THETAミクモデルの販売数を10倍にしたSNS活用法

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セミナーレポート
近年のWEBマーケティング手法の中で、高い注目を集めるSNSマーケティング。今回は『THETAミクモデル』の販売台数を約10倍にしたリコーの成功事例紹介を交え、SNSマーケティングの特徴や効果的な活用法についてご紹介します。
講師の(株)リコー Smart Vision事業本部 藤田 陽平
360°の景色を撮影できる全天球カメラ『THETA』
THETAは自身を取り囲む、360°すべての景色を簡単に撮影できる全天球カメラです。撮影した画像はそのままSNSに投稿したり、WEBサイトに貼りつけたりすることができます。カメラ本体に付属するボタンではもちろん、スマートフォンでシャッターをきることも可能です。
そして『THETAミクモデル』は、THETAと人気キャラクター初音ミクとのコラボレーションモデルです。基本的な機能自体はTHETAと同じですが、撮影した映像に初音ミクのアイコンを簡単に埋め込むことができるのが大きな特徴です。実写空間に人気キャラクターがコラボレーションすることで、よりユニークな映像・コンテンツを作ることができます。
さらに弊社が用意した「theta360.com」というサイト内で、撮影した映像を誰でも無料で投稿したり、ハッシュタグをつけて同商品の購入者同士で画像を共有したりすることも可能です。もちろんTwitterなどでも映像を投稿できますので、投稿を見た人が拡散してくれることで、じわじわと世の中に商品の魅力が広まっていくという現象も期待しています。
"MIKU in the Sun Flower Field" edited by RICOH THETA Type HATSUNE MIKU. #miku360 - Spherical Image - RICOH THETA
※THETAミクモデルの詳細についてはこちら ⇒ https://miku.ricoh/ja/
そもそもWEBマーケティングとは?
SNSマーケティングの話をする前に、まずはWEBマーケティングについて説明しましょう。
WEBマーケティングは商品やサービスの売上・利益を増やしていくための手段の一つであり、WEBサイトのアクセスやコンバージョン率アップ、WEB広告配信などが具体的な施策となります。そのWEBマーケティングの手段の一つとしてSNSマーケティングがあります。
近年はWEBマーケティングの手段がたくさんありすぎて、どれを選ぶべきか悩む方もいらっしゃいます。そんなときは、ゴールをより細かく具体的にしてみましょう。例えば横浜駅から東京駅に移動するにあたって、電車・車・タクシーなど様々な手段がありますが、「最速で」「最も安く」というように条件を足していけば最適な手段は絞られてくるのです。そしてそのゴールを、組織間で共有していくことも重要です。
SNSマーケティング自体が無数にある手段の中の最適解かそれに準ずるものでなければ、必ずしもこの手法をとる必要はありません。「なんとなく流行っているから」という理由でSNSマーケティングに手を出しても、失敗に陥る可能性があることを念頭に置いておきましょう。
SNSマーケティングの3つの特徴
SNSマーケティングはFacebook・Twitter・LINE・Instagramなど、「一般ユーザーが使用するプラットフォームを活用して企業のブランド力や商品認知度を高める」というのが一般的な定義となります。SNSマーケティングの特徴は大きく分けて三つほどあります。
①ユーザーと企業がダイレクトに双方向コミュニケーションができる
テレビCMは受動的かつ一方的であるのに対して、SNSはユーザーが反応できますし、その反応を企業側にダイレクトに返すこともできます。また企業はユーザーに直接メッセージを送ることも可能です。
②顧客との長期的な関係性を築くことができる
WEB広告は直接的かつ短期的関係になりがちですが、SNSは顧客との長期的な関係を築くことができます。例えばTHETA初音ミクモデルは購入して終了ではなく、購入後も撮影した映像をSNSに投稿するなどして、ユーザー同士でやり取りが続くのです。
③一つのコンテンツが拡散(バズ)によって爆発的に広まることがある
SNSマーケティングの面白いところは、非常に魅力的な商品やコンテンツであればユーザーがどんどん拡散してくれるということです。拡散が拡散を呼び、爆発的に広まる可能性を持っているのです。
SNSマーケティングにありがちな「間違った思い込み」
SNSマーケティングを行う際には、“間違った思い込み”を排除しなければいけません。実際に弊社もSNSマーケティングを開始した当初は以下のような思い込みが原因で、思うような結果を得ることができませんでした。
①モノさえ良ければSNSを通して広まってくれる
良いモノを作るという意識はとても大切です。しかし、良いモノであってもそんな簡単に広まらないケースもあるということを心に留めておくべきでした。
②WEBサイトを作れば多くのユーザーが訪問してシェアしてくれる
「WEBサイトを作ればなんとなく人がたくさん来てくれるのでは」「シェアボタンを用意しておけば拡散してくれるんじゃないか」と期待していたため、「どんな情報をどんな順番でどう表示させるか」という部分まで重要視できていませんでした。
③WEBサイトでの買いやすさは関係ない
当初は名前や住所などを入力して会員登録しなければ商品を購入できない設計になっており、ここでの離脱率が非常に高かったのです。
④認知が高まればよい
「SNSマーケティングは認知施策なので、直接的に売上に結び付かなくても仕方ない」と考えているところがありました。しかしどんな施策でも、本来は最終的に売上に結びつくべきなのです。
改善施策によって売上が月次べースで約10倍に
上記のような間違った思い込みを改めることにより、弊社では売上を月次べースで約10倍に伸ばすことができました。次はその具体的な改善施策を紹介します。
①良いモノを作るだけではなく、面白いコンテンツを発信する
まず、より面白いコンテンツを発信することを心がけていきました。見た感じがにぎやかでユニークなコンテンツ、不思議な映像、新規性が高いコンテンツなど、面白くて拡散されやすいコンテンツを作成しました。これならコンテンツを見たユーザー自身が楽しんでくれますし、さらに楽しんだユーザーが拡散してくれるといった好循環でファンを増やすことができます。
②WEBサイト自体を面白く、商品の特徴・価値を分かりやすく伝える
WEBサイトに訪問してくれた人にわかりやすく商品の特徴や価値を伝えるという、基本中の基本に再度着目しました。以前は商品の仕様や事務的なニュースなどをWEBサイトの目立つ場所に掲載していたのですが、「アプリで誰でも簡単に使える!」「こんな作品が作れます」というような、始めて訪問したユーザーに興味を持ってもらえそうなトピックスが目立つように変更しました。
③購買導線はシンプルに、スマートフォンでも買いやすく
三つ目は最も売上に大きく影響した施策なのですが、購買動線をシンプルに、かつスマートフォンでも購入しやすくしました。近年は約7~8割がスマートフォンからのアクセスになっています。それなのに、会員登録しないと商品を買えないというのは非常に不便な設計だと考えました。もちろん自社サイトに会員登録して購入いただいた方が利益率は高いのですが、そこにこだわることで離脱率が高くなっては意味がありません。
そこでAmazon payのような既存アカウントを利用して購入できる仕組みを作ったところ、「購入する」「カートイン」での離脱率が約8割から約5割以下まで減少しました。
最終購買動線を変えるというのは意外とシンプルな方法ですが、これだけで売上や申込数が2倍ぐらいに増えるケースはよくあります。また、申し込みフォームの改善も効果的です。入力必須項目を3項目ぐらいに絞ると、フォーム上でのコンバージョンが約2倍に増えることもあります。
KPIは「認知」ではなく「売上」にすることも重要
もう一つ大切なことは、KPIは「認知」ではなく「売上」に設定するということです。そのうえで各々の施策が売上にどうつながっているかを、きちんと把握する必要があります。例えばSNSで「いいね」数を増やす、フォロワー数を増やすといった指標を追い、そこから流入したユーザーがどれぐらい購入につながったのかを計測できる仕組みを整えましょう。
弊社もその部分をしっかり計測できるようにしたことで、売上が半年で約10倍に増えることになりました。「KPIは売上である」という意識を組織で共有し、それをベースに各々の施策を考えていくことによって、非常に効果的なSNSマーケティングが実現するのではないでしょうか。
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