取引することができます。

サプリメントであれば、使い終わるころに再購入のお知らせを送ったり、症状に応じた別の商品を提案するといった継続的な取引が考えられますが、これらはすべて最初のフェーズで作成したリスト、データベースが基本となっています。シンプルですが、とても重要な3ステップといえるでしょう。

まとめ

古くからさまざまな企業で活用されているダイレクトマーケティングですが、インターネットのテクノロジーと融合し、濃密で効率的なコミュニケーションができるように進化しています。アナログ、デジタル、それぞれの利点を活かすことで、顧客との強固な信頼関係を築き、LTVを最大化することが可能です。

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