データ活用がもたらすDMメディアの新たな進化

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eコマースの急成長や通販市場の拡大により、WEBでの「購買履歴」「行動データ」といった新データを活用したマーケティングが可能になり、DMメディア業界にも新たな風が吹き始めています。今回はデータ活用によるDMメディアの新たな可能性や活用方法、全日本DM大賞受賞作品から分析するトレンドなどを解説します。

一般社団法人日本ダイレクトメール協会専務理事 椎名昌彦氏

講師の一般社団法人日本ダイレクトメール協会専務理事 椎名昌彦

データドリブンがこれまでのマーケティングを変える

以前のマスマーケティングが主流であった時代は、プロモーションのターゲティングやタイミングを非常に大まかにしか測ることができませんでした。例えばターゲットに関しては、「男性か女性か」「若者か老人か」という程度の分析しかできなかったのです。

しかし近年は、ターゲットとタイミングの“狙い撃ち”精度が非常に高まってきています。
カスタマーがカード会員やポイント会員に登録する際に取得できる、性・年齢・職業・居住地・ライフステージ・家族構成などのデータを活用できるようになったからです。 特に注目されているデータが「購買履歴」です。この10年の通販の急成長により、カスタマーがいつどんな商品を買ったかを事細かに把握できるようになりました。最近はコンビニエンスストアでも、POSデータ経由で購買履歴情報が取れるようになっています。
そして購買履歴と同様に、近年注目されているデータが「WEBの行動データ」です。どの端末からどんなWEBページにアクセスしたのか、どんなところに興味があるのかがリアルタイムで分かる時代になりました。こういったデータ活用の変化によって、ここ5~10年でマーケティングの前提も大きく変わりつつあります。

マーケティングに活用される「データ」とは

日本の人口の過半数がデータベース化される時代

さまざまな顧客データが取れるようになったことに加えて、データの量自体も増えています。それに大きく関係しているのが通販の存在です。2000年以降、大企業のほとんどが通販事業に参入していますが、通販を実施すれば10~100万人の顧客データが集まるといわれています。850万人の会員を有するクラブパナソニックは、独自のWEBサイトを持ち、各カスタマーの購買履歴もしっかり把握しています。Ponta会員は8千万人、楽天会員は1億人を超えているといわれており、日本の人口の6~7割が、すでにデータベース化されているといっても過言ではありません。

精度の高いOne to Oneマーケティングが実現

こうした顧客データを持っていれば、より精度の高いOne to Oneマーケティングが可能になります。
例えばEメールやDMといったプロモーションツールを、顧客履歴や購買履歴などの豊富なターゲット情報を活用して、効率よく本格的に展開することができるのです。

One to Oneはターゲットによって課題が異なるわけですから、ターゲットセグメント別のコミュニケーションのカスタマイズは常に意識する必要があります。最近はターゲットの購買履歴やサイトアクセスの状況を把握することで、一人ひとりのニーズや嗜好に合わせた表現や商品提案を行うことができるようになっています。

また、購買頻度が低い商材に対する効率的なターゲティングも可能になりました。車や住宅といった耐久消費財など、ニーズ発生タイミングが不明確な商材についてもWEBの行動履歴からそのタイミングを把握し、ターゲティングとタイミングの最適化が実現できるようになったのです。

「データ」によって進化するコミュニケーション

デジタルにはないDMメディアの特徴

デジタルシフトが顕著な時代の中で、数年前までは「DMは滅びゆくメディア」と表現されることもありました。しかし、ここ最近は再びその価値に注目が集まっているようです。

DMの特性は「One to Oneの最適化」「モノがリアルに届く」「ビジュアルインパクトの高さ」です。
また、意外と見落としがちなのですが、DMにはメルマガよりも圧倒的に情報量が多いという魅力もあるのです。メルマガは1通あたり400~500字程度ですし、タイトルだけで読み捨てられることも少なくありません。それに対してDMは情報量が豊富で、商品の説明を丁寧に行い、場合によっては挨拶や商品サンプルを同封することまでできてしまいます。これによってターゲットを説得するストーリー作ることができるのです。

圧倒的な開封率とコンバーションを誇るDMの威力

DMとEメールは、開封率にも大きな差があります。調査によると自分宛のDMの開封率・閲読率は74%と非常に高いのに対して、Eメールは15~20%程度となっています。

さらに自分宛のDMを見て、「ネットで調べた」「お店に出かけた」「家族・友人に話した(口コミ)」など、何らかの行動をした人が22.4%という結果も出ています。WEBと比較すると、コンバージョンが20%超というのはとんでもない数字なのです。

紙DMとeメールの開封率の違い

20代のデジタルネイティブ層にも着実にリーチ

この調査で非常に面白かったのは、実はDM閲覧後の行動喚起率が若年層の方が高かったということです。「オールドメディアと呼ばれるDMは、20代のデジタルネイティブ層には響かない」というイメージがあったのですが、実は非常に大きな影響を与えていました。

現在のデジタルネイティブ層は、すでにプロモーション系のメールはほとんど見ないという状況になっているようです。中には通販を利用したり会員登録したりする際に、大量のプロモーションメールが煩わしいため、普段は利用しない“捨てアドレス”を使用するという若者もいます。それに対してDMは週に6通前後しか届きませんから、「目を通してみよう」という気持ちになるのかもしれませんね。

DMは若年層に強い

データ活用によりDMが本領を発揮できる時代に?

保存率が高いのもDMの利点で、約4割弱が自分宛てのDMをすぐに破棄せず保管しているそうです。ちなみにDMで受け取りたい情報は、「クーポンの案内・プレゼント」「特売セールや試供品の案内」といったお得情報が人気です。

さらにWEBに誘導するDMは6割弱が受け取った経験があり、実際にアクセス経験があるのは31.5%となりました。この数字は、数年前と比べてやや上昇している印象を受けます。

Eメールは大量に届くがゆえに効果が薄まっており、一方で希少性の高いDMがメディアとして得をしていると思います。データ活用が実現したことで、ようやくDMが本領発揮できる時代になったのかもしれませんね。

なぜメールと比べてDMを見るのか

DMのデータ活用トレンド

2018年全日本DM大賞受賞作品から分析すると、DMのデータ活用において、以下の3つのトレンドが浮かび上がりました。

①データ活用によるパーソナライゼーションの進化
One to Oneを超えた感動の創出

②デジタル効果を組み込んだシナリオ設計
DMをトリガーにSNSによる良質な拡散

③顧客との関係性強化・ブランディング
通販を中心に高質な顧客体験メディアとして完成

①については、データ活用によってパーソナライゼーションがどんどん進化しているということです。
例えばソフトバンクは「10年間の感謝を込めたあなただけのケータイアルバム」をテーマに、「自分と商品のメモリアルが重なり、懐かしさを呼ぶDM」を作成しました。この10年間にユーザーが使用した歴代携帯端末に社会的な出来事をリンクさせ、カスタマー一人ひとりに内容の異なるアルバムを送付したのです。まさにOne to Oneを超えた感動を創出する、見事な施策でした。

デジタル効果を組み込んだシナリオ設計ではSNSが活躍

②の「デジタル効果を組み込んだシナリオ設計」とは、DMとEメールを組み合わせた施策や、DMからWEBに誘導するドライブトゥーWEBを盛り込んだ施策などがあげられます。

特に今年盛り上がりを見せたのが、「DMプラスSNS」でした。DMをトリガーにしてSNSによる拡散を図り、キャンペーン全体を盛り上げるという施策が複数登場しました。
アドビシステムズでは、アドビのアプリケーションやデザイン系のアプリケーションを所有する企業内のユーザーに対して、アドビのロゴやアイコン入りコースターが入ったDMを送付しました。そして、新商品のロゴ入りコースターをプレゼントすることをフックにWEBサイトへ誘導したのです。IT系のユーザーはネットワークが広いので、DMを送った層以外にもSNSやメールを媒介として情報が拡散し、最終的な効果の底上げが実現しました。

既存顧客とのブランドリレーション育成にも貢献

③の顧客との関係性強化やブランディングというトレンドには、近年の通販領域の事情が背景にあるようです。通販領域は近年新規獲得が非常に難しくなってきているため、既存顧客とのブランドリレーションを育てて顧客生涯価値を高め、中長期的な売り上げの拡大・安定化を狙うフェーズに入っています。そのためにも、DMではブランディングやおもてなしの要素が非常に強くなっているのです。

MIRAIさんでは「一通目は丁寧なカウンセリング、2通目がサプライズクーポン、最後の3通目に強いクロージング」といった段階的なDMを送付しました。さらに「得点締め切りまであと何日」といったメルマガを緻密なタイアミングで仕込んでいます。ブランディングも強く意識しており、商品を送る際のパッケージを高級感があるボックスにして、他社との差別化にも注力しました。

まとめ

今年はDMを起爆剤にSNSの拡散を活用するという手法が本格的に参入してきました。
またDMならではの非常に大きな情報量を活用した、オーソドックスな訴求の仕方も登場しています。そして単純な短期の行動喚起よりも、中長期的なブランディングや絆づくりといったテーマへシフトしてきました。

「紙 vs Eメール」対決ではなく、今後はそれぞれの弱みを補完し、競争から協奏へという時代へ突入していると思います。DM=オールドメディアという時代は終わり、これからはデジタルとの連動やデータ活用によって、DMがさらなる進化を遂げていくフェーズに入るでしょう。

講演日:2018年9月6日

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