お客様に価値は届いた?マーケティングの結末は!?

From: ダイレクトマーケティングラボ

2019年06月03日 00:00

この記事に書いてあること

マーケティングって、結局どんなことなんだろう。専門的な知識や理論でありながらも、実は私たちの身近にあって、仕事やプライベートを魅力的に改善してくれるものなんです。今日から使えるマーケティングの知識や使い方を、がんばり屋の女の子、神山さんと一緒に学んでいきましょう!

前回、営業部からの緊急連絡で、だいふくにゃんこが突然売れ始めたことを知った神山さん。渡辺部長から指示を受け、在庫の確認と増産のお願いに走り回ったようです。今回のお話は、それから1ヶ月後。さて、だいふくにゃんこは多くのお客様に受け入れられたのでしょうか?

主要キャラクター紹介

神山さとみ

24歳、独身(彼氏ナシ)。サンライズカンパニー第三事業本部商品企画室所属。美大のデザイン科を卒業後、新卒で入社。家電事業の営業アシスタントを1年経験した後、かねてからの希望だった商品企画室に異動。キャラクターグッズ「だいふくにゃんこ」を開発する。

渡辺部長

46歳。妻と2人の子供がいる。サンライズカンパニー営業・戦略グループマーケティング部部長。長らく大手商社に勤め、MBAも取得済み。サンライズカンパニーの社長に請われ、半年前より転職して現職に就いた。

だいふくにゃんこ

神山さんが企画したぬいぐるみ。素材はビーズで、ぷにゅっとした触感が魅力。その何も考えてなさそうな表情が女子社員のハートをとらえ、社内限定で人気上昇中。

キタかもしれないね! から一ヶ月。 お客様の反応は?

部長:

はぁぁ……神山さん、休憩室で少し休もう。ゆっくりコーヒーが飲みたい。先ほどの取材で、今日は何社目だっけ? さすがに疲れたね。

神山:

4社目です。私も疲れましたけど、だいふくにゃんこの大量在庫を見ていた時の疲れに比べれば、なんともありません!

部長:

あー、私がサンライズカンパニーに来た当初の話だね。あの時の神山さんは、疲れきったヒドイ顔をしてたね(笑)

神山:

(あちゃー!)もう……思い出さないで下さい。

部長:

私も社長からミッションをいただいたものの、あの在庫を見た時は気が滅入ったよ。だが、本格的にプロモーションを始めて2ヶ月、だいふくにゃんこは大ヒットだ。もっと胸を張っていいよ。

神山:

はい! 嬉しい悲鳴っていう言葉を実感しています。渡辺部長のお陰です。

部長:

ところで需給の状況はどうなっている? 注文に追いついているかい?

神山:

いえ、工場も頑張ってくれてはいるのですが、ネットショップからの注文には追いついていません。販売店さんからのバックオーダーもかなり抱えていて、営業マンが謝りにまわってくれています。

部長:

そうか。私も営業部長から「なんで在庫をもっと確保しておかないのか!」って、苦情を言われたよ。2ヶ月前の状況を知らないものだから、いい気なもんだ(笑)

神山:

それと、だいふくにゃんこの特設ページのサイト閲覧数が、すごいことになっています。女優の渡辺りか子さんの共演者もにゃんこを使ってくれているみたいで、誰かがFacebookやTwitterに投稿するたびに、閲覧数が倍増するそうです。

部長:

彼女と同じニーズを、他の俳優さん達も持っていたというわけだね。私たちは会社での快適な昼寝ということにフォーカスしていたわけだが、仮眠や休息が必要な職業の人たちすべてに受け入れられそうだ。これもすぐに分析してみよう。

神山:

分析といえば、「だいふくわんこ」の企画は進んでいるのですか?

部長:

うん。モニター企業で男性社員にも人気だったことを受けて企画を始めたんだが、案の定ニーズは多いね。これも神山さんのお手柄だよ。今、うちの男性社員を中心にプロジェクトを組んでマーケティングを進めている。

神山:

色のバリエーションやオプションなんかも考えている、と聞きました。

部長:

そうなんだ。男性好みの色も考えているけれど、わんこの着せ替えもオプションとして考えている。ホラ、犬を散歩させている人が、愛犬にかわいい服を着せていることがあるだろう?

神山:

わかりました! それって、取り外して洗えるのでは!?

部長:

そのとおり! 大きいぬいぐるみを、定期的に持ち帰ってクリーニングするわけにはいかないからね。ボディと同じ肌触りの良い生地を使って、数種類の洗える【お着替え】を用意することにした。このアイデアは、コンテンツマーケティングのために開設したTwitterでお客様からいただいたものだよ。

神山:

プログラム開発部のA子先輩が中心になって発信しているTwitterですね! コンテンツマーケティングもA子先輩もすごい!

部長:

A子先輩か……会ったことはないが、いいキャラを持ってるね。そのうちランチでもご馳走しよう!

まだまだニーズは隠れている!? マーケティングは終わらない。

部長:

神山さん。今はだいふくにゃんこの増産で頭がいっぱいかもしれないが、次のマーケティングを考えてみないかい?

神山:

え? 次のマーケティングですか? 子供向けとか、主婦向けですか?

部長:

いやいや、それも良いけどターゲットは海外だ。調べてみたんだが、昼寝の習慣は日本より海外に多いんだ。スペインでは「シエスタ」、アメリカでも「パワーナップ」といって、有名なIT企業などが導入している。

神山:

そうなんですね! ということはIT企業や俳優さんはもちろん、世界中の仮眠や休息が必要な職業の人たちにはニーズがあるってことでしょうか?

部長:

うむ。そう考えると、アジアでも中国はもちろん、ASEANの諸国などでもこれからどんどん必要になるのではないかな? ものすごい勢いで経済成長をしているからね。もっともっと多く販売できれば、量産効果も出る。どうせなら、世界でのヒットを狙ってみないかい?

神山:

すごいです! 今からマーケティングを始めれば「だいふくわんこ」と「だいふくにゃんこ」を、世界同時発売できるかもしれませんね!

部長:

ワクワクしてくるね。私たちの作った素晴らしい価値、職場での快眠という価値を世界に届けよう。

神山:

はい! そうなると、今度はPEST分析も必要ですね! まだまだ知識がない私ですが、これからもよろしくお願いします!

部長:

お? 自分でも勉強を始めたね? 知識が無いことを恥じる必要はない。努力しないことを恥じなさい。じゃあさっそく分析を始めよう!

神山:

はい! ではさっそくベトナムから。

部長:

?? なんで?

神山:

今日のランチが美味しい生春巻きだったので!

まとめ

最後まで「5分でわかる! 売れるの”いろは”」を読んでいただきありがとうございました! 新米マーケ女子さとみの奮闘記はいかがでしたか? 13回に渡ってさまざまなマーケティングを行ってきましたが、それぞれの分析や施策がどのような効果を生んだのか、復習を兼ねて整理してみました!

フォーカスしたこと

3つの視点で市場を見える化
フレームワーク 3C分析

手法

Customer(顧客と市場の分析)
ターゲット顧客やニーズの把握などを行う
Competitor(競合他社を分析)
競合他社の強み、弱みなどを分析
Company(自社を分析)
自社の強み、弱みを他社と比較してリストアップし、課題整理を行う。

効果

自社を取り巻く環境の分析をすることで、競争環境を把握し、課題を明確化することができる。
KBF・KSFの明確化
業界を取り巻く5つの力!? 5F分析を実践しよう
フレームワーク 5F分析
手法 自社が属する業界の
・売り手の交渉力
・買い手の交渉力
・業界内競争
・新規参入の脅威
・代替品の脅威
という競争要因を把握する。
効果 それぞれの要因の力(フォース)関係を分析することで、業界全体の構造・特徴や収益性があきらかになる。
自社の収益に影響を与える力の存在と強さを把握できる
売るためのヒントは顧客の声にあり
フレームワーク アンケート調査
手法 適切な内容と数の質問を行い、回答から顧客やユーザーの意識を把握する。
効果 顧客の声を直接聞くことで、マーケティングの方向性を定めたり、修正することができる
売るための活路を見出せ!SWOT分析にチャレンジ!
フレームワーク SWOT分析
手法 自社(製品、サービス)の
・強み(Strength)
・弱み(Weakness)
・機会(Opportunity)
・脅威(Threat)
を分析する。
3C分析や5F分析、アンケート調査の結果を整理するイメージ
効果 自社は何に取り組むべきなのか、市場機会と事業課題を明確にすることができる。
価値ある商品を誰に届ける?ペルソナを明確にしよう!
明確なポジショニング戦略でターゲットに魅力を伝えよう!
フレームワーク STP分析
ペルソナ設定
手法 ・セグメンテーション
ニーズを元に、顧客を大まかに括る。

・ターゲティング
自社にとって「魅力的な顧客」を見つける。具体的にターゲティングを行い、「ペルソナ」を設定。

・ポジショニング
ターゲットのKBFを意識し、製品が一番魅力的に見えるアピール方法を見つける。
効果 価値を届けるべき顧客像を明確にすることで、具体的な戦略立案が可能になる。
マーケットが変化したら、ポジショニングを変えて違うターゲットを狙うことも可能。
いよいよ大詰め!4Pはどこから考える?
4Pの難所Placeに挑戦!どこで売るのが最適なのか?
お客様のファン化が最強のプロモーション!
フレームワーク 4P分析
手法 4つのPを検討し、他社と差別化を図っていく。

・製品(Product)
製品を企画・設計・製造する

・価格(Price)
製品の価格を決定する

・流通(Place)
製品の販路を検討・構築し、販売する

・プロモーション(Promotion)
製品の売上が上がるように、広告・販促を企画・実行する
効果 具体的な販売施策。4Pを具体的に立案・実行することで、価値は顧客に届いていく。

これまで行ってきたマーケティングで勉強したことは、「常にお客様の目線で物事を考えること」でした。これからも「お客様の目線」を忘れずに、マーケティングを進めていきます。またどこかでお会いしましょう!

サンライズカンパニー株式会社

第三事業本部 商品企画室 神山さとみ

カーテンコール

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