AISASとは?AIDMAとの違いを具体例で徹底解説!

From: ダイレクトマーケティングラボ

2018年06月14日 00:00

この記事に書いてあること

マーケティングや販売促進に携わる方に向けて、これだけは知っておきたい!押さえておきたい!マーケティング用語を集めました。
基礎から応用まで、多岐にわたる用語を活用例なども含めてご紹介いたします。ぜひご活用ください。

用語説明【AISAS】

「AISAS(アイサス)」とは、Attention(認知・注意)・Interest(興味・関心)・Search(検索)・Action(行動)・Share(共有)の頭文字を組み合わせた造語で、消費者が実際に商品を認知してから購入するまでの購買行動モデルの一つ。2005年6月に電通が商標登録した用語です。

解説

インターネットが発達した現代では、以前と比べて消費者の購買行動が変わってきており、企業と顧客のコミュニケーション方法にも変化が求められています。そんななかで注目されているのが、AISAS(アイサス)という消費者行動モデル。ネット主流の今だからこそ必要なマーケティングの知識として、AISASにまつわるエトセトラをお伝えしてまいります。

AIDMAとAISASの違い

昭和から平成初期まで、消費者は商品情報の多くをテレビ、雑誌、新聞などマスメディアから受け取っていました。その時代における消費者の購買行動モデルとしては

1.情報を見て、商品を知る(Attention)
2.商品を知った消費者が興味・関心を持つ(Interest)
3.感情的に商品が欲しくなる(Desire)
4.商品やブランド名を記憶する(Memory)
5.行動・購買する(Action)

といった流れが一般的でした。

この消費者の購買行動モデルをAIDMA(アイドマ)と呼び、マーケティングの法則として広まりました。このモデルは、マスメディア広告時代とピッタリ合っていたのです。

ところが、2000年代に入ると、このモデルが大きく変化していきます。消費者は商品情報を受動的ではなく能動的に探すようになり、さらに購買後にも特徴的な行動を起こすようになりました。

1.情報を見て、商品を知る(Attention)
2.商品を知った消費者が興味・関心を持つ(Interest)
3.商品やブランドを検索する(Search)
4.行動・購買する(Action)
5.購買した後に共有する(Share)

これが「AISASの法則」と呼ばれる消費者の購買行動モデルです。

AISASの特徴はズバリ、消費者が能動的な検索(Search)と共有(Share)をおこなうようになったこと。

それまでのAIDMAは、情報を発信する企業側とそれを受ける消費者という“ワンウェイ”モデルでした。

しかしAISASは、検索(Search)と共有(Share)という消費者の能動的な行動をくわえて、企業と消費者が互いに関与し合う“インタラクティブ”な関係へと変化。また、消費者の行動がActionで終わらずに、その経験を共有し合うのが大きな特徴です。

なぜ、AISASへと変化したのか

では、いったいなぜ、2000年代から消費者は急激に消費行動を変化させたのでしょうか。この変化のカギを握るのが、インターネットの登場です。2001年ごろにインターネットのつなぎ放題が登場したことから、家庭におけるインターネットの普及率が急上昇。消費者は、みずからGoogleなどの検索サービスを通じて能動的に情報を調べる「検索」をおこなうようになりました。

その検索行動の背景としては、「購入して失敗したくない」という心理的背景があります。安価な商品ならまだしも、高額になればなるほど購入に対する心理的ハードルは高くなるもの。消費者は、失敗しないように検索を重ね、同様の商品や口コミを比較検討し、納得した上で購入にいたるようになったのです。

さらには、口コミなどのShare行動です。Shareは自己承認欲求も満たされるため、口コミの投稿や評価サイトでの投稿が気軽におこなわれるようになりました。インターネットやSNS上で購入者に商品の情報を共有してもらえれば、新たに検討している人にとっては大きな判断材料になります。

一連の「検索」と「共有」のプロセスがくわわったことで、売り手は自社のWebサイトを持つことが必須となり、ソーシャルメディアも含めたコミュニケーションチャネルから、広告だけでは伝えきれない情報を伝えることが求められるようになったのです。

AISASにおける具体的な行動

それでは、AISASの流れを具体的な事例で見ていきましょう。
例えば、あなたが「ラクラクバッグ」というリュックサックのマーケティング担当者だとします。このリュックは、頑丈で、ポケットも多く、ノートPCも入るので、整理しやすくものを取り出しやすいという強みを持っています。

1. Attention(注意)

あなたは「ラクラクバッグ」の販売のために広告を作り、Yahoo!広告やGoogleのリスティング広告に出稿しました。この活動は消費者の Attention(注意)を引き、認知してもらうことを目的としています。新しいバッグを探している消費者に知ってもらうことが目的です。

2. Interest(興味)

次にあなたは、「ラクラクバッグ」の特徴やメリットを網羅したランディングページ(LP)を立ち上げます。
LPには利用シーン(実際にノートPCを入れた状態など)の写真や動画を掲載し、くわえてサイトに誘導するSNS広告も配信することにしました。この活動は、消費者の Interest(興味)を惹くことを目指したものです。消費者はじっくりとLPを見て、利用シーンなどを想像しはじめます。
「実際に手にとってみたい」「使ってみたい」「あったらいいな」と思ってもらうことがポイントです。

3. Search(検索)

しかし、インターネットはあくまでバーチャルの世界。広告やLPを見てもバッグの実際の大きさや使用感などは体験できません。

「今買っても、他のバッグのほうが使い勝手やコストパフォーマンスがよかったらどうしよう」

と消費者は不安になります。

そこで消費者は競合製品のWebサイトや口コミ、比較サイトを見たりすることで、他社製品との比較・検討をはじめます。この検索行動で、消費者はいわば査定をするのです。

そのため、企業側には、商品の良さやメリットはもちろんのこと、口コミの反映をおこなっていくことや、商品の詳細かつ正確な情報の開示がもとめられます。くわえて、他社と比較したときの優位性を客観的視点から掲載することも重要となります。

それらを見比べることによって、消費者は実際に購買するかどうかを判断するのです。

4. Action(行動)

実際に消費者が購買する際も、購買への不安が残ります。

  • このバッグはいつ届くのか?
  • どういった形で届けられるのか?
  • 決済方法は?

などなど、これらをはじめとした購買への不安をすべて払拭することが必要です。

購買までのステップが簡単なことにくわえ、LPで購買に関するあらゆる情報を開示して、お客様それぞれの不安を払拭し、購入を後押しすることが重要です。そのフローが丁寧かつ簡単であれば、消費者はスムーズに購買してくれます。

5. Share(共有)

そして、最後のステップが Share(共有)です。この過程は今後の売れ行きを決める上で重要な「評判」「評価」をされる段階です。

  • このバッグ、とっても使いやすい!大満足です!
  • 封を開けたときの感動がたまりませんでした。
  • 自転車ユーザーにとっては、さらに便利であることがわかりました。

満足や不満といった観点だけでなく、消費者それぞれの視点からの気付きが、ソーシャルメディアや口コミサイトなどで共有されるようになります。こうした口コミが、次に購入を考えている消費者の判断材料として効果を発揮しはじめるのです。

このときに消費者の期待を裏切って使い勝手が悪かったり、お届け状況がよくなかったりすると、良くない口コミが広がる原因になります。注意しましょう。

まとめ

ここまでAISASについて、AIDMAとの違いを含めて、全体の流れをお伝えしました。今の時代はマス広告だけではなく、Webを使ったプロモーションが欠かせません。

ただ、すべての商品にAISASのモデルが当てはまるかというとそうではありません。安価な商品や大量生産モデルの商品、ファッションなどはAIDMAが有効である場合もあります。これらは商品の特性や価格、メインターゲットの属性や消費行動によって使い分けていくことが必要です。

AISASもAIDMAもマーケティング戦略のひとつ。商品やターゲットを十分に理解した上で、戦略を立てて、戦略に合わせた戦術を使っていきましょう。

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