4Cとマーケティング

From: ダイレクトマーケティングラボ

2018年01月25日 00:00

この記事に書いてあること

マーケティングや販売促進に携わる方に向けて、これだけは知っておきたい!押さえておきたい!マーケティング用語を集めました。
基礎から応用まで、多岐にわたる用語を活用例なども含めてご紹介いたします。ぜひご活用ください。

4Cの基礎知識

用語説明【4C(Consumer wants and needs, Consumer's cost to satisfy, Convenience to buy, Communication)】

Consumer wants and needs(顧客ウォンツ・ニーズ), Consumer's cost to satisfy(顧客コスト), Convenience to buy(利便性), Communication(コミュニケーション)の4つの頭文字。4Pに代わる、顧客指向のマーケティングミックスとして提唱された概念。

解説

今回解説する4Cは、商品・サービスの分析と施策立案を「顧客視点」を念頭に置きつつ遂行するためのフレームワークです。

4Cに基づく分析と施策立案では、以下を設計します。

【Consumer wants and needs(顧客ウォンツ・ニーズ)】どのような問題を解決するか?
【Consumer's cost to satisfy(顧客コスト)】購入にあたっての障壁は何か?
【Convenience to buy(利便性)】どれくらいアクセスしやすいか?
【Communication(コミュニケーション)】どのように商品・サービスについて知らせるか?

4P から 4C へ ? マーケティングミックスの変遷

4Cの生みの親であるRF. Lauterbornは、1990年にこのフレームワークを提唱した際、前回解説した「4P」を非常に強く意識していました。

参考:Advertising Age (1990)

4P - 企業視点 4C - 顧客視点
Product(製品) Consumer wants and needs(顧客ウォンツ・ニーズ)
Price(価格) Consumer's cost to satisfy(顧客コスト)
Place(流通) Convenience to buy(利便性)
Promotion(プロモーション) Communication(コミュニケーション)

4Pから4Cへの転換は、どのような視点の転換をもたらすのでしょうか。

1. Product(製品)から、Consumer wants and needs(顧客ウォンツ・ニーズ)へ

これはマーケティングにおいて、「内ではなく外へ目を向ける」ことの重要性を示す項目です。製品ありきの発想から抜け出し、顧客のウォンツ(wants)ニーズ(needs)を知ることに力を注ぐことで、まだ見ぬ潜在顧客を掘り起こすことが可能となります。

2. Price(価格)から、Consumer's cost to satisfy(顧客コスト)へ

これは「価格は顧客コストのすべてではない」ということを再認識させるための項目です。例えば、オフィスの改装を依頼する際、「改装中に働く場所がない」ことが顧客にとって真のコストかもしれません。価格を引き下げることに腐心するより、むしろ別のサービスをセットで売ることも視野に入れるべきでしょう。

3. Place(流通)から、Convenience to buy(利便性)へ

流通は企業視点の言葉であり、利便性は顧客視点の言葉です。「コンビニで売っている水」はPlace(流通)の観点からたしかに便利です。しかし、店舗で売るという発想そのものから脱し、「自宅に水を配送するサービス」を展開すれば、顧客にとっての利便性はさらに高まります。

Lauterbornはこの項目について、スーパーに陳列されているという価値を追求することは時代遅れであり、どのようなセグメントに対して訴求するかが重要であると述べています。「誰にとって」便利にアクセスできる商品かを考えることが重要です。

4. Promotion(プロモーション)から、Communication(コミュニケーション)へ

企業の公式SNSアカウントが、ユーザーとまるで友人のように会話をしているシーンも見られるようになってきた昨今、プロモーションとは異なる視点で顧客と接点を持つ可能性が拓けています。オンライン・コミュニケーションは、アプローチの方法を柔軟に検討し果敢に実践することで、顧客とこれまでより強い関係で結びつくことができる可能性を秘めています。

4P と 4C を協働させてマーケティングを行うには

実際には、4Pを完全に「捨て去る」ことはできません。4Pと4C、両者を組み合わせることが効果的な場合もあります。ここでは、実店舗とECを連携させる「オムニチャネル施策」を例に、4Pと4Cの両方を考える重要性を見ていきましょう。

オムニチャネルが重要視されるようになったのは、「実店舗でウィンドウショッピングし、ECサイトで購入する」というユーザー行動の増加です。この購入導線を太くするためには、実店舗へ足を運びやすい立地と(Place)、実店舗でオンラインでの購入手続きの容易さ(Convenience to buy)の両方を高める必要があります。

また、「実店舗で閲覧した商品を顧客情報に紐付けてデータベースに登録し、ECサイトでの購入手続きを簡略化する」といったオムニチャネル施策は、まさしく Convenience to buy を高めるものです。このことからも、4Cが昨今のマーケティングトレンドを見事に反映した概念だということが分かります。

まとめ

「4C」は4Pに代わるマーケティングミックスのフレームワークとして提案されました。企業と顧客、両方の視点でマーケティング施策を立案することで、これまで見えなかった顧客にリーチすることが可能となります。大切なことは、4P(自社の意思決定)に終始するのでなく、4C(顧客の事情)を考えることだ、と言えるでしょう。

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