「個」客に響く、オンデマンド印刷とは?

From: ダイレクトマーケティングラボ

2018年04月05日 00:00

この記事に書いてあること

マーケティングや販売促進に携わる方に向けて、これだけは知っておきたい!押さえておきたい!マーケティング用語を集めました。
基礎から応用まで、多岐にわたる用語を活用例なども含めてご紹介いたします。ぜひご活用ください。

用語説明【オンデマンド印刷】

「オンデマンド印刷」は、「要求が出た時に対応できる」という要件を満たすような印刷方式の総称。「版を作らない」ことに技術的特徴があり、小部数ロットでの印刷ができるほか、One to Oneマーケティングへの応用が期待されている。

解説

みなさんも「オンデマンド印刷」という言葉を耳にしたことはあるでしょう。

従来、オンデマンド印刷といえば、「オフセット印刷の品質には若干劣るものの、小ロット製造や短納期に強みがある印刷方式」というイメージでした。ところが近年「One to Oneマーケティング」が注目されるようになり、その手段としてのオンデマンド印刷が大いに注目されるようになってきています。

マーケターが印刷の知識を持っておくべき理由

オンデマンド印刷は、印刷方式の一つ。マーケティングを考える上で、なぜ印刷方式が重要になるかというと、「どうやって印刷するか」により、マーケティング素材の品質やコストパフォーマンスが格段に異なってくるからです。

たとえば、「DMの品質にこだわりたい」「つい読みたくなるパンフレットを作りたい」「ターゲットにとってしっくりくるチラシを作りたい」と思った時、デザインや写真などの中身ももちろん大切ですが、制作物としての全体の見た目や、手に取った時の質感は非常に重要になります。メッセージをより確実に届けるために、どんな印刷が最も適切かをマーケティングの領域として考える必要があるのです。

特に、印刷物におけるOne to Oneマーケティング隆盛の時代においては、オンデマンド印刷には見過ごせないメリットがあります。気になる点について見ていく前に、まずは基本である「オンデマンド印刷とオフセット印刷の違い」を押さえておきましょう。

オンデマンド印刷とオフセット印刷の違い

オンデマンド印刷は、「要求に応じて」印刷をする方法。つまり、必要なものを必要なときに必要な分だけ印刷できるのがオンデマンド印刷です。一般的には、高性能のレーザーブリンターにより、デジタルデータを直接読み込んでプリントします。

オフセット印刷では、まず「原版」を作り(アルミに感光剤を塗布したPS版が主流)、原版につけられたインキをブランケットに転写(offset)。これを介して紙などの被印刷体に印刷します。

「版を作る」ことに費用と期間を要しますが、非常に鮮明な印刷物を大量出版できる点に強みがあります。

一方、版を用いないで直接データを印刷するオンデマンド印刷は、必要な部数だけを印刷できるため、少量の印刷もためらうことなく実行できます(従来の強み)。工程が省略できるため、全体の納期やコストを短縮できる効果もあります。

マーケティング領域におけるオンデマンド印刷の強み

さらに、オンデマンド印刷機には、データをハンドリングして内容の一部を差し替える「バリアブル印刷」に対応している機種も存在します。

バリアブル印刷とは?

DM送付先の氏名・住所や、商品情報が格納されたデータベースと連携して印刷することにより、印刷内容を「可変的に」(variable)プリントする機能のこと。版を作らず、デジタルデータから直接印刷するオンデマンド印刷ならではの機能です。

バリアブル印刷なら、「印刷物ごとに宛名と宛先を差し替える」「送り先一人ひとりの担当者名を記載する」といったことはもちろん「お客様ごとにクリエイティブの一部を差し替える」といったニーズにも対応することができます。

DM以外にも使えるバリアブル印刷(One to Oneマーケティングの事例)

バリアブル印刷の活用の場は広く、たとえば、通販で商品を買ってくれたお客様に送る「納品明細書」にも活用できます。

この書類に、レコメンド(お薦め品)の情報を添付している企業があることをご存知でしたか?

「知らなかった!」という方に、さらに驚いて頂ける事例をご紹介致します。

購入した商品の情報やWebの閲覧履歴を参照して、お客様一人ひとりに最適なレコメンド商品を記載することもできるんです。

事例:レコメンド納品明細書 _ 流通 _ リコー

「デジタルデータに基づき印刷する」「印刷物一枚一枚の内容を可変できる」というバリアブル印刷だからこそ、実現するソリューションの事例です。
こんな風に、バリアブル機能付きのオンデマンド印刷は、One to Oneマーケティングの手段としても注目されているのですね。

最後に、オンデマンド印刷による施策を検討しているなら、送付する印刷物の形式にもこだわってみることで、相乗効果が得られます。

たとえばDMは、一般的なA4チラシ、ハガキ、封書のほかに、圧着ハガキ、大判圧着DMなど、情報量に応じて様々な形式をとることができます。特に、大きさを活かした販促ツールとして「圧着DM」は有効。コンパクトにおりたたみながら、たくさんの情報を詰め込むことができる点や、開封率が高い点など、注目のDMです。オンデマンド印刷なら、様々な紙質や紙厚・形状などを選択・検証することができます。

まとめ

本記事では、オンデマンド印刷の活用方法を中心に見てきました。その強みは、「必要なものを必要なときに必要な部数だけ印刷できる」という小ロット製造の利点だけに留まりません。デジタルデータを直接印刷するという性質から、企業による活用の主眼は「One to Oneマーケティングへの活用」に移り変わりつつあります。

「オンデマンド印刷でできること」は、貴社のマーケティングにぴったり合う施策になりうるかもしれません。「個」客視点のマーケティング施策をお考えの際は、ぜひ、オンデマンド印刷にも着目してみてください。

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