成果の出るリスティング広告。改善ポイントと攻略法

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セミナーレポート
WEB検索をした時、通常検索結果の前に表示されるリスティング広告。「改善のためのチェックポイント」と「一般キーワード攻略」という視点から、講師の中澤氏が実践テクニックを解説しました。
講師のインターコネクト社 刈込正樹 氏
CPAを抑え、無駄な出稿を減らすことが、効率化への第一歩です
まずは、コストを下げる「効率化」について説明します。
リスティング広告の効率について考える時に押さえておきたい概念が「CPA」です。CPAとは、1回コンバージョンする(目標を達成する)ためにかかったコスト(お金)を表した金額です。この数値が高い、すなわち効率が悪いにもかかわらず、コストが多くかけられているポイントをチェックする必要があります。
また「広告出稿がコンバージョンにつながっているか」という視点も重要です。出稿キーワードのマッチタイプや選定方法を工夫して、できるだけ関連性のある検索ワードにのみ出稿できるようにしましょう。
出稿設定を工夫すれば、絞り込みによる大幅な効率化が図れます
出稿ターゲットを絞り込む
出稿対象を絞り込むことで、より効率の良いキーワードに余ったコストを投入できるようになります。たとえば、コンバージョンにつながらないと判断される検索ワードや、すでにコンバージョンしたユーザーを、それぞれ除外ワードや除外ユーザーに設定することで、コストダウンができます。逆に、自社サイトに来訪したことのあるユーザーはコンバージョンにつながる可能性が高いため、そのようなユーザーに向けての集中的な出稿は効果的です。
出稿地域を絞り込む
デフォルト設定では、ターゲット地域に実際にいるユーザーだけでなく、ターゲット地域に関心を持っているユーザーに対しても出稿が行われます。自社商品の特徴に合わせて、ターゲット地域に関心を示しているユーザーへの出稿の有無を決定しましょう。
出稿先を絞り込む
Googleの「検索パートナー設定」、Yahooの「広告掲載方式の指定」では、パートナーサイトや関連サイトにも出稿するかどうかを設定できます。デフォルトではこれらのサイトにも出稿されますが、レポートで効果を確認して、効率が悪い場合には検索のみに絞り込む必要があります。
獲得数拡大のために必要なのは、やはり「拡大」です。
より多くのコンバージョンを得るには、効率化とは逆のことを行います。具体的にはCPAの低いポイントへ投下するコストを増やしたり、出稿する検索ワードの対象を広げたりします。効率化と獲得数拡大のバランスを取ることが重要です。
コンバージョンが期待できる部分には、多くのコストを投下しましょう
コンバージョンを増やす上で大事なのが「インプレッションシェア」、すなわち「検索の際に自社広告が表示された割合」に注目することです。CPAが低く効率が良いにもかかわらずインプレッションシェアを取れていないキーワードに対して、より多くのコストを投下することで、出稿割合を増やし獲得数拡大を目指しましょう。
また、インプレッションシェア拡大に役立つのが「配信集中化」の設定です。これは1日の中でどのように出稿予算を使うかの設定で、全ての時間に均等に割り振るのが基本です。しかし、社名等のブランドワードのような常に出稿していたいキーワードに関しては、最大限の予算を充てたうえで集中化を選択すると、インプレッションシェア100%を目指せます。
その他に、Googleの「動的検索」の利用も獲得数拡大に有効です。これは、自社サイトをGoogleのシステムが読み取り、抽出されたキーワードに対して自動的に出稿するというものです。出稿が拡大できるだけでなく、クリック率やコンバージョンの上昇も期待できます。
その他、効率化と獲得数拡大が期待できる改善ポイント
不要なキーワードを登録していないか
キーワードの順序やひらがな・カタカナの違いなどは、実は区別なく出稿されます。キーワード仕様を確認して、不要なキーワードの登録を解除しましょう。
広告文のカスタマイズを行っているか
地域名など、複数のキーワードを設定しているのにもかかわらず、広告文が1種類のみというケースがあります。これを、キーワードごとに地域名の部分を変えた広告文にカスタマイズすることで、よりユーザーを誘導しやすい広告にできます。
広告グループが細分化されすぎていないか
キーワードごとに違った広告を出すために、広告グループを細かく分け過ぎていませんか? 実は、広告カスタマイザという機能を使えば、同じ広告グループに異なるキーワードを集約し、なおかつそれぞれに対応した広告を出稿できるのです。広告グループをまとめることで、出稿の最適化などさまざまな恩恵が受けられます。重複するキーワードが含まれる場合は、できるだけ1つのグループに集約させると良いでしょう。
一般キーワードの中でも重要なのが「スモールワード」です
ここからは、コンバージョン獲得に役立つ「攻略法」をご説明します。
コンバージョン獲得数を伸ばすためには、社名等の「ブランドキーワード」以外の「一般キーワード」の設定が重要になります。
無料のキーワード選定ツールを利用してピックアップしたキーワードを、検索ボリュームによって種類分けします。一般に、検索ボリュームが小さい「スモールワード」の方が、よりコンバージョンに結びつきやすくなっています。効率良くコンバージョンを拡大していくためには、このスモールワードを充実させる必要があります。
そこで、広告出稿時の検索ワードのデータや、動的検索で使われたワードなどを参照して得られたキーワードを、新たなスモールワードとして追加しましょう。確度が高いスモールワードへの入札を強化することで、獲得数を底上げできます。
掲載順位を上げるためには、「品質スコア」がとても大事です
リスティング広告の掲載順位は、入札単価×品質スコアの数値で決まります。つまり、いくら入札単価を上げても、品質スコアが低ければ掲載順位を上げられないのです。
品質スコアとは、ユーザーが求めている情報と広告の関連性が、どのくらいマッチしているかを数値で表したものです。「推定クリック率」・「広告の関連性」・「ランディングページの利便性」の3要素で構成されています。
各要素の高低は、Google AdWordsの管理画面で確認できます。「平均より下」の要素を改善することで、品質スコアを向上させられます。
広告効果を高める広告文には、「具体的」な訴求が盛り込まれています
リスティング広告において広告文の設定は、クリック率やコンバージョン率、そして品質スコアに大きな影響を与えます。「他社の広告文を研究する」・「文中にキーワードを含める」・「自社の強みを訴求する」といった基本的な考え方を常に意識しましょう。中でも、自社の強みを訴求する際は、具体性を打ち出すことが大切です。
具体的な数字で訴求する
次のような強みを訴求する際には、文中に具体的な数字を入れると、クリック率やコンバージョン率の改善が期待できます。
・価格:商品の価格など ・実績:過去の売上数量など ・日時:キャンペーン期間など ・老舗:創業年数など
具体的な行動を促す言葉で訴求する
「口座開設はこちら」や「お問い合わせはこちら」といった、具体的な行動を促す言葉を文中に入れてみましょう。下に示すテスト結果では、具体的な行動を促すタイトルの広告は、クリック率こそ低かったもののコンバージョン率が高く、CPAの改善につながっています。
オプションを活用すれば、より訴求力のある広告を設定できます
広告文の最小構成である「タイトル+ディスクリプション」以外にも、無料で追加できるオプションがあります。オプションを使えば、より多くの情報の提示や、より多くの誘導の入口を設定できます。
また、Google AdWordsでは「価格表示オプション」が利用できます。これを使って具体的な値段をあらかじめ示すことで、予算の合わないユーザーの無駄なクリックを防ぐことができます。
最近のリスティング広告で活用されているシステム
AdWords Scriptの活用
AdWords Script(アドワーズスクリプト)とは、Google AdWordsにおけるさまざまな処理を自動的に行うプログラムです。多くの種類があり、エラーのチェックのようなパターン化しやすく、同時に手間のかかるタスクを自動化するのに役立ちます。
商品リスト広告(PLA)について
最後に、「商品リスト広告(PLA)」をご紹介します。これは、リスティング広告と同じクリック課金型の広告ですが、キーワードではなくあらかじめ設定した商品のデータフィードを元に検索結果画面に出稿されます。ユーザーに最初から画像や価格を見せられるので、ECサイトの広告として力を発揮します。さらに、この広告の掲載結果から検索クエリを抽出すれば、自分では気づかなかった、リスティング広告で使える新しいキーワードの発掘にも役立ちます。
おわりに
リスティング広告は、キーワードやオプションの設定など、運用に手間がかかる面もありますが、そのぶん大きな効果を上げる可能性を秘めています。今回ご紹介した考え方やテクニックを活かして、ダイレクトマーケティングに活用いただければと思います。ご清聴ありがとうございました。
以上のような解説を中澤正樹氏と刈込正樹氏からご紹介いただきました。
さらに詳しく知りたい方は、こちらからセミナー資料をダウンロードいただけます。
セミナーに参加されたお客様の声
ご来場いただきましたお客様から多くのご感想をいただきました。有難う御座いました。
- リスティングの基礎を知ることができた。
- リスティング広告を掲載することで、完了という考えであったが、キーワードを掘り下げたりすることによって、より良いコンバージョンを獲得できることがわかった。
- リスティング広告の管理画面の設定等。細かい設定、効率のよい広告の見分け方等の考え方が参考になった。
- 昨年リスティング広告を行っていた際、効果が良くわからなかったので、今後の対策のヒントになった。
リコージャパンでは「失敗しないダイレクトマーケティング」セミナーを定期的に開催しております。
セミナー・イベント情報は、こちらのページにてご案内しております。ぜひご覧ください。
【講師プロフィール】
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