3C分析の具体例と使い方

From: ダイレクトマーケティングラボ

2018年03月20日 00:00

この記事に書いてあること

マーケティングや販売促進に携わる方に向けて、これだけは知っておきたい!押さえておきたい!マーケティング用語を集めました。
基礎から応用まで、多岐にわたる用語を活用例なども含めてご紹介いたします。ぜひご活用ください。

用語説明【3C分析】

3C分析とは、企業が市場での勝ち残りを図る際、重要成功要因(KSF, Key Success Factor)を導出し、事業を成功に導くために用いられるマーケティングのフレームワークです。

解説

マーケット・インの視点で自社を見つめ直し、競合他社に対する優位性を確認・確立するための手法であり、自社と市場の関係性を深く理解するために用いられます。3Cはそれぞれ、顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)のことを指します。3C分析は、マーケターなら誰もが学ぶベーシックな分析ですが、今回はその使い方を改めて検証していきます。

3C分析の具体例

3C分析を行うことで、市場と競合(外部要因)を踏まえた自社のポジションを明確化することができ、その結果として自社の強みや事業の進行方向が見えてきます。まず、3C分析の過程として、マーケット・インの考え方を実践するために、以下の順でそれぞれのCを明確にしていきます。

  • Customer(市場や顧客のニーズ)
  • Competitor(競合)
  • Company(自社の強み、向かうべき方向)

今回は「モバイルPC」を例に挙げて、実際に3C分析を考えていきましょう。

1、Customer

まず、3C分析の第一歩はどんな顧客が存在するのかを考えることです。今回はモバイルPCがテーマですので、ざっくり切り分ければ「仕事で使う人」「個人で使う人」といった顧客が想定できるでしょう。

今回は、「仕事で使う人」を中心に掘り下げていくこととします。

次に、顧客の声を集めましょう。今ならTwitterやInstagramといった「生の声」が聞けるSNSを活用することも有効です。次のような関連キーワードで「#ハッシュタグ」を用いて検索してみるのもいいでしょう。

※ キーワード例(関連語や、その領域の流行語を調査する)

#モバイルPC #ノートPC #ノマドワーク #VAIO #MacBookPro

Twitterでの市場調査を通じて、あるモバイルPCユーザーは「原稿の校正にモバイルPCを用いている」ことや、「PCの方が校正作業に向いている」といった定評について知ることができます。

2、Competitor

顧客の分析ができたら、次にどんな競合がいるのかを把握し、自社の商品の魅力をどう打ち出すかを考えていきます。

競合としては、真っ先に「他社のPC」が挙げられます。

キャンペーンを打つ際、競合を意識することは必要不可欠です。

まずユーザーが気にするポイントを検討します。仕事使いのモバイルPCは持ち運びのしやすさが前提であり、「サイズ」「バッテリーの持ち」「耐久性の高さ」などを伝え、差別化をはかります。

また、近年はその他にも「スマホ」「タブレット」といった競合が出現してきました。

ここで役立つのが先ほど挙げた「Customer」の利用シーンです。

モバイルPCユーザーの中には、原稿執筆・校正やプログラミングといった専門業務を行う方もいます。そういった利用シーンを前提にすれば、「フリック入力よりタイピングの方が速く、入力ミスも減らせる」といったPCの優位性が浮き彫りになります。

3、Company

「Customer」「Competitor」の分析を踏まえた上で、「自社の強みは何か?」「足りていないものがないか?」と、自社に目を向けていきます。ここを考えることが3C分析の総仕上げ。得られた知見を自社商品の見直しや、キャッチコピーなど広告クリエイティブに適用していきましょう。

具体例

  • 耐久性に優れる。メーカー保証は通常1年間のところ、3年間の保証をしている。
  • バッテリーの持ちが良いので、長時間の作業に堪えうる。
  • 防水性が高く、鞄が雨に濡れても故障しにくい。
  • カラーバリエーションが多彩。カフェでの作業(ノマドワーク)に映える色を選ぶことができる。

3C分析は繰り返し使うフレームワーク

3C分析は繰り返し使うことで、分析の精度が高められていきます。

例えば、今回の3C分析では「モバイルPCによって業務速度が上がる人」という潜在顧客の存在が浮き彫りになりました。そのペルソナに基づいた訴求をすることで、ある会社の上司は「仕事効率化」の一環として、モバイルPCの購入を考えるかもしれません。

その場合、その他の効率化の手段がモバイルPCの競合となりえます。

例えば、オンラインミーティング環境を整備することは、打ち合わせのために外出する機会を減らすことにつながります。その結果として、持ち運びに強みのあるモバイルPCを支給するニーズが低まります。「オンラインミーティングの台頭」という新しい潮流が、自社製品へのニーズに対して影響を与えることがないか、常に市場に気を配ることの大切さが見えてくるでしょう。

このように、3C分析を繰り返し使うことによって、より自社の分析を深めていくことができます。

まとめ

3C分析は、新事業やブランディングに有効な分析とされていますが、重要なのは「闘う相手を明らかにする」「差別化のポイントをみつける」という視点です。顧客ニーズや競合についての理解を深め、自社の強みや競合に対する優位性を明らかにできる3C分析、事業を成功に導くために、是非繰り返し使ってみてください。

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