ニーズとは何か?ウォンツとの違いを徹底解説!

From: ダイレクトマーケティングラボ

2017年11月28日 00:00

この記事に書いてあること

マーケティングや販売促進に携わる方に向けて、これだけは知っておきたい!押さえておきたい!マーケティング用語を集めました。
基礎から応用まで、多岐にわたる用語を活用例なども含めてご紹介いたします。ぜひご活用ください。

ニーズとは何か?ニーズとウォンツの違い

用語説明【ニーズ(Needs)】

ニーズ(Needs)を直訳すると、必要、要求、需要などの意味ですが、マーケティングで使われる「ニーズ」は「顧客の欲求」を意味します。漠然としたもの、自覚のないもの、解決不能と思われているものも含まれます。

ニーズとウォンツの違い

みなさんも毎日の生活の中で、不便なことや不快さを感じる一方で、「こうだったらいいな(こうなったらいいな)」と思うことが結構あると思います。実は、思い描く理想の状態と現状とのギャップこそが「ニーズ」なのです。ちなみに、このギャップを埋める(実現できていない現状を解決する)ための対象物を求める気持ちが「ウォンツ」です。

「ニーズ」と「ウォンツ」の関係性を一言で言い表している、マーケティングの世界ではあまりにも有名な格言があります。

「顧客が欲しいのはドリルではなく、穴である」(1968年に出版されたセオドア・レビット博士の著書「マーケティング発想法」の中で紹介された言葉)。

ドリルを買った顧客は単純に「ドリルが欲しかった」わけではなく、「穴をあけたかった」からで、その手段である道具のドリルを買ったのだという話。

この場合、

「穴をあけたい」=ニーズ

「穴をあけるための道具(ドリル)が欲しい」=ウォンツ

となります。

実はこの話はもっと奥が深くて、ドリルはドリルでも、4分の1インチ・ドリルが飛ぶように売れた話なのです。人々が欲しかったのは、2分の1インチでも1インチでもなく、4分の1インチの穴だったのです。この話は別の見方をすれば、「4分の1インチの穴があけたい」という多くの顧客のニーズをつかみ、4分の1インチ・ドリルを世に出したドリル・メーカーのサクセスストーリーでもあるわけです。このように、顧客のニーズの把握はマーケティングの原点であり、すべての「売れた」商品・サービスはニーズにフィットしたからこそ普及したといえるのです。

翻って言うと、もし今あなたがマーケティングにおいて苦戦しているのであれば、どこかでボタンの掛け違いがあり、ニーズを捉え損ねている可能性が高いかもしれません。

そんな時は原点に立ち返り、

  • 商品・サービスそのものや、開発手法の見直し
  • コミュニケーション手段の見直し
  • ターゲットの見直し

を図ることが大切です。

顧客の真のニーズをつかむには?

ニーズは商品開発部門やマーケティング部門が行う会議の中で生まれることはなく、常に「顧客の生活」の中にあります。

新婚期、不器用で怪我の絶えなかった妻のために「一人で手当て出来るよう」発明されたバンドエイドⓇは好例でしょう(発明者であるアール・E・ディクソンがのちに商品化)。

顧客が毎日の生活を送る中で何か不便なことや不具合はないか、それを解決するためにはどんな手段や方法があるのかといった視点で考えることが重要です。

ニーズは顕在化していることもありますが、それとは気付かずに「不便」がつきまとっていることもあります。例えば、羽根なし扇風機が現れた途端「羽根があると、掃除せねばならない箇所が増える」という羽根つき扇風機の「不便さ」を自覚するようになります。このように、ニーズには、自覚のないもの、漠然としたもの、解決不能と思われているものも含まれます。

潜在化しているニーズを顕在化させるには、「なぜ?」を繰り返す質問(思考)が有効です。

「なぜそれが欲しいのか?」「なぜそうなりたいのか?」、「それは何のためなのか?」とニーズを深掘りしていくことで、顧客の真のニーズが見えてきます。

顧客が本来求めている真のニーズがわかれば、適切な商品やサービスの提案(価値の提供)ができ、顧客の信頼や満足を得ることが出来るのです。

must to have と better to have – ペインの有無で切り分ける

ニーズと非常に近しい言葉に「ペイン(pain, 痛み)」があります。ニーズには大きく分けて「ペインを伴うニーズ」と「ペインを伴わないニーズ」があり、ペインの有無によって需要を引きつける力が異なります。

ペインを伴うニーズの例 must to have

  • 同僚に顔をしかめられる原因が自分の口臭だと気付いた(口臭サプリ)
  • 夜中にトイレに行くとき廊下が寒くて仕方がない(断熱リフォーム)
  • 毎夜、ベッドに入るとひどい痒みが出てくる(高性能掃除機)

ペインを伴わないニーズの例 better to have

  • 職場が殺風景な印象を受ける(観葉植物)
  • 挽きたてのコーヒーが飲みたい(サイフォン)
  • もっと気持ちよく深く眠りたい(アロマセット)

両者は明確に区別出来るものではありませんが、上記によっておおまかな傾向はつかんでいただけるでしょう。

一般に、ペインを伴うニーズを満たす商品は「must to have」、ペインを伴わないニーズを満たす商品は「better to have」と呼ばれます。

ペインの有無について、代表的な例は「痛み止め」と「ビタミン剤」だとよく言われます。ビタミン剤はなくても必ずしも困りませんが、痛み止めはその症状をもつ方にとって必需品となりえます。自社の商品・サービスはどちらに近いのか、改めて見直すことで発見が得られることがあります。

まとめ

マーケティングで最も重要なことは、「ニーズの把握」と「ニーズの深掘りです。顧客は単なるモノではなく、そのモノがもたらす「価値」に対価を払うのです。顧客の真のニーズは何なのか、自社商品・サービスはそのニーズに応えられているのか、あるいはまだ掘り起こされていないニーズがないかどうか、顧客の生活をよく見渡して、「なぜ?」を繰り返してみましょう。

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