お客様のファン化が最強のプロモーション!

From: ダイレクトマーケティングラボ

2019年04月04日 00:00

この記事に書いてあること

マーケティングって、結局どんなことなんだろう。専門的な知識や理論でありながらも、実は私たちの身近にあって、仕事やプライベートを魅力的に改善してくれるものなんです。今日から使えるマーケティングの知識や使い方を、がんばり屋の女の子、神山さんと一緒に学んでいきましょう!

前回、一番の悩みであった販路に対する不安を、ようやく払拭することができた神山さん。今度はどうやってお客様にだいふくにゃんこを知ってもらうか、Promotionの問題で頭を抱えてしまいます。広告宣伝に使える予算には限りがある様子。あまりお金をかけずに、商品の良さをお客様に知っていただく方法はあるのでしょうか?

主要キャラクター紹介

神山さとみ

24歳、独身(彼氏ナシ)。サンライズカンパニー第三事業本部商品企画室所属。美大のデザイン科を卒業後、新卒で入社。家電事業の営業アシスタントを1年経験した後、かねてからの希望だった商品企画室に異動。キャラクターグッズ「だいふくにゃんこ」を開発する。

渡辺部長

46歳。妻と2人の子供がいる。サンライズカンパニー営業・戦略グループマーケティング部部長。長らく大手商社に勤め、MBAも取得済み。サンライズカンパニーの社長に請われ、半年前より転職して現職に就いた。

だいふくにゃんこ

神山さんが企画したぬいぐるみ。素材はビーズで、ぷにゅっとした触感が魅力。その何も考えてなさそうな表情が女子社員のハートをとらえ、社内限定で人気上昇中。

お金をかけずに宣伝しよう! 頭を使えば道はひらける!?

神山:

テレビや新聞、雑誌も含めて、広告はすごくお金がかかるものというイメージしかないのですが、これって知恵を絞ってどうにかなるモノなのでしょうか?(泣)

部長:

たしかにメディアをつかう広告は、お金がかかる。たとえばテレビのゴールデンタイムで15秒のCMを流せば数百万円なんて当たり前だし、全国紙の新聞で一面広告を出せばそれ以上の広告費がかかる。

神山 :

3秒でも無理っぽいですー(泣)

部長:

ただ少し考えてごらん。メディアを使うことばかりが宣伝ではない。今のところ私たちが一番お金をかけずに宣伝するとしたら、どこでPR(宣伝)すべきかな?

神山:

当社、サンライズカンパニーのWEBサイトですよね? それくらいはわかりますが、どこまで宣伝効果があるのか………

部長 :

まぁ、そんなに悲観的な顔をするのはやめなさい。当社のWEBサイトだって、捨てたモノじゃないよ。まずはだいふくにゃんこの専用ページを作って、検索サイトからお客様に来てもらう工夫をしよう。

神山:

検索……エンジンの最適化? でしたっけ?

部長:

そう、SEO対策というね。ユーザーが検索サイトでキーワードを検索した場合に、自社のページが上位に表示されるように対策するんだ。これならお金はかからない。

(SEOの基礎知識と具体的施策についてはこちらから)

神山:

確かに……

部長:

たとえば「会社、ストレス、疲れ、昼寝、枕、スッキリ」などのキーワードを組み合わせて検索した場合に、だいふくにゃんこのページが上位に表示されるようにする。これを確実にやって、お客様を呼び込もう。それと神山さんは、コンテンツマーケティングって言葉を聞いた事があるかい?

神山:

コンテンツ? マーケ? ですか?

部長:

一般的なWEBマーケティングは様々な宣伝や、SEO対策でページに来てもらうのだけど、今は広告が溢れているだろう? 広告だけでなく情報が溢れすぎている。神山さんは多すぎる広告にウンザリしたことはないかい?

神山:

そうですねぇ……明らかに自分に関係のない広告は興味がわかないし、そうでなくとも何回も同じ広告を見せられると嫌だなーと思っちゃいます。

部長:

テレビや新聞で広告をすることは相手を選ばずに宣伝をすることだし、言ってみればとても一方的だ。WEB広告ではユーザーの嗜好に合わせて表示する広告を変えたりもしているけど、これも同じように一方的だよね。このような広告を押しつけがましいと感じる人たちも多いんだ。

神山:

確かに。そうなると広告の内容は頭に入ってこないし、効果はありませんね。というか逆効果かも。

部長:

そう。それで今はコンテンツマーケティングがWEBマーケティングの主流になりつつある。ブログや動画、メルマガなどのコンテンツを用意して、まず最初にお客様にファンになってもらうんだ。お客様の欲しい情報を提供しながらコミュニケーションして、商品の価値を認識してもらう。

神山:

企業がブログやメルマガをなぜ配信するんだろう? と今ひとつ理解できていなかったのですが、そんなワケがあったんですね!

お客様に宣伝していただく!?  口コミやSNSでの拡散は最強キャンペーンだった!

部長:

当社のWEBサイトだって活用方法を変えることで、一方的に情報を発信する場所からお客様とのコミュニケーションの場に変えることができる。たとえばブログなら少し工夫をすれば開設することができるし、コメントも書き込んでいただける。これならお金は大してかからないだろう?

神山:

なるほど! お金をかけて宣伝する前に、もっと考えることがあるのですね。

部長:

それだけじゃなく他の企業はSNS、つまりTwitterやFacebookなども積極的に活用しているよ。良い例はポッキーかな? 神山さん、ポッキーの日って知ってるかい?

神山:

知ってます! 11月11日ですよね? コンビニやスーパーでもPOPが貼られたりしますよ!

部長:

うむ。もともとはね、メーカーである江崎グリコが11月11日をポッキー&プリッツの日にしようと決めて、Twitterでキャンペーンをしたので有名になったんだ。

神山:

Twitterで!? 知りませんでした!

部長:

キャンペーンといっても、ポッキーの宣伝をしたわけじゃない。11月11日の24時間で、どれだけ「ポッキー」を含んだ投稿が計測できるかギネスに挑戦しよう!というキャンペーンだった。200万ツイートが目標だったのだけど、結果として370万を超えるツイートが計測されてギネスの世界記録を達成、売上も対前年で120%になったんだよ。

https://twitter.com/PockyJPN/status/401170489323687936

神山:

ファンになってくれたお客様の口コミやSNSでの拡散は、認知拡大やリピートを含む購入を増やす上で力強い宣伝になるのですね!

部長:

そのとおり。一度商品を買ってもらったらそれで終わりではなく、ファンになっていただいて長く付き合うことが最終的に大きな利益を生む。ほら、この話、以前にしなかったかい?

神山:

あー! 電器屋さんですね! 街の電器屋さんが無くならない理由!

第6話「売るための活路を見出せ!SWOT分析にチャレンジ!」

部長:

やり方はさまざまだが、これこそがLTV(顧客生涯価値)の最大化だよ。コンテンツマーケティングは、これを狙うマーケティング手法の一つだ。いろいろなメリットがあるから話しておこう。

コンテンツマーケティングのメリット

①低コストで始めることができる

発信するコンテンツは、動画やブログ、SNSなど予算に応じて選ぶことができる

②効果が継続する

コンテンツはストックされて資産となるので、普通の宣伝のように一過性ではなく効果が継続しやすい

③リピーターを生みやすい

お客様は欲しい情報を求めて再訪することが多くなり、リピーターとなりやすい

④ロイヤルカスタマーも生まれやすい

長くコミュニケーションすることでサイトや商品のファンになり、ロイヤルカスタマーになっていただけることも多い

⑤新規顧客や潜在顧客獲得にも効果あり

商品やサービスを直接宣伝するより価値の訴求に重きが置かれているので、新規顧客だけでなく、潜在顧客の掘り起こしにも効果がある。

部長:

どうだい? コンテンツマーケティングのもたらす効果は、一過性のモノではなくてLTVの最大化に貢献するって意味がわかるだろう?

神山:

うわー、良いことづくめじゃないですか! すぐやりましょう!

部長:

いやいや、そんなにおいしい話ばかりじゃなく、コンテンツマーケティングには弱点もある。継続的にコンテンツを発信し続けることは、すごく大変なんだ。それにお金をかけた宣伝には即効性があるが、コンテンツマーケティングは効果を発揮するまでに時間がかかるんだよ。

万能なマーケティング手法はない! どうやって弱点を解決する?

神山:

確かに。お金が莫大にかかることは無さそうですが、ブログを書いたりSNSでコミュニケーションしたり、ファンになっていただくまでに時間がかかりそうですね。

部長:

とにかく専用ページやブログの開設など、できることはすぐに始めよう。それと、ファンになっていただくまで時間がかかる弱点の解決策として提案したいのが、インフルエンサーマーケティングだ。

神山:

(また新しい言葉が出てきた…泣)今度はインフルエンザですかっ!?

部長:

インフルエンザじゃないよ、インフルエンサー!

神山 :

それってインフルエンザに罹っている人じゃなくて……?

部長:

……かなり違う。簡単にいえばその道の有名人や、SNS上で強い影響力を持つ人のことを言うんだ。その人に商品やサービスの感想を述べてもらったりすることで、他のお客様にも価値を認識していただくマーケティング手法をインフルエンサーマーケティングという。

神山:

あれ? いわゆる「サクラ」ですか?

部長:

違う違う! インフルエンサーマーケティングでそれは一番やってはいけないことだ。

神山:

あちゃーー

部長:

企業から仕事として依頼する場合もあるが、その場合にはヤラセやサクラと勘違いされないように、「広告」「PR」などと明示することが必要! 利用者のフリをするなど、お客様を裏切る行為は厳禁だ。実際に使ってもらい、その人の本音を語ってもらうことが何より重要なんだよ。

神山:

効果はものすごくありそうですが、お客様の信頼を裏切らないように細心の注意が必要ですね。それにインフルエンサーを探すのって、どうすればいいのでしょう?

部長:

うむ。えこひいきはしてくれないが、良いものならちゃんと感想を述べてくれる人を知っている。だいふくにゃんこの良さを、きっとわかってくれるよ。神山さんは当社のWEBサイトからコンテンツを発信できるように、すぐ関係者と準備をはじめること! すべてを同時進行させて、最大の効果を上げよう。

神山:

やることが山積みですけど、いろいろなことがクリアになって、すごくワクワクしています! だいふくにゃんこを大ヒットさせましょう!

まとめ

商品を宣伝するにはお金がかかる! と思い込んでいた神山さん。渡辺部長から既にある資産を活用したり手間を惜しまないことで、お客様に価値を伝えていくことは可能なのだ、と助言されました。環境分析(3C、5F、SWOT)から戦略立案(STP)、施策立案(4P)とマーケティングを進めてきて、あとは実行あるのみ! さて、2人の努力は実を結ぶのでしょうか? 第12回もお楽しみに!

口コミやSNSでの拡散

第11回のまとめ

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https://www.ricoh.co.jp/magazines/direct-marketing/column/b00011/

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